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第13話:前線を退いたSSランクの幸運持ち

第13話:前線を退いたSSランクの幸運持ち

俺はその日の夜レスティアに魔導通信機で通話をしていた。

「レスティア元気?」

「ディレオス君!?ひ、久しぶり……どうしたの?」

「そっちのパーティで幸運が1番高いパーティメンバーってどれくらいのランク?」

「え?……実は私のお父様が幸運SSではあるけど……前線は退いちゃってるし……」

「なんとか力を借りれないか!?」

レスティアはうねり声をあげる。さすがに前線を退いた、俺を引き取ってくれた主人を戦場に向かわせるのは俺自身も葛藤していた。

その時向こうでドアが開く音がする。

「レスティア、誰と話している?」

「ディレオス君とだけど……」

「なっ!私にも話させてくれ!」

バシッという音と共に久しぶりに主人の声が聞こえる。

「ディレオス君、失礼した。元気かね?」

「は、はい!主人。おかげさまで……ですが自分の事件ご存知ですよね?」

「まぁな……それで娘に何か頼み事をしていたみたいだが……?」

「実は……」

俺は事情を話す。話したところで主人に迷惑はかけられない。断ることは承知だった。

「……いいだろう。私も久しぶりに戦いと思っていた。今ロアノスにいるのだな。すぐに向かう。レスティア、幼少期のお前を育ててくれた教師が助けを求めている。ロムス家の者として恩を返すぞ」

「はい!お父様!じゃあ明後日に会おうね!ディレオス君!」

そして通信が切られる。

嬉しかったが、申し訳ない気持ちも強かった。

さて、問題は約9000万ルピーを1億ルピー以上に化けさせるか……

「明日……エンチャントダイヤモンドドラゴンの書籍読みに行くか……」

レーチカさんに怒られる前に俺はその夜をベッドで過ごした。

早朝

日の出と共に起きる癖は冒険者育成機関から仕込まれたルーティンとなっている。

俺はレオスリーダーの元に図書館に行かせてくれと頼み、許可を貰った。

図書館までギルド本部から50分近い道のりだった。街というロアノスだが、階層宮が近くにある以上多くの冒険者や支援冒険者が集まっているのもあり、実質小国レベルの規模なのも事実。

図書館まで歩いてると投げナイフ売りの露天商の少女がいた。服もボロボロだ。

「誰か……投げナイフ買ってくれませんか……」

冒険者は二十数名いたが誰も見向きもしない。少女は泣くのを必死に堪えてる。

「ねぇ、お嬢さん、投げナイフ見せてもらっていい?」

「は、はい!」

「ありがとう」

見てみると、俺は思わず目の色が変わるレベルだった。

ただの投げナイフじゃない。俺が6年間打っては研いでを繰り返した、ジョンと共に倒したプラチナスライムの装甲を打ち破った投げナイフよりも遥かに磨きあげられ、鋭さも並の物ではない。

「この投げナイフどうしたの?」

「お兄ちゃんがずっと叩き上げてた……お父さんもお母さんもいないからそれで食べてくしかないって……でもお兄ちゃん病気になっちゃって……ぐすん……」

少女は泣き始める。ただ、触って見ただけじゃ、判断はつかない。自分の今の愛剣の死霊水晶の剣で試すしかない。

「とりあえず1本買うのは約束するね」

そう言って1本取り、死霊水晶の剣、死霊水晶は怨念の塊であり、それが結晶化した物。霊体を斬ることもできるが、それよりも強度はレアミスリルレベル。試すには充分だった。

投げナイフを死霊水晶の剣に刺すようにぶつける。

ガキィィィン!という音が街に響き、少女も驚き、冒険者達も視線を集める。

「これは……」

死霊水晶の剣に僅かなヒビが入っていた。凄い……凄いぞ!!俺ですら6年間かけてプラチナ属性のスライムの装甲を破壊できるのは4本しか作れず残り1本しかなかった。そしてそれを超える逸品が全部で12本……まさにお宝の山だ。

「お嬢さん全部売ってくれ。1本1万ルピーで買おう」

「え、あ、はい!喜んで!!これでお兄ちゃんを治せる薬を買えます!ありがとうございます!あと試供品ですが……」

紅い短剣も渡され、少女はルピーを貰うとその場を去る。

この短剣……紅雷石か……剥ぎ取り用に持っておくか。

そして寄り道をしてしまったが強力な支援アイテムも手に入れ、図書館でエンチャントダイヤモンドドラゴンの資料を眺める。

「魔法金剛の龍玉……剥ぎ取り成功率は0.003%……厳しいな……」

資料を閉じようとしたその時反対側のページに体の中心部の心臓に眠っていると書かれているのが目に入る。

すぐに開き直し確認するがエンチャントダイヤモンドドラゴンはその名の通り金剛石とも言われるダイヤモンドで出来た鱗とそれを魔法強化されており、並大抵の剣では歯が立たない。

