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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Drei Orpheus
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コンモドゥス&セウェルス

ゲシュマイトは負傷したオークはそのままのたれ死ぬに任せた。

ゲシュマイトのもとに一体の大きなオークがいた。

オークエンペラーのカリグラ(Caligula)だった。

「ええい、たかがエルフどもに何たるざまだ! それにしてもエルフどもめ……厄介な戦術を使ってくれる!」

その日は夜が更けてきた。

ゲシュマイトは今だ疲弊していない新しい部隊に再度の攻撃を命じるつもりだった。

そんな時である。

夜、エルフの里に一人の男が侵入した。

「フフフ……ここがエルフの里か……ここに宝が眠っているらしい……私の目的がかなうといいんだが」

それはオルフェウス卿だった。

実のところ、ゲシュマイトと配下のオークたちはいわばおとりにすぎなかった。

オルフェウス卿の真の目的はエルフの長に侵入し、この里に眠る秘宝にあった。

それもただの秘宝ではない。

オルフェウス卿が求める秘宝は「ゾハル」だった。

「あなたは誰!?」

「ムッ、見つかったか?」

そこにエスカローネが現れた。

エスカローネはハルバードを向けてオルフェウス卿に詰め寄った。

「おまえは確かエスカローネだったな? この私のことを覚えているか?」

オルフェウス卿の声音は見つかったことを歯牙にもかけないものだった。

どうやらオルフェウス卿は悪いことをしているつもりはないらしい。

「あなたは……オルフェウス卿!?」

「その通り。この私はゾハルを求めている」

「ゾハル?」

「そう……偉大なる進化の秘宝だ。私はそれを求めてエルフの里に入った。フフフ、今ごろゲシュマイトとオークどもが霧の前でにらみ合いをしているだろう。奴らはこの私を侵入させるためのおとりにすぎん。それではお嬢さん、その物騒なものをしまってもらおうか。あなたの身を拘束させてもらおう。黒縛こくばく!」

オルフェウス卿の手から黒い縄が出た。

闇属性魔法「黒縛」。

相手を拘束する魔法だ。

攻撃魔法ではなく、補助魔法に該当する。

エスカローネは体を黒いロープで絞めつけられた。

そのまま地面に転がる。

「ううっ!?」

オルフェウス卿はそれを見て満足そうにうなずいた。

「フフフ、それではお嬢さん、さらばだ」

オルフェウス卿はエルフの宝物庫の中に入っていった。

オルフェウス卿はエルフの宝を物色する。

「どうやら、外れのようだな……」

「おい、おまえ! ここで何をしている!」

「ムッ、気づかれたか」

エルフの男が弓を構えた。

矢がつがえられており、いつでも撃てる。

オルフェウス卿は笑った。

そんなものではこの私を殺すことはできない、と言わんばかりだ。

「フハハハハ! そんなものでこの私を殺すことができるとでも? まあいい。もうここに用はない。さらばだ」

オルフェウス卿は闇の渦の中に消えた。


「宝物庫がおそわれた?」

とセリオン。

「ああ、そうだ。それこそが、オルフェウス卿の真の目的だったようだ」

アンシャルが話す。

「エスカローネは無事か?」

「ああ、今は休ませている」

「そうか……よかった」

セリオンは恋人の無事を心から安堵した。

「オークの軍は攻めてくるだろうか?」

「敵のボスがオルフェウス卿であることが分かった。今のところ、オークの群れと我々は霧を前ににらみ合いをしている。奴らは攻撃をあきらめていない。おそらく奴らもオルフェウス卿の真の目的を知らされていなかったのだろう。知らされていれば、もう引き上げてもいいはずだからな。オルフェウス卿が何をしたいのかはわからないが、このままオークを解放するともおもえない。まったく、オルフェウス卿は何を考えているんだろうな?」

