第28話:妹が出来てしまった件について
第28話:妹が出来てしまった件について
翌朝からレオスリーダーの指示でギルド本部の設立やCランクパーティニューオーダーズがほとんど俺の功績でSランクに緊急昇格になったらしく、メンバー皆に感謝された。
「ディレオス、本当にありがとう。俺たちの仲間になってくれて。これからも仲間で居てくれるか?」
「当然ですよリーダー。俺も皆さんには助けられて、レーチカさんには命を救ってもらいました。恩も返しますし、出来ることは協力します」
「ありがとう……ディレオス君!」
「頼りにしてるぜ、俺の護衛対象なんだからさっ!」
「ディレオスさん、カッコイイですよ」
3人からお礼の言葉を貰うと最後にリーダーが締めくくった。
「ディレオス、これからもよろしく頼む!」
「こちらこそ!」
互いに力強い握手をして、再度の友情を確認する。
そして俺が寝ていた部屋は仮の拠点だったため、新ディレオス村建築に先立っての会議のためアルノスの仮村役所に向かう。既に移住希望者が200名を超えているということで書類整理をしながらの村から街への変更計画願を書いていた。
「忙しいなぁ……」
「ディレオス、なんだかパーティ設立のときを思い出すよ」
「ほんとだよ。あの時レオスリーダーが変なところに募集表出しちゃって、役所からの通達全部私が捌いたもん」
レーチカさんは自慢げながらも少し怒り気味で語る。
「いや〜レーチカ副リーダーには助けてもらってばかりですよ〜……あのぉ……新しくパーティ入隊希望書が100件ほど……」
「全くもう……お姉ちゃんに任せなさい!」
そう言ってレーチカお姉ちゃんは書類を受け取り、審査を始める。
俺も負けてはいられないと書類を書いていると……
「コーヒーどうぞ、お兄様」
「ありがとう……えっ!?き、君は……」
「レイラと申します、お兄様。新しくニューオーダーズの切り札戦力として加入しました。そしてお兄様の護衛隊長兼妹ですよ♡」
黒髪ロングストレートに赤い瞳、左眼には眼帯を付けて、黒いゴスロリチックなドレスを着た美少女だった。
「えーと……レイラさんが……異適の能力者……?」
「ほぼ間違いでは無いですね。眼帯のある眼に異適の根源を封印できたから教団に拐われたので……敵対意識も無いのでお兄様の思うがままにしてください」
こんな真面目で優しそうな子が異適を封じていたとは……
「ま、まぁ……色々お願いします……」
「はい!任せてください!お兄様が寝てる間に国家行政手続きは済ませておきました!後は村長のディレオスお兄様にしか出来ません!」
「レイラは優秀だね……この書類を俺が寝てる間にか……すげぇ……」
自分の視線の先にある、8分割された羊皮紙が高さ50センチほど積み上がっており、圧巻以外の言葉は出てこなかった。
仕事終わりはアルノスの極東中華料理店という所にニューオーダーズの面々と共にのれんをくぐった。
「いらっしゃい!6名様だね、お好きな席へどうぞ」
まずドアを開けた時に食欲を本能から呼び覚ますようなニンニクの香ばしい香りと唐辛子の香り。大きな鉄の鍋を火属性魔法の大火力で焼く料理の迫力はシェフの料理技術と魔法制御技術の高さが伺える。
「ディレオスはやっぱりビールやワインが好きだと思うけど、パーティリーダーの俺に選ばせてくれないか?」
「リーダーなら信頼できますから構いませんよ」
「ありがとう。店員さん!食前酒として果実酒5杯とオレンジジュース1杯、その後に白酒5杯と黒烏龍茶1杯、麻婆豆腐6人前とダブル炒飯6人前と坦々ラーメン6人前、食後は杏仁豆腐6人前とエスプレッソ6杯!」
承知しました!という声の後にどんな料理が出てくるか俺は楽しみでしょうがなかった。
「ディレオス、今後の街の経営についてだが……既にAランク級のパーティからの併合要請やSクラスパーティメンバーの特待勧誘要請もある。そろそろ第2班、第3班の設立も視野に入れるべきだと思う」
「俺としては犯罪歴とかが無ければ歓迎したいですね。街の警備や医療補助、賊徒の対策に人手は足りなくなると思う」
俺はそう言って水を飲む。すると水ではなく、ミントのような味を感じる。
「リーダーこの水って……」
「このお店の薬草水だよ。辛い料理や味の濃い料理が多いからさっぱりしてていいんだよね」
なるほど、考えられてるな。これならリピート客が増えても不思議では無い。
「ディレオス君の意見に私は賛成かな。街の財務管理担当として冒険者パーティほど効率良く動かせる存在はないからね」
レーチカさんの一押しでリーダーも決まったようだった。
「ありがとう、ディレオス市長。これが決まったことで我らニューオーダーズはパーティからギルドへ昇格し、ディレオス市に拠点を置くことになる。最初はBランクギルドからスタートらしい」