「こんなの機獣操作以外じゃ貫けないな……」

本を閉じて、パーティ本部に戻る頃には夕方になっていた。

「ただいま〜……カレー?」

カレー独特の香ばしい香りにキッチンに吸い寄せられる。そこにはストレイドさんがカレーを作りながら、スープカレーとスライム餅を作っていた。

「よぉ!おかえり!ディレオス!今夜はスープカレーと肉団子入りスライム餅だぜ。スライム餅をカレーに付けると美味いぞ」

なんと……なんと美味そうなんだ!聞いてるだけでワクワクしながら、ミレーユさんの自室をノックする。

「はい〜どなたですか〜?」

「ディレオスです。エンチャントダイヤモンドドラゴンについて相談に来ました」

「どうぞ〜」

「お邪魔します」と言い、入ると横の棚4メートルにお酒がぎっしり並べてあった。反対側には魔導書や漫画、装備資料。そして部屋の真ん中にベッド。

「ディレオス君どうしたの?」

「攻撃魔法のアイアンダウンって使えますか?」

「あー出来なくはないけど皆の魔力をかなり消費するかも……魔力切れの冒険者はどうなるかわかるよね?」

もちろん知っている。魔力切れの人間は激しい倦怠感と筋肉痛や頭痛で戦闘は不可能。同時に逃げるのも難しくなる。このパーティは魔力と機動力が要になりつつ、攻防回復の連携が必須のパーティである以上誰か一人でも魔力切れになるとまずい。

「はい……何かエンチャントダイヤモンドの魔法を解除する方法ないですかね?」

「霊体に奪ってもらうという方法もあるらしいけど、死霊使いが居ないから難しいかもね……ディレオス君のその剣の死霊水晶を解放したら……」

俺もその手があったか!となるがそういう訳にはいかない。これは借り物だ。ただでさえ、無料で、固有スキルを犠牲にしてでも作ってくれてる神殺しの剣がある以上借り物のこの剣を壊すなんてできない。

「すみません……この剣実は借り物でして……」

「そうかぁ……ごめんね……先輩なのに力になれなくて……」

「いえ、そんな事はございません!死霊で魔力装甲を剥がす案勉強になりました!ありがとうございます!」

そんな時に料理ができたことを知らせるベルが鳴り、皆で夕食を摂る。

「では、皆食事と作ってくれたストレイドに感謝していただきます!」

「「「いただきます!!」」」

スープカレーに肉団子入りのスライム餅を付けて食べるとカレーの辛さとスパイシーさがモチモチのスライム餅と混ざり合い、スパイシーお餅みたいな初めての感覚!。しかもスープのため少しスライム餅が柔らかくなり、飲み込みやすくもあり、肉団子もジューシーで肉肉しく美味しかった。

エンチャントダイヤモンドドラゴンの装甲もこれくらい柔らかければ……そう思い、食後にレオスリーダーに報告する。

「そうか……0.003%で数億ルピーか……これ無しで最高いくらまで行けそうだ?」

「エンチャントダイヤモンドの鱗が大体500万ルピー、ダイヤモンドブレスの希少鉱石化が800万〜2000万ルピーと考えてます。上手く行けば剥ぎ取りで逆鱗や竜骨で1500万〜3000万ルピーほど……最初の俺の予測が甘かった事をお詫びします」

俺が頭を下げると、レオスは「頭を下げないでくれ!」と言ってくれた。

「ディレオスの考えた作戦は見事だった。本当に感謝してる。ところでSクラスの幸運持ちの件だが……」

「俺の方で知り合いに来てもらう事になりました。無料でやってくれるそうです。ただ俺の恩人なので最優先で守らせてください」

「わかった。作戦決行日は?」

「4日後を考えています」

リーダーは「よく頑張ってくれた。ありがとう」と言って、疲れ果てた俺に休息を促し、翌日は昼近くまで寝ていた。

こんばんは!黒井冥斗です!いつもご拝読感謝致します!今夜は少し予約投稿無しで投稿してみました。いつも通り20:00に期待していた方は申し訳ないです…

そして私事になりますがXで黒井冥斗のアカウントを開設しました。あまり精力的には動きませんが日頃の事を少し書いたり、宣伝したりするかと思います。

これからも黒井冥斗をよろしくお願いいたします!そしてブックマーク、評価、感想は大変励みになります!それでは、いい夜を!

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