「アンシャル殿!」

そこに一人のエルフがやって来た。

険しい表情から緊急事態が発生したと読み取れる。

「どうした?」

「オークが再び霧の中に攻めてきました! 今度は倍の数です!」

「行くか、アンシャル? 今はオークどもを退けるほうが先決だ」

「そうだな。アラゴンと合流してくれ」


今度のオークは頭を兜で守っていた。

オークの中でも精鋭部隊であった。

エルフたちは苦戦を強いられた。

エルフたちはオークの弱点を狙いにくいため、足止めしかできなかった。

これではいずれ霧を突破されるだろう。

このままではオークどもにエルフの里や非戦闘員たちが蹂躙されてしまう。

「このままでは、エルフたちが危ない! アンシャル!」

「ああ、私たちが前に出よう!」

「私も戦うぞ!」

「ああ、アラゴン。期待している」

「ヒャーッハッハッハッハ! さすがこの私! オークどもの頭を兜で守れば、エルフの矢は通じない! オークの生命力の前に、エルフどもを皆殺しにするのだ!」

「「「ンゴオオオオオオオオ!!」」」

ゲシュマイトが自画自賛した。

ゲシュマイトは自分の戦術を天才的だと思っていた。

このまま行けば、この霧の突破もたやすい。

こんどこそ、エルフの里を蹂躙してみせる。

これがゲシュマイトの腹積もりだった。

そのオークたちの前にセリオンとアラゴンが立ちはだかった。

「むう! あいつらはテンペルの騎士!」

ゲシュマイトは相変わらず「安全な」ところから指揮を執っていた。

ゲシュマイトの強気ぶりもそれによるところが大きい。

安全なところならいくらでも強気になれる。

「ククク! 今度は前回のようにはいかんぞ! コンモドゥス(Commodus)! セウェルス(Severus)!」

二体の大型オークが前に出てきた。

コンモドゥスは大剣を、セウェルスは鎖鎌を持っていた。

「さあ、おまえたち! あの二人を片づけろ!」

「ははっ!」

二体のオークジェネラルがセリオンとアラゴンの前に出た。

セリオンはコンモドゥスと、アラゴンはセウェルスと対峙した。

「ハハハ! 我らはオークジェネラル! オークの将よ! きさまらが倒してきたザコどもとは格が違うわ!」

とコンモドゥス。

「おまえたちはエルフの希望だ! おまえたちを倒して、エルフどもを絶望の淵に叩き落してやるわ!」

「やれるものならやってみろ」

コンモドゥスが大剣でセリオンに斬りかかった。

セリオンは大剣で受け止めた。

「ハハハ! その程度で我らを倒せると……何い!?」

コンモドゥスは目を見開いた。

力を入れてもセリオンの大剣はびくともしない。

コンモドゥスは自分の力に自信があった。

オークの中でもトップクラスの腕力を持っているはずなのだ、自分は。

それがこの若造に止められているなど、屈辱だった。

セリオンの腕力がコンモドゥスを上回る。

「くっ、くそっ! 死ね!」

コンモドゥスは再び大剣を振り下ろす。

セリオンは相手をしないで後方に跳んだ。

セリオンは氷結刃を出した。

凍てつく刃は空気すら凍らせる。

セリオンは今度は氷の大剣で攻撃する。

コンモドゥスは受けに回った。

セリオンが連続で氷の刃をひらめかす。

「こっ、こしゃくな!」

コンモドゥスは冷や汗を流した。

「これでとどめだ、氷星剣!」

セリオンは氷の大剣でコンモドゥスの腹を貫いた。

コンモドゥスの贅肉が深々と貫通される。

「グアアアアアア!?」

そして、セリオンはコンモドゥスの腹から大剣を引き抜くと、コンモドゥスの首をはね飛ばした。


一方、アラゴンは……。

アラゴンは黒炎を長剣にまとわせた。

「クックック、この鎖鎌でぶっ殺してやるぜ!」

セウェルスはきらびやかな装備をまとっていた。

明らかに実用というより、装飾過剰である。

奇妙な方向に進化した大型恐竜を連想させた。

セウェルスの装備は太陽光で輝いた。

セウェルスは鎖鎌の分銅を投げつけてきた。

アラゴンの長剣に鎖鎌が巻き付く。

「ガハハハ! オークと力勝負か? 力勝負ならこちらに分が……何い!?」

「力がなんだって?」

アラゴンはセウェルスとの力勝負を制した。

地味だがアラゴンもかなりのパワーを持っている。

逆に、セウェルスのほうがアラゴンに引っ張られるありさまだ。

アラゴンは長剣でセウェルスを斬りつけた。

その時、鎖分銅が取れる。

セウェルスは鎖鎌でガードする。

「くっ!? やるじゃねえか! だがこいつをくらいな!」

セウェルスは鎖鎌を投擲してきた。

刃で突き刺すつもりだ。

だが、アラゴンはそれを見切りはじき返した。

アラゴンは黒炎剣でセウェルスを斬った。

「ギャアアアアアア!?」

アラゴンはセウェルスの心臓に長剣を突き刺した。

「ぐおおおおおお!?」

セウェルスが絶命した。

その様子を望遠鏡で眺めていたゲシュマイトは慌てた。

「くっ!? オークジェネラル二人でも倒せなかったか!? ええい、撤退する! 撤退だ!」

ゲシュマイトは信号弾を撃たせた。

オークたちへの撤収の合図だ。

オークたちが霧から出てきた。

それはもはや敗走だった。

ゲシュマイトの「軍事的才能」によってオークたちは潰走した。

「……ここまでだな。アラゴン、追撃は控えよう」

「そうだな。潰走したとはいえ、敵に包囲される可能性があるからな。私たちもいったんエルフの里に戻ろう」

セリオンとアラゴンは撤収した。


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