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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Drei Orpheus
83/196

ラハブ

中央公園にて。

そこに一つの巨大な卵が出現していた。

これは「ラハブの卵」だった。

ただちに周辺一帯は封鎖された。

立ち入りは制限された。

封鎖したのは軍だった。

ラハブの卵の前には巨大なクモ型の怪物がいた。

その様はまるで卵を守っているかのようだ。

その怪物の名は「マモン=シュピネ(Mammon-Spinne)」である。

テンペルの聖騎士セリオンが呼ばれて、事態の鎮圧に向かった。

セリオンはマモン=シュピネを遠くから見た。

「どうやら、向こうから襲ってくることはなさそうだな」

セリオンは大剣を抜いて、マモン=シュピネに近づいていく。

セリオンはマモン=シュピネと対峙した。

マモン=シュピネは目でセリオンを見た。

マモン=シュピネが攻撃態勢を取る。

どうやらマモン=シュピネはセリオンを敵と認識したらしい。

「こいつは……。ラハブ・ウイルスで変異したモンスターか」

マモン=シュピネが右手のハサミで喰らいついてくる。

セリオンは足で後退して回避する。

マモン=シュピネのハサミが空を切った。

マモン=シュピネのハサミは口のようになっていて、上下に牙がついていた。

マモン=シュピネは反対のハサミで喰らいついてきた。

セリオンはそれを蒼気の刃で迎撃する。

マモン=シュピネはハサミを引き上げた。

「この程度の攻撃などくらいはしない」

セリオンは大きくジャンプした。

セリオンは強化魔術で脚力を高めると、マモン=シュピネの頭部を越えた。

セリオンはマモン=シュピネに大剣を振り下ろす。

大剣がマモン=シュピネを打撃する。

マモン=シュピネはひしゃげた。

マモン=シュピネはその牙でかみつこうとしてくる。

地面に着地したセリオンはタイミングを見計らい、後退して、ずらした。

セリオンは蒼気を放出した。

セリオンの体から凍てつく闘気がほとばし出る。

凍てつく闘気はマモン=シュピネを圧倒した。

マモン=シュピネは無意識に後退していた。

それはおびえだった。

マモン=シュピネは両手に炎をともした。

「火炎喰らいつき」である。

炎を宿したハサミでマモン=シュピネはセリオンを打撃する。

セリオンは蒼気で対抗する。

マモン=シュピネのハサミはセリオンの蒼気によって抑え込まれた。

セリオンは蒼気による一撃を放った。

「ギゲアアアアアア!?」

マモン=シュピネが叫び声を上げる。

それはマモン=シュピネの左腕がセリオンの蒼気によって切断されたゆえに。

マモン=シュピネの腕から緑の血がしたたる。

マモン=シュピネは苦悶にあえいでいた。

セリオンはその隙を逃さない。

セリオンはもう一方の右側のハサミも切断する。

再びマモン=シュピネが叫び声を発する。

そのままセリオンは攻勢を強める。

セリオンは蒼気を一本の剣に収束した。

蒼い闘気が練り上げられていく。

それは鋭い、鋭い刃だ。

セリオンは大きくジャンプした。

狙いはマモン=シュピネの頭だ。

セリオンはマモン=シュピネの頭を蒼気の刃で斬りつけた。

たちまち、マモン=シュピネの頭が両断される。

マモン=シュピネは地面にひれ伏した。

マモン=シュピネは肌色の粒子と化して消えていった。


「倒した、な」

マモン=シュピネはセリオンによって倒された。

その時ラハブの卵から妖しい光が発せられた。

「な!? これは!?」

セリオンはラハブの卵から引力のようなものに引き寄せられた。

まるで卵の中にいざなわれるような感覚――。

セリオンは亜空間へといざなわれた。

「う、うん……」

セリオンは目を覚ました。

そこは緑の草が生い茂っていた。

そこは木であふれていた。

そこは樹海だった。

「ここは樹海か? 森の中にいるのか?」

セリオンは立ち上がった。

神剣サンダルフォンを手に取る。

「あれは……神殿か?」

セリオンは丘の上に神殿の遺跡らしきものを見つけた。

「あそこから、邪悪な気配を感じる……」

セリオンは神殿にテスカトリポカ神殿に向かうことにした。

脚は軽かった。

