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ロケットパンチが神殺しの剣より弱いのは不満なので覆します  作者: 黒井 冥斗
最弱スキルと最強の剣を持つ冒険者
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第27話:異適の元凶と最弱スキル

第27話:異適の元凶と最弱スキル

目が覚めると旧ディレオス村の自分の家だった。

夢……?

自分の部屋を出て、階段を降りると、母さんが料理を作り、父さんが新聞を読んでいた。

「おはようディレオス」

母さんが声をかける。

「今日って……」

声も少年時代の声だった。

「そうよ、冒険者育成機関の合格発表日よ」

すると父さんが一言。

「ロケットパンチだけはやめておけ。あんな最弱スキルが存在する理由も分からないくらいだからな」

そして朝食のハムエッグが出され、食べるが味気ない。

「アンタは早く畑耕してきなさい」

「へいへい」

ここまではあの時と……冒険者育成機関合格日と一緒だ……

「ねぇ、母さん。俺ロケットパンチを取ろうと思ってる」

「取っちゃダメに決まってるでしょ!?あんな最弱スキルのどこがいいの!?」

剣幕をまくし立てて、発狂のように叫ぶ。優しくて冷静で知的な母さんの面影など無かった。

ここがターニングポイントなのかな……少なくともあの時は肯定してくれた、コイツは紛い物。

「俺のロケットパンチは異適にも戦えるんだ!人類の希望になるはずだ!」

「何を言ってるの!異適こそ人類の極地であり、滅ぼしてならない存在!それが分からないなら……」

母さんは包丁を取り出し、向けてくる。

「今すぐロケットパンチを捨てると言いなさい!!」

「黙れ!偽物!俺のロケットパンチはこの程度の脅しには屈しない!固有スキル弾丸殴打『ロケットパンチ』!!」

右腕を後ろに引き、拳を回すと共に景色が砕け散る……

次に目を覚ますと俺を仲間に誘ってくれたCランクパーティのニューオーダーズの面々がいた。

「よかった……ディレオス君!私の究極回復魔法陣が機能してくれた……」

「ディレオス!大丈夫か!?痛いところとかは?」

「嫌な夢を見た程度ですよ……戦況は?」

「聖騎士の人達が連携を組みながらディレオスを斬った騎士達と戦ってる。霊刀だから意識を切ることしか出来ないから今のところ死者はいない……」

俺はゆっくりと起き上がり、祭壇を見ると、結界が張られていた。

「精神防御のように見える……」

「あぁ。最高司令長官殿もそう言っていた。恐らく切った人間分の精神を吸収して結界にしているのだろうと……あと……アリーナ総長も切られた……」

俺の目がカッ!と開く。姉さんを切った……だと?

俺は立ち上がり、前方をよく見るとアリーナ姉さんを守るに聖騎士達は円形を組んでいた。

許さない……許さない!!最後の家族をここで殺されてたまるものか!!ポケットからミーナさんから託された札を取り、魔力を込める。

もう誰も止めなかった。それでいい。俺はこの最弱スキルを最強スキルにする為に獲得したんだ。憧れと理想、全てが逆を行くこの不条理に、この拳で立ち向かう為に!!

右腕と右肩が義装へと変化する。ゴツゴツしい見た目とかなりの重量はもうただの人間には戻れない証だった。

左手には神殺しの剣、右手は人類の英知の結晶。

「レオスリーダー……上級支援魔法全てかけてください……ニューオーダーズの新人として大仕事をさせて下さい……」

リーダーは俺が向ける、静かなる祭壇に立つ人間の殺意に気がついていた。

「わかった……ただし2分しか持たないからな……」

「充分です……全ての結界を粉砕し、あの人間殺すのにそう時間はかからないと思います」

「じゃあ行くぞ……『レオスオブ・オールステータスファイナルアップ・インディレオス』!!」

俺の足元から雷を帯びた強力な魔法陣が出来て、とてつもない力が湧き上がる。

剣を横に向け、拳を構え、祭壇の人間に向かって宣戦布告する。

「いいか、貴様が相手にするのは紛うことなき、最強の剣を持つ、最弱スキルの、夢と理想を反転させた絶望に挑んだ冒険者だ!!」

すると祭壇の方から渋い女性の声が響く。

『人の身でありながら、よくぞこの境地までたどり着いた。異適を否定するならその力を全て我にぶつけよ。だが異適はお前を歓迎する。勇者よ、改めてこちらの力を手にしないか?』

