第3話:若命の運命に抗う首席
第3話:若命の運命に抗う首席
入学式当日、聖騎士の職業に就いた警備の方が何人も立っており、その厳重さには驚かれさた。白銀の鎧をまとう姿は幼い自分でも頼もしさすらも感じる。
聖騎士は政府の中でも国家に忠実な者が選ばれ、国教を信仰し、罪を犯さない誓いを立てた、文武両道な者だけがなれるらしい。
そして入学式が始まる会場へと足を進め、レスティアと共に席に座る。
俺はレスティアと共に隣の席に座っていたが、反対側に序列一位の学生はずっと入学式も読書に夢中になっていた。
「あのぉ……入学式はちゃんと聞いた方が……」
「魔力重力圧縮による核融合反応を起こすためには固有スキル原子融合が必須であり、魔力消耗量はエネルギーの三乗に由来する」
彼は何を言っているのだろうか。俺には理解できなかった。とにかく変に関わるのはよそう……
そして新入生の誓いも彼は面倒くさそうに唱える。
「「宣誓、我々第125期北地方冒険者育成機関新入生として、清く、誠実に、堅実な学習生活を通して、人類の未来に貢献することを約束します!!」」
唱えていたのは僕とレスティアだけで、彼は……
「しまーす」
の一言だけだった。
校長先生。正式役名は機関長は軽く睨みつけるだけで、特に何もお咎めなしだ。
そして教室に案内されると上級教室と書かれており、俺の知的好奇心が刺激される。
担任が来るまで上位入学者20名は雑談を楽しむが、1人を除いて、楽しい話に興じていた。その1人は無論首席だ。
ずっと本を読んでいる。チラッとタイトルを見た時、彼が12歳の中の異能だと、正確には本質的に異なると知った。
「魔導原子力における魔力の原子方程式第3章」12歳が読む本では無いだろう。それくらいは俺でもわかる。
だが同時に彼の底知れぬ知的目標も知りたいのは事実だった。
確か名前は……
「アレクサンダー・レギオスよ」
「え?」
レスティアが彼の名前を教えてくれる。
「ずっと気にしてたでしょ?喋った方がいいんじゃない?」
「ありがとう」
彼女は素敵な笑みを浮かべる。
「ねぇ、レギオス。何故……」
ここまで来て問い方を考え直す。12歳でこの本を読む人間だ。何故など愚問だろう。
「失礼、レギオス君の冒険者としての目標は何?」
彼はページをめくる手が止まり、栞を挟んでから答えてくれる。
「その質問をしてくれたのは君で2人目だ。僕の目標は……運命すら焼き尽くす業火をその身に宿すことだ。核融合反応、それはこの大地を照らす陽の光と同じものらしい。僕の家系はサークレット(神聖)の力を持つ。故に若くして天に召される。だが、僕は……」
彼は机の上で拳を握る。見てるだけで痛そうなくらい、震えてる。
「己の運命に反逆する力が欲しい。その答えの一つが天の業火、核融合反応だ。ディレオス君だったか、君が次席ならサークレットの力はわかるだろ?」
「……うん。生まれながらにして好きな固有スキルを習得できる。ただし……」
「ただし、17歳になるまでは宿せない」
担任の先生が怖い笑顔して俺とレギオス君を見ている。
「勉強対談は良いけど、先生の話は聞こうね〜?」
「「はい……」」
先生は教本を教壇に置き、教壇の後ろで冒険者の正姿勢、両手を背中で組んで、背筋を正し、前を見る。その姿勢だけで先生は一流の冒険者なのは疑う余地はなかった。
「点呼をとる!首席から番号を詠唱始め!」
「え、え……」
首席ですら、担任の先生の赤い髪のポニーテールの女性が出す声でない事に驚いていた。
クラスが困惑する中で、担任……もはや教官は次の指示を飛ばす。
「上位入学者クラス全滅判定!要因奇襲!学生は机の隣で腕立て伏せの体勢を取れ!」
再び困惑が訪れると、さらに激が飛ぶ。
「2度も言わせるな!死ぬことすら2度も出来ないんだぞ!急げ!」
「「「は、はい!!」」」
「腕立て伏せ20回!カウント1、2、3……」
こうして入学式最初の日は驚きと不安の1日で終わり、寮の部屋は6畳程度でウォークインクローゼット付きで、荷物が運ばれていた。食事も昼食以外はこの個室で摂ることになっており、その間も教科書片手だ。そして翌日の筋肉痛と戦いながら寮の部屋から教室へと向かう。これを5年……耐えれるだろうか……
ご拝読ありがとうございます!お疲れ様でした!黒井がちょうどこのロケットパンチシリーズを書き始めたのが約1.5ヶ月前なので毎日3000文字執筆換算になるのですが、実際のところ書く時に一日に2万文字とか書いてます。書かない時は3日くらいゲーム漬けか小説を読んでますね。不思議なことに3日書かないと不安になって書き始めます(笑)




