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42話

模擬戦終了~。


「さて、最後は私と・・・」


「俺ですね」


相手は強敵だろうな。

先ほどの3兄弟の強さ+20年分の修練によるアドバンテージがあるからな。

年齢は40代の半ばであろうが全く衰えてないんじゃないかと思える肉体してるしな。

ここまで力の差があろう相手と戦うのは最初の街の冒険者ギルドの教官以来じゃなかろうか。

それ以降はなんだかんだで勝てる相手かギリ負けるくらいの相手としか戦ってないしな。



「さて、ではやるか」


ウイリアムさんの得意武器は槌。所謂ハンマーである。

槌の頭の部分は両口となっておりどちらでも殴ることが出来るもののようだ。

そして属性は土と水。このむさ苦しい男が火の属性を持っていないことには少々驚いた。


「そうですね」



例によって開始の合図は無く、攻撃をしたいと思った瞬間に走り出した。


こちらが走り出した数瞬後に向こうも走り出したようだがやはり魔力路は相手の方が広いのだろう、身体強化の強度が違うせいで相手の方か断然に早い。


互いの間合いに相手が入った瞬間に武器を振る。


「ふんぬ」


槌を右斜め上から振り下ろしてきたので


「よっ」


同じく右斜め上から剣を振る。


勿論、頭の部分とは打ち合わない。ただの鉄剣に受け止められるとは思えないし力負けするからな。

槌の柄の部分と打ち合った。


ここであれば頭の遠心力の力を少ない力で受け止めることが出来る。



「頭を避けて受けたか、やるな。だが、力不足だ」


柄の部分で押し合っているにもかかわらず平然とこちらを押し込んでくる。


「やっぱり、魔力路の差は如何ともしがたいな」


「それはそうだな。如何に魔力量が多くとも魔力路だけは長年の積み重ねがものを言う、そう簡単には超えられんよ。しかし、私は既に魔力路を私の全魔力を一度に通すことが出来るまでに広げてしまった。これ以上の成長はしないことを考えると私以上に魔力の多い若者にはついつい嫉妬をしてしまう」


「俺は今すぐに強くなれない自分に少しヤキモキしていますよ。そういう点では自分の全力を出せる大人が羨ましいと思いますね」


「はは、人は自分に無いものを欲しがると言うからな。だが、いずれ手に入るのだからましではないかな」


「手に入れる前に全力を出すことが出来ずに死んでしまっては悔いが残りますよ」


「死なぬよう努力をするべきだ、あとは運だな」


「運も実力の内とはよく聞く話です」


「冒険者であればなおさらそうだな」


「俺も、冒険者ですからね」


「そうか、奇遇だな。私もだ」


はっはは


なんて、会話内容は和やかではあるが絵面は先ほどからすごく暑苦しい。

なにせ男2人が互いに武器を持って押し合いをしているのだから。


・・・しかしこのままでは埒が明かない。


押し合いをしている場所から一歩踏み込み、柄に対して立てていた刃を相手の持ち手の方向に滑らせた。


「おっと、中々危ないことをしてくるな」


手に刃が当たる前に後ろに飛び、避けた。


「卑怯だ、なんて言いますか?」


「言う訳が無いだろう、ルールがある場ではルールを破らない限り勝ちにこだわった正当な手段であり、殺し合いの場ではどの様な手段であれ相手を殺す事を真摯に追求した結果なのだからな。

それなのに自分が思いつかなかった手段を卑怯だと罵る奴がいる。

ああいう奴らは理解できん。

常に手札が同じ戦いなどあるわけなかろうに」


「勝ちたいから負けにつながるかもしれないものを恐れて卑怯だというのでは?」


「それでも思いつかなかった自分が悪い。そのうえで自分の持つ手札を最大限生かして勝とうと考えることは出来ないのだろうか、そういう奴らは実戦では全く使い物にならんからな」



「さて、続けようか」


また、距離を詰めハンマーを振る。


同じように剣で防いでもいいがそれではあまりにも脳が無い。

それに膠着状態は好ましくないので魔力を大量に込めた、当たると爆風をまき散らすように改良した風球をハンマーの横っ面を狙い、放つ。


「ぬ」


見事ハンマーに直撃し、予期せぬ方向から力を加えられたハンマーは軌道が変わり空振りをした。


空振りをしたウィリアムには隙があり千載一遇のチャンスを逃す手はないと斬りかかる。


「ぬぬっ!」


ガキンッ!


確かに隙を晒していたはずなのに引き戻したハンマーの柄で見事に受け止められてしまった。


それもそのはず、身体強化で強化されたウィリアムは重いハンマーも軽々振り回すことが出来、武器に振り回されていない為に体勢を崩しても直ぐに戻すことが出来るのだ。


「面白いな、まさか魔法でハンマーの軌道を変えて外させるとは。高速で動く物体に魔法を直撃させる腕も確かなものだが、発想が素晴らしい」


「あまり応用が利くものでもないですけどね。特に槍や杖なんかには殆ど効果は出ない。使えて大剣やハンマーを相手にした時くらいなものですよ」


「それでも大したものだ」




以降も剣とハンマーによる攻撃の応酬が続き、俺は何度もハンマーをこの身に喰らいながらも頭だけには喰らわないように死守し、その都度聖魔法による回復を施しながら戦っていた。


「一撃で意識を刈り取ることが出来なければ何度でも復活しますよ」


「しぶといな、いい加減鬱陶しいというかなんというか。継戦能力は驚愕の一言に尽きるな」


「いい加減殴られまくるのも飽きてきましたしここらで最後にしましょうか」


「いいだろう、全力でかかってこい」



俺はまずウィリアムの足元に全力の土壁を展開し、それを全力の風刃で斬り、ウィリアムの方向に倒した。


勿論ウィリアムは槌で壁を殴りつけて破壊する。


その破壊された場所に全力の爆炎を放り込み、俺自身も全力の風鎧を纏い爆炎の中に突っ込み剣で斬りかかる。


ウィリアムは爆炎を水壁で防いでおり無傷、剣閃もすべて槌で落されついには剣を弾き飛ばされた。


無手の俺をぼっこぼこにするべく振りかぶった槌を振り下ろす瞬間、俺は最後の悪あがきで風刃乱舞を使ったが身体強化された肉体の前に意味のある効果を発揮することが出来ず、殴られ薄れゆく意識の中で見えたのは服と薄皮を切り裂くに終わった風刃乱舞の傷であった。
























____________________________

ステータス


名前:ケイ


年齢:15


スキル

鑑定Lv4(200/400) アイテムボックスLv5(180/500)

投擲Lv3(157/300) 剣術Lv7(388/700)

槍術Lv3(154/300) 槌術Lv3(154/300)

斧術Lv3(154/300) 杖術Lv3(154/300)

盾術Lv3(154/300) 火魔法Lv8(9/800)

水魔法Lv6(16/600) 風魔法Lv6(231/600)

土魔法Lv5(426/500) 聖魔法Lv5(379/500)


ユニークスキル

練度増加Lv4(153/400)

___________________________











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