俺はドンッ!と地面を砕き、雷鳴の如く結界に神殺しの剣を突き刺し、一瞬で4枚砕いた。

「俺は異適を否定する!このやり方は俺の信義に反する!この究極の剣でそれを証明し、この最弱の拳で現実を覆す!」

『勇者よ、お前の力では我は倒せない。だが慈悲は与える。異適の力の根源として飲み込まれる事を光栄に思うがいい』

最後の1枚の結界が砕けずにいた。

クソッ!神殺しの剣でも貫けないなら……この最弱スキルで破壊する!!

「ディレオスオブ・ステータスリジェネアップ・インディレオス!」

ハァァァァァ!!!と叫び、拳を結界にぶつける。これでもダメか!?

自分の真上に異適の根源が出来始め、俺を飲み込もうとしているのが見なくても分かる。

一旦後ろに飛び下がり、根源の塊が飛んでくるがロケットパンチの右腕にゼウス・スローター・カーテナを取り付け、全ての根源を切り伏せ、再び異適のエネルギーを溜めてる間に、ステータスリジェネアップとオールステータスファイナルアップの全てが最も効率よく発動するまで5秒を切った瞬間だった。

「ゼウス・スローター・カーテナよ!俺の生命を使ってでも奴の結界を打ち破れ!!」

今度は音速で神殺しの剣を最後の1枚の結界にぶつけて、剣が蒼く燃える。

「俺はもう誰も守れない人間にはならない!!この拳で最強と同時に平和を勝ち取る!!最強スキル弾丸殴打!ロケットパンチ!!」

ゼウス・スローター・カーテナをロケットパンチで発射し、結界をジリジリと削り始める。

「人の子、我が最終結界まで破るというのか!?その身でありながらか!?」

「当然だ!!冒険者として、ロケットパンチに憧れた愚者として、最強を目指すのだからだ!!」

バキンッ!と結界が割れた瞬間、祭壇に立つ人間からは恐怖を感じた。

祭壇にある鏡……これが諸悪の根源にして、異適を呼び寄せてる触媒……!!

すぐに剣を人間から鏡に向きを変えて、破壊する。だが……

「ここにも結界が!!」

既にオールステータスファイナルアップの効果は切れてる。もう打つ手がない……いや、レジェンドオリハルコンの蒼く輝く金色の雷鳴の特性なら、純粋な自然の伝説の鉱石として異能とも言える異適が発する結界を打ち砕けるのでは……もうやるしかない。

「侵徹甲弾!発射!!」

腕が変形し、再び蒼白く光、爆音と共に蒼く輝く金色の稲妻の一撃を放った。

バリンっ!!最後の結界が砕けると同時に異適の触媒だと感じた鏡が砕け散った。

祭壇に立っていた女性は倒れ、俺も疲れと共にぶっ倒れる。

意識が飛びそうな中でアリーナ姉さんの「ディレオス!」という声は聞こえた。

後日、目を覚ますとディレオス村の仮拠点で目を覚まし、あの時祭壇にいた女性もいた。

「なんで……?」

すると少女がこっちを眺める。左眼には眼帯がつけてあった。

「助けてくれてありがとうございます……お兄様……お兄様呼びでさせて下さいね」

俺はよく状況が分からなくなり、外を眺める。村の再興工事が始まっていた。今は寝よう。それが一番だ!

「お兄様寝ちゃった……」

夕方にまた目を覚ました時に彼女を村の最後の防衛手段と異適が使えるという戦略的抑止にするということを聞かされ、頭を抱えた。だが、驚異が去った今は憂いなく村を再興し、亡くなった旧ディレオス村の人々の賑やかさを取り戻せると思うと悪くないなとも思っていた。さて、村作りの計画の指揮を執らないとな……

こんばんは!ご拝読ありがとうございます!いよいよ第1章はここで幕を下ろします!第2章はディレオス村の再興がメインとなりまして、つまるところこの作品のタグの内政が非常によく出る章となっております!

試験的に読みやすさ向上なども図っておりますので感想とか貰えたら嬉しいです。特にブックマークと評価は最大のモチベーションなのでぜひ面白かったら頂きたいです!それではいい夜を!

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