52話
最近睡眠時間が短い。
打ち上げた火球から大きな爆発音が響き渡る。
ウルフは大きな音をさせた火球に驚いて一瞬の硬直とよそ見で俺たちから意識がそれた。
思わぬ効果だ。
だが、事前に打ち合わせをしていた俺たちは驚くこともなく打ち合わせ通りに魔法をブッパしてすぐに真ん中に集まってくれた。
勿論俺も魔法を放ち真ん中に集まる。
そして全力で土壁を4枚、四角になるように作り出した。
俺たち4人は今、上だけ開いている四角形の中にいる。
強度は二の次、とりあえず高くて中が広くなるように大きめに作った。
今頃、ウルフたちはいきなり目の前に現れたこの土壁の箱を見の前にして『なんだこれは!?』と、狼狽えているだろう。
見えないからわからないけど。
そうであれと願う俺の希望成分が含まれている憶測であることは認めよう。
とりあえず、普通のウルフであれば破ることのできない壁を4枚作ったが、残念ながらここは魔の森で、
本当に普通のウルフであるのか怪しい上に、物量で攻められると流石に壊れるので早速内側から補強を施していく。
うむ、こんなものでいいだろう。
補強により土壁は、大きくて、硬くて、太くて、黒々としたいまだかつてないものが出来たと自画自賛出来る出来栄えになった。
壁の上に立ち辺りを見渡す。
思った以上にさっきの一斉攻撃で数が減ってるな。
なんでだろうか。
・・・、あっ、ウルフの意識がこっちからそれてたから全弾命中したとかかな?
うん、それっぽいな。
壁の上からウルフに向けて魔法を打ちまくる。
うむ、制空権はまたちょっと違う意味になるけどやはり物理的に上を取ると有利だな。
意味的にはマウントポジションの方が近いか?
まあ、何でもいいわ。
ウルフの攻撃の届かない場所から魔法を乱れ打つ。
ウルフも果敢に飛び掛かっては来るけど届かないし撃ち落されて終了だ。
壁際にウルフの死体が溜まっていきどんどん高くなるがウルフ的にはあっても無くても大した意味は無いだろう。
壁際だと助走つけてジャンプできないしな。
いや、出来ないことは無いけど普通にやった方がまだ可能性はあると言った方が正しいのか。
思いのほか減ってたしこれはすぐに終わるな。
と思っていたら。
流石に無理だと諦めたのか、次第に壁を取り囲んでいたウルフたちが居なくなっていった。
諦めたふりをしている可能性を考えて、索敵でウルフたちがどこまで撤退するのかを探っていたがすべてのウルフが索敵外から出て行ったのでひとまず安全になったと言ってもいいだろう。
「ウルフが逃げたみたいだぞ、索敵にも引っかかってないからひとまずは切り抜けただろう」
中にいるみんなに話しかける。
「お~、やっと終わったのか。疲れたな」
「本当に疲れたよ。びっくりするぐらい多かったね」
「大規模な戦いの濃密な血の匂いが遠くのウルフの元まで届いたのでしょう。普通の森なら既に森中のウルフを狩りつくしても足りないくらいに狩った気がします」
「とりあえず、そろそろいい時間だしみんなの魔力量も半分以下になったから帰ろうか」
「その前にこの大量の戦利品を何とかしねえとな」
「倒した魔物はケイのアイテムボックスに・・・だったけど、入るのだろうか?」
「いや、流石にこれだけの量を入れたことは無いから分からんよ」
「とりあえず集めてしまいましょう。ぐずぐずしてるとまた血の臭いに別の魔物が寄ってこないとも限りません。特に今はウルフの数も減っていますし縄張りを犯すくらいならウルフより高位の魔物たちなら平気でやってくる可能性は高いです」
「そうだな、集めよう。入らない分は魔石だけ抜き取ってあとは焼却処分だ」
「じゃあ、各々自分の担当したスペースのウルフを一ヵ所に集めておこう。その方がケイも楽だろうしね」
自分の倒したウルフを次々と収納し、終わったらみんなの集めたウルフも収納していく。
「えぇ・・・ケイのアイテムボックスの容量どうなってるんだ?」
「どうしてあの量が入るんだ!?」
「ぶっ、物流に革命がっ!?・・・商人として有効活用すればとんでもない事になってしまいますね。
いえ、将来の夫になる人物としては頼もしい限りなのですが((ブツブツ」
アストはポカンとして、ニルは膝から崩れ落ちて、メリアはブツブツと呟いている。
「おーい、戻ってこーい」
『はっ!!』
はっ!!じゃないよ。
「俺のアイテムボックスに関して一言言っておこう」
『ご、ごくり』
「俺が知りたい」
「知らんのかい!」
ニルから鋭い突っ込みが飛んできた。
ほんと最近のニルはキャラブレが酷い気がするぞ。
いや、万能と言っておこう。
「まあ、実際俺もこれは流石に入んないだろうと思ったしな。驚いてる」
「俺たちってウルフ何体倒したんだ?アイテムボックスのスキル持ってるやつは中に入ってるものが分かるって聞いてるけど」
「ウルフか、3000近いぞ。あと一応ゴブリンの魔石300個くらい入ってる。微々たる量だけどな」
「あの大きさのウルフが丸々3000か・・・凄いな」
「本当にケイさんは常識はずれな事ばかりしますね」
「あれ?俺悪い?不可抗力じゃないか?」
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ステータス
名前:ケイ
年齢:15
スキル
鑑定Lv4(232/400) アイテムボックスLv5(220/500)
投擲Lv3(181/300) 剣術Lv7(448/700)
槍術Lv3(178/300) 槌術Lv3(178/300)
斧術Lv3(178/300) 杖術Lv3(178/300)
盾術Lv3(178/300) 火魔法Lv8(73/800)
水魔法Lv6(115/600) 風魔法Lv6(340/600)
土魔法Lv6(21/600) 聖魔法Lv5(419/500)
ユニークスキル
練度増加Lv4(187/400)
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