表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱庭?のロンド ―マリサはもふ犬とのしあわせスローライフを守るべく頑張ります―  作者: 彩結満
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/57

55 箱庭の箱⑥ ~七日目

 

 目の前に、リスに天使の羽がついたような、二対の白いもふもふが唐突に現れた。ほわほわと舞いながらラッパや笛を吹き鳴らしている。


(へっ?)


 右肘を突き出してのけぞったマリサは、バランスを崩して後ろに倒れたが、次の瞬間、ふかふかのシルバーホワイトの毛並みに埋もれていた。


「ワフッ!(マリサ!)」


 シロリンが素早く背後に横たわり、マリサを受け止めてくれたのだ。


「まあシロリン、ありがとう」


 わしゃわしゃなでくると、べろべろその手を舐めてくる。

 かわいいやつめ……なんて、デレた顔でシロリンを愛でている場合じゃなかった。

 今、目の前で繰り広げられている、現実世界のものとは思えない奇怪な現象には、覚えがある。

 見上げた瞬間、青空に鮮やかな紙吹雪が舞い上がった。


「ワフワフワフッ!(なんかくるよ、やっつけてやる!)」


 ぱふん!


 巨大な正方形のプレゼントボックスが、目の前に出現した。


『おめでとう! 10000ポイント達成!』


 と、文字がきらびやかに点滅したのだ。

 ゲームで体験しているから、覚えがあると言っても、それでもしばし、パニック状態になるマリサだったが、突如現れたバカでかいプレゼントボックスの違和感といったら、なんともシュールで滑稽なものだった。

 そのせいか、次第に冷静になるマリサだった。

 プレゼントボックスの中身はログハウス風の家で間違いない。マイホームを手に入れたのだ。

 これも、女神か神かは知らないが、思し召しというやつだろうか、人知では推し量ることのできないものなのだと、マリサは理解を投げ捨てた。


 ここへやって来た時は荒れ地に一人きりだった。しかもペラい簡易テント生活だったのだ。あの、発狂しそうなほどの恐ろしさと心細さは二度と経験したくはない。直ぐにシロリンがやってきてくれて、どれ程心強かったことかと思い返している内に、じわっと涙がにじんだ。

 体感では長い道程のように思うが、たった七日でマイホームが手に入るとは、ありがたいことには違いないだろう。

 白もふリスもどきと、荒れ地に落ちたはずの無数の紙吹雪が跡形もなく消えていた。


(しかし、白もふリス……ゲームで見るよりかわいかったわ)


 一瞬で消えたそれらをちょっぴり残念に思いつつ、すっくと立ち上がって、マリサはくしゃくしゃの笑顔をシロリンに向ける。


「シロリン、私達、やったのね! 明日辺りかなって思ってたのに、もう一万ポイント達成だって、わーい、わーい!」

「ワフーッ!(わーい!)」


 マリサが跳ねていると、シロリンも真似してジャンプする。


「びっくりしたー、不意打ちなんだもん。しかし、なんの前触れもなく起こるんだねぇ……って、当たり前か」


 ぐぅぅー。


 シロリンのお腹の音が盛大に響いた。


「ワフゥー(おなかすいたよぅ)」


 とすり寄って来たその眉毛が情けなく垂れ下がっていた。


「ぶっ、ふふっ、じゃあ、ログハウスの我が家で、初ご飯にしよう? えーっと、ちょっとの間これ食べて、少しだけ待ってね」


 アイテムボックスから小さめのジャーキーを取り出し、シロリンに差し出すと、マリサは巨大なプレゼントボックスへ近づいて行った。


少しでも楽しんでいただけたら幸いです


※53話の後書きで、後二話ほどと書きましたが、後もう一話で一区切りの予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