51話
ああ、そろそろ休みが終わってしまう。
「来たね、それじゃあ各人の健闘を祈るよ」
返答はせず、迫りくるウルフの大群に向けて魔法を放っていく。
今回は火属性は禁止ということで一度に使える魔法の最大数が8も減ってしまったが、
聖属性を抜いても17の攻撃魔法を一度に放つことが出来る俺は割と楽であった。
ここに至っては風属性に拘る必要もないしな。
犇めきすぎて避けられても後続に当たるから効果は大して変わらない。
多少工夫をしているとすれば先頭の避けてほしくないやつには当たる確率の高い風槍を狙って打つくらいだ。
先頭の・・・、言い換えると俺に一番近いウルフから優先的に排除している為今のところは順調である。
一度に22を超えるウルフが来ることが何度も連続して来ない限り俺が剣を使う様なことにはならないだろうし、あるとすれば3人のフォローをしなければいけなくなった時くらいかな。
「みんな、調子はどうだ?」
一応聞いてみる、答えが返ってくるとは限らないけど。
「魔力は今のところ足りてるけど魔法攻撃の手数が足んない。俺もあと1属性欲しかったわ」
ニルか、ニルは確か火と水だもんな。
火が禁止なら水しか攻撃手段が無いことになる。
そりゃ足んないだろうよ。
「手伝おうか?」
「いや、いい。もう少し自分でやらせてくれ」
「分かった。手数が足りないなら武器使えばいいんじゃないか?別に魔法に拘る必要なんて無いんだぞ」
「あ、それもそうだな。忘れてたわ。でも俺はケイほど両立させるの得意じゃないんだよな。魔法外して無駄うちになるのは避けたいんだけど」
「なるべく魔法で処理して、手数が足りなくて接近してきた数匹だけ武器で仕留めればいいんじゃないか。わざわざ同時に使わなくても交互に使えばいいだろう」
「なるほど、やってみるわ」
あ、勿論会話中もちゃんとウルフは倒している。流石にそこはちゃんとしておかないとだからな。
余談だが、この戦場の中でいつもの声量で声を届ける為に風の魔法を1つ使い、攻撃魔法を16に減らしていた。
手数減らすなんて阿呆の所業だけど武器も持ってるし、16もあれば十分対応できるからやった、反省も後悔もしてない。
「メリア、調子はどうだ?」
「順調ですよ、ただ、魔力の消費量が思った以上に早いです。このままだとウルフの群れが途切れるまでは持ちそうにありません」
まあ、そりゃそうだな。打てる魔法が多いと大群相手でも最初は嘘のように順調になるものだけど、多く撃つ分魔力の消費量も激しくなるのは当たり前。
メリアも魔力はかなり多い方だけど結局は人の域を出ない程度でしかない。
無くなるのも無理はない。
「ニルにも言ったがすべてのウルフを魔法で仕留める必要は無いんだぞ。特にメリアは盾を持っているんだから数匹に近寄られても攻撃を受けることなく仕留めるのは簡単だろう。
剣で仕留めた分だけ魔力の節約が出来るぞ」
「そうですね、態と数匹に魔法攻撃をせずに近寄らせるという発想が無かったです。魔力が無くなってからすべて剣で相手をするよりも長い時間戦えそうですね。参考にしてみます」
「アスト、調子はどう?」
「順調だよ、魔力も暫くは持ちそうだよ」
「流石だな」
「短剣使いの十八番だからね。武術と魔法を同時に行うのは手数が命の短剣使いには必須だしね。
こういった弱い相手が沢山いる戦場は短剣使いに向いてるね」
「まあそうだな、速度は生かせてないけど」
「その分精度が上がっているからいいじゃないか、速度を出している時はどうしても精度が下がってしまうんだよ。ケイみたいに高速戦闘中でも狙った場所に魔法をピンポイントに当てるとか意味わからないし」
「まあ、そこは練習あるのみと言っておこうか」
俺の場合は神特製ボディの性能が短期間での精密性習得の秘密な訳だけど、言えるわけないよね。
練習でどうにでもなる部分ではあるから誤魔化し易いけど。
暫く戦っていると3人ともかなり魔法攻撃の比率が下がって、近接攻撃が多くなっていることを確認した。
これはそろそろかな。
「ニル、魔力は?」
「そろそろ半分切る」
「わかった」
「メリア、魔力は?」
「もう半分切ってます。最初に使い過ぎました」
「了解」
「アスト、魔力は?」
「今ちょうど半分になったところだよ」
「そうか、俺以外は全員半分になったみたいだ」
「じゃあ撤退の準備に入ろうか」
「そのことなんだけどさ、ちょっと俺に任せてくれない?索敵した感じあと少しだし行けると思うんだよね」
「本当?じゃあ悪いけど任せていい?ここまで倒しておいて逃げるのはちょっと嫌だったんだよね。
確実に逃げれる場面で賭けをするのはあまりいい選択ではないことは分かってるんだけどね」
「みんな聞こえてる?」
「「「聞こえて(る)(ます)」」」
「作戦変更、撤退はしない。俺が残りを処理するよ。上に向けて爆発する火球を飛ばすから爆発音が聞こえたら今使える魔法の最大数をウルフに打った後に素早く真ん中まで後退してほしい」
「そのあとは?」
「俺に任せて」
「いいと思いますよ。もし失敗しても私たちの魔力が減らないのであれば撤退できますし、ここまで来たなら全部倒してしまいたいので私は賛成です」
「僕も賛成」
「じゃあ俺も」
「ありがとう、じゃあ撃つね」
爆発する火球のイメージを込めた魔法を空に向かって打ち上げた。
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ステータス
名前:ケイ
年齢:15
スキル
鑑定Lv4(232/400) アイテムボックスLv5(220/500)
投擲Lv3(181/300) 剣術Lv7(448/700)
槍術Lv3(178/300) 槌術Lv3(178/300)
斧術Lv3(178/300) 杖術Lv3(178/300)
盾術Lv3(178/300) 火魔法Lv8(73/800)
水魔法Lv6(104/600) 風魔法Lv6(335/600)
土魔法Lv5(498/500) 聖魔法Lv5(419/500)
ユニークスキル
練度増加Lv4(187/400)
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