58話
緊張を解すに最適なのは笑わせることであると昔から相場が決まっている。
笑わせる?簡単だな。
俺の秘奥義こちょこちょ百裂拳が火を噴くぜ。
いざ行かん!
なんて思ってた時期が俺にもありました。
冒険をするにあたって、死なない為の防具は必須。
では防具をつけていない場所、あるいは付けられない場所はどうするのか。
答えは簡単、なるべく頑丈な冒険者向けの服を着る。だ。
頑丈な服ともなればそれなりに厚みを帯びるのは仕方のないこと。
薄くて頑丈な服は、特定の魔物素材でできた服に魔法が付与されたものとかになる為、値段が高い。
まあ、今の俺たちであれば買えないことも無いのだが、そういった品は基本的に店売りされず、オーダーメイドになる為出来上がるまでに相応の時間がかかるのだ。
もう10日もせずに帰ってしまうのにそれを注文するのは無理がある為、今俺たちが来ているのは店売りの最上級品である防具だ。
流石に値段が高いだけあって、他の白物より薄く、軽く、動きやすい。
まあ、とは言え他と比べて・・・ではあるが。
全体で見れば中の上か上の下と言ったところであり、それなりに厚みはある。
ゴブリンの攻撃やウルフの牙くらいなら貫通することは無いだろう服だ。
考えても見てほしい。
ウルフの牙を防ぐ服を着ている人を相手にこちょこちょをしても通用するだろうか?
答え、しない。
おれのこちょこちょは不発に終わった。
まあ、俺の唐突な寄行に驚いて緊張が解れてくれたようなので結果オーライか。
早速魔の森に行く。
俺たちが来てから一ヵ月、魔の森の魔物の気配も結構薄くなっていた。
俺たちがほぼ毎日ハイペースで狩り続けた結果だろう。
恐らく学園に帰り着くころには元に戻っているだろうが。
今回は殆ど雑魚敵が姿を見せない。
何故だと思った俺は索敵をしてみると、俺たちの進路近くにいた魔物が俺たちから遠ざかるように移動しているではないか。
強者のオーラとでもいえばいいのだろうか、F,Eランクの魔物は全部逃げた。
絶対に勝てない、死ぬだけだと感じ取ったのだろう。
いいなあ、便利そう。
Dランク魔物も逃げていたが、ちらほらと俺たちの行く手を遮る蛮勇の持ち主がいた。
勿論、瞬殺されたが。
Cランク魔物ともなると流石に逃げずに襲ってきた。
蛇やら蜘蛛やらが超巨大になった感じの魔物がCランクにはいるのだ。
最初のころは巨大化して細部まで分かるようになった蜘蛛やその他虫に発狂しかけたが今では慣れた物になってしまった。
慣れた、と言ってもこいつの存在を認めて魔物として狩ることが出来る程度にはという意味だ。
触るとか無理だし解体とかしたくない。
魔法を使って接近せずに倒せることが分かってるから大丈夫なだけで、もし一方的に殺れない程この蜘蛛が強ければ俺は魔の森修行を辞めていたかもしれない。
そんなCランク魔物たちが果敢に挑んできては瞬殺されるので見ているこっちとしては若干面白い。
哀れ、と思う気持ちもなくはないが感情の大半を占めているのは、ざまぁである。
そんなスカッとする光景を見た後、俺は魔物の死体を吸い込む心なき掃除機となる。
アイテムボックスに入れる為には近づく必要がある為心を殺しているのだ。
でないと発狂する。
結構な回数心を殺し、ざまぁで心を蘇生させて漸く真の魔の森の領域にたどり着いた。
今まで何度も境界に来ては引き返してきたので、この光景は初見ではないがやはり協会の向こう側は暗く感じる。
光度の問題ではなく、
心の問題だろう。
恐怖心などが必要以上に森を暗く見せているのだと思われる。
だが、恐れているだけでは何も始まらない。
幸い、俺たちには最高のバックアップが付いている。
その力を過信しすぎることは出来ないし自分の身を自分で守るしかないようなピンチに陥ることだって無いとは言えないが、心強い存在であることは確かだ。
ここで前に進めなければ一生進めない。
俺たちは覚悟を決めて境界を踏み越えた。
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ステータス
名前:ケイ
年齢:15
スキル
鑑定Lv5(494/500) アイテムボックスLv6(588/600)
投擲Lv4(369/400) 剣術Lv9(102/900)
槍術Lv4(362/400) 槌術Lv4(362/400)
斧術Lv4(362/400) 杖術Lv4(362/400)
盾術Lv4(362/400) 火魔法Lv9(711/900)
水魔法Lv7(599/700) 風魔法Lv8(249/800)
土魔法Lv7(527/700) 聖魔法Lv7(321/700)
ユニークスキル
練度増加Lv5(424/500)
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