ついにギルドまで上り詰めたか……ここまであっという間だった。
これで少しはパーティに恩返し出来ただろうか……
「麻婆豆腐、坦々ラーメン、ダブル炒飯お待ち!」
赤く見た目だけで胃の空腹感を倍増させるような麻婆豆腐に、坦々ラーメンの赤く辛そうだがそぼろ肉のほんのり甘い香りに釣られて、ダブル炒飯の香ばしいニンニクの香りに俺は逆らえず、皆でいただきます。だけしてすぐにありついた。
その晩満腹のお腹で、アルノスの豪華な宿屋で部屋が足りず俺はレイラの希望でレイラとキングサイズのベッドで夜を明かした。
翌朝、日の出と共に目が覚めるとレイラが壁に掛けてある、俺のゼウス・スローター・カーテナをジーと見ていた。
「レイラ、気になるの?」
「あ、おはようございます。お兄様。私も剣が欲しいなと思っていまして……」
確かにレイラは切り札的戦力ではあるが、通常戦力も必要だよな。
「よしっ!お兄様が好きな武器を買ってあげよう!」
「本当!?お兄様、だーいすきっ!」
という話をレオスリーダーに持ち込むと、村の再興は信頼できるギルドメンバーがしてくれるとの事で、本格的に更に忙しくなる前にレイラの武器を良いものを買ってあげてと言われ、武器が有名な町としてこの大陸の東部、シュヴェルアート王国へと1週間の旅行に二人で行くこととなった。
シュヴェルアート王国に向かう交通馬車に乗り込み、まだ小さいレイラを引っ張って馬車に乗せる。
「レイラ、自分で出来たよ。黒い翼を生やせるから」
「あーそうなんだ……でも能力は隠した方が人の意を突けるから無闇に使わない方がいいよ。お兄様からのアドバイス」
「はーい、でもお兄様はゼウス・スローター・カーテナ、いつも身につけてるよね」
自分の言葉をブーメラン返しされてしまい、「レイラ様の仰る通りです……」と言っておいた。この剣が自分を主と認め、手放すことは許されないことを話す必要もないと判断したからでもある。レイラがこの真意に気がつく日は来るだろうか。
馬車に揺られながら、交通馬車にいた他の4名の冒険者達と一緒に、昼食を共にする。
「まさか人類最強の1人のディレオスさんとランチを共にできるとは思いませんでしたよ!コーヒーどうぞ」
俺は照れながら、「ありがとうございます」と言いながら受け取る。
「あ、名遅れました。自分はSSランクパーティ『神々の代行者』の1人です。よろしくお願いします!もしかしてそのお嬢さんへの剣をプレゼントするのですか?」
「そうですね、妹ですから」
レイラが一瞬嬉しそうに頬を赤らめ、左腕に抱きついてくれる。
「とても信頼されてますね。妹さんからとても強い魔力を感じます。強力な属性に特化した魔剣とかがいいかもしれないですね。差し出がましいようであれば申し訳ない」
「いえいえ、参考になります。レイラの意見も合わせて選ばせてもらいます」
「レイラは何属性の剣が欲しい?」
「星焔……星と焔に憧れてるから……」
レイラは照れくさそうに語ってくれる。でも少し嬉しそうだった。
「星焔か……シュヴェルアート王国には世界中のSランク以上の武器も集まるからきっと見つかると思うよ。ただ莫大な魔力を使うから魔力管理は大事だね」
「ありがとうおじさん」
「お、おじ……さんか……お兄さんって呼んで欲しかったなぁ……」
「お兄さんはお兄様だけだからね。ごめんね」
他の冒険者も笑ってくれて、夕方にはシュヴェルアートに到着した。
「色々お話して下さりありがとうございます。レイラもお礼言ってあげて」
「おじさまありがとうございました!お兄様に星焔属性の魔剣買ってもらいますね!」
「そうだね、おじさんもまたレイラちゃんとディレオスさんに会えたら色々お話したいよ。それじゃあ私は失礼」
他の冒険者とも分かれ、とりあえず宿屋を探す。
「レイラどこに泊まりたい?」
「うーん、あそこがいいな」
レイラの指先にはスイートルーム、パンケーキ食べ放題と書かれていた。
「スイートルーム泊まろうか」
「うん!ありがとう、お兄様!」
二人でスイートルームに泊まり、レイラの食欲に驚かされた。こんな少女がパンケーキ20枚も食べるとは誰も思わないだろう。
こんばんは!黒井冥斗です!18:00に投稿するつもりが、SCP解説のプロジェクトパラゴンに夢中で忘れかけておりました…大変申し訳ございません…
いよいよ第2章スタートですが、皆様の温かいPV数や他の作者様の高クオリティな作品に負けたくないという気持ちでここまで来れました!感謝します!そしていつもご拝読ありがとうございます!第2章スタートですのでもしよろしければこの気にブックマークや評価を貰えたらとても励みになります!それではいい夜を!




