第19話:冒険者育成機関でのトップ達の今
第19話:冒険者育成機関でのトップ達の今
会議も大詰めを迎え、ニューオーダーズのパーティ本部には建設会社の営業幹部や農業連合の幹部、Aランク鉱物資源探索パーティが集まり、5日間の会議の末に予算も決まり、やる事は全てやった。俺の持つ200億ルピーのうち130億ルピーで2万平方キロメートルを開拓することとなった。そして俺はこれとは別に20億ルピーで3階建てのL字型のコンクリートレンガの洋館を建てることを決めて、建設予定地を考える。
俺が村長である以上安全な所に建てたいが……
すると魔導通信機が鳴り響き応答する。
「アラム中将お疲れ様です。どうされましたか?」
「ご苦労さん、そっちも会議がまとまったみたいでよかったわ。今機獣達に木を切って貰ってもうてたら良い丘があったで。街を見下ろせるのもそうなんやけど、予定開拓地域の605億坪のほぼ小国規模の村に3000坪はあるで。ワイとしては砲火力特化機獣操作冒険者とあんたの家、財産保管庫を作ることを提案させてもらう。どないする?」
「俺はその感じでお願いします」と伝える。だが、彼は少しつまらなさそうだった。
「ディレオスはん、あんた基本的にはええ人や、意見を肯定し、ある程度の追加要件も言う。せやけど場の空気に流されやすい所は感心できへんなぁ」
言われてみれば俺が本気で主体で動いたのは冒険者育成機関への入学くらいだ。ギリギリエンチャントダイヤモンドドラゴンの件も主体的に動いたと信じたい。
「……大型鍛治施設を作って欲しい」
「どれくらいの規模で考えとる?」
「重装甲の騎兵の装備一式を30人分くらいまとめて作れるくらいで。あと精密品、主に銃とかの生産ラインを1週間で20丁は作れるようにして欲しい。可能ですか?」
「……ほぉー、ちょっと立派な意見言えるようになったやん。よっしゃ、区画整理も進めておくでな。ほな、またなー」
少し疲れたが、眠れない。不眠症になったのか……?最後に寝たのは……多分2日前だから寝れないことはないはずなんだが……
パーティ本部の中をフラフラと散歩という名の徘徊をしていると、ミレーユさんとレーチカさんに見つかってしまった。
「大丈夫!?ディレオス君!?」
「ディレオスさん、お身体フラフラですよ!?」
「……なんか寝てなくても寝れなくて……」
2人は顔を見合せて、共に頷く。
「ディレオスさん、私ミレーユが展望台で膝枕してあげます!」
「お姉ちゃんはリラックスできる薬草ハーブティーを作ってあげるわ!お姉ちゃんに任せなさい!」
俺はその時には頭がほぼ働いておらず、なんだか暖かい場所に来たら、横になって、しばらくしたら優しい香りのドリンクを飲ませてもらったのは覚えてる。そして気がついたらミレーユさんの胸が俺の顔の真上にあり、驚いた。
「み、み、み、!」
「ミレーユよ〜」
「ミレーユさん!すみません!」
俺はすぐに起き上がり、土下座する。
「アハハ〜そんな〜可愛かったわよ。でも寝言でアリーナって何度も言ってたけど誰かの名前?」
「アリーナ?……思い出せない……でも見た目はわかる。銀髪のストレートロングの翡翠の瞳を持つ優しいお姉さんみたいな感じだった。何をしてもらったかとかは何も思い出せない……」
「そうかぁ、ゆっくり思い出して行こうね」
俺はミレーユさんに礼を言った後に、自室に戻り、久しぶりにレギオスに通話をかけた。
「もしもし?レギオス?最近の固有スキルの調子はどうだい?」
「あぁ、僕の魔導融合はさらに威力を上げるため並列化出来ないかとか、リミッター解除とか出来ないか試行錯誤中。それで、君も街を立てるんだって?」
耳が早いな……さすが冒険者育成機関時代に朝課業前に冒険者新聞を読んでいただけはある。
「まぁね、滅びた村の再興という感じかな。俺の故郷を二度と滅ぼさせないように固く誓った村だ」
「良いね〜夢ではなく、それを現実にするのがディレオスだもんね。さて、ちょっと大事な話だ。レオーサー帝国が国際ギルド連合軍を脱退した。これはこの世界の安全保障を揺るがしかねない危機的事態と考えている」
ディレオス村はレオーサー帝国の軍港から直線距離で100km……艦隊が派遣されたら防衛に徹する他ない。だが、湾岸地域の開拓はそれこそレオーサー帝国の逆鱗を逆撫でするようなものだ。
「ありがとう……仮に艦隊を迎撃するとしたらどれくらいの戦力がいる?」
「まぁ……迎撃なんて自殺行為はするなが本音だが、海上なら世界最大級の戦艦ペルセウス級が帝国海軍が保有している事から、これが10隻は必要だな。地上での迎撃なら機獣操作スキル持ちと破壊系統の究極魔法持ちを多数用意して連携といった感じ。とにかく規模も戦力も桁違いだ。命は大事だぞ……あと僕は帝国魔導兵器研究開発機構に入った……戦力を知ってるのもこれが理由だ。じゃあね」
俺は言葉が出せなかった。冒険者育成機関からの親友がもしかしたら自分の敵になるかもしれない……同じ同期のレスティアには黙っておくか……
俺は静かに魔導通信機を置いて、一言つぶやく。
「レギオス……親友だからこそ信頼してるからな……」
そのまま寝床につき、寝返しを何度もして、時が過ぎるのを待った。
ご拝読ありがとうございます!さて物語の第一章も明日から本格的に別ベクトルで動き始めるので読者の皆様の評価が気になる黒井です。最近ようやく気がついたんですけど黒井ってランキング入り作品と比べるとかなり改行が少ないみたいですね。先駆者様から学び精進していきたいです!それでは皆様ゴールデンウィーク楽しんでください!