身体強化魔術を使ってすみやかに神殿に到着する。

ラハブ・ウイルスの本体は「ラハブ(Rahab)と言われる悪魔だ。

それを倒さない限り、この事件の解決はない。

神殿はボロボロで改修もされていなかった。

神殿に屋根はなかった。

そこに大きな一つの卵が置いてあった。

セリオンはそれをすみやかに破壊しようとした。

「あれを破壊する!」

セリオンが大剣に蒼気をいきわたらせる。

セリオンの大剣が蒼く輝いた。

「蒼波刃!」

セリオンは蒼気の斬撃を放った。

しかし、蒼波刃は卵を守っていたシールドによってかき消された。

その時卵が割れた。

卵には無数のヒビが入っていた。

卵は亀裂から二つに分かれて中から、闇の化身が現れた。

これこそがラハブであった。

龍の下半身に、獣の上半身、その背中に二枚の翼、そして女性的な上半身を持っていた。

これこそが混沌の悪魔ラハブである。

「キメラ型の悪魔か。グロテスクだ」

セリオンが大剣を構えた。

ラハブは雄たけびを発する。

セリオンのもとに無言のプレッシャーがやってくる。

だが、セリオンは恐れなかった。

セリオンに恐怖心がないわけではない。

セリオンはあまたの悪魔と戦ってきた。

初めのころは、セリオンも悪魔を恐れた。

だが今は違う。

数多くの戦いが、セリオンに強靭な精神力をもたらした。

今では悪魔などセリオンは恐れていない。

ラハブが口に緑色のもやを集める。

これは毒の息だ。

その瞬間、ラハブから緑の息が放射される。

セリオンは大剣を光らせた。

そして一陣の刃を放った。

光の刃が毒の息を拡散させる。

そのまま光の刃はラハブの口に当たった。

少しだけ、傷がついたようだ。

しかし、ラハブの傷はすぐに再生した。

「再生、か」

セリオンは大剣に光を集めた。

セリオンの大剣が光輝く。

「光、在れ! 閃光剣!」

光が周囲に広がり、周囲を照らしていく。

それはまるで光の爆発のようだった。

セリオンの光がラハブを呑み込んだ。

その光の中から、ラハブの触手が伸び出てきた。

セリオンはとっさに光輝刃でそれらの触手を斬り裂く。

「触手で反撃されたか……」

ラハブが姿を現す。

ラハブは前進していた。

このままセリオンを踏みつぶすつもりだ。

セリオンはラハブをぎりぎりまで引き付けた。

そして、セリオンは横に跳んでラハブの突進をかわした。

ラハブが尾をセリオンに打ち付けてくる。

ラハブの尾は正確にセリオンを狙っていた。

おそらく、目以外に何らかの手段でセリオンの存在を知覚しているのだと思われる。

そうでもなければ、これほど正確にセリオンに尾を振るえるわけがない。

セリオンは跳んでそれらをかわす。

セリオンは大剣に雷の力を収束させた。

大剣から雷が放出される。

「くらえ、雷鳴剣!」

青い雷電がラハブを打ちつける。

ラハブの全身は雷によって感電しているはずだった。

ラハブの龍の口が炎をたくわえた。

ラハブは竜の口から炎を出した。

セリオンはとっさに跳びのく。

「くっ! 雷鳴剣もあまり効果がない、か」

ラハブは全身に混沌の力を高めた。

「!? 何かが来る!」

ラハブは混沌の歪みを生じさせた。

カーオス・トーア(Chaostor)だ。

奇声が鳴り響いて、闇の力が空間を歪曲させる。

セリオンは閃光剣を出した。

セリオンはかろうじて闇を抑え込んだ。

カーオス・トーアが収まった。

セリオンは大きく跳び上がった。

セリオンの狙いはラハブの女性の上半身だった。

セリオンはここが弱点だと、見なしたのだ。

セリオンは大剣を光輝かせる。

光が大剣を包み込んだ。

光の膜が大剣の刃にでき上る。

セリオンは大剣で女性の上半身を貫いた。

「ジョアアアアアアアアアアア!?」

ラハブが大絶叫を上げる。

これはセリオンの推測が正しかったということ。

そしてセリオンの狙いが当たっていたことを示す。

ラハブの体から光が漏れる。

光は周辺に照射されていた。

その瞬間、ラハブは爆発、四散した。

セリオンは衝撃に吹き飛ばされた。

セリオンはくるりと一回転すると、地面にうまく着地した。

ラハブのかけらは赤紫の粒子と化して消えた。


セリオンはテンペルに帰還した。

「セリオン、おかえりなさい」

「ああ、エスカローネ、ただいま。邪痕にかかった人はどうしている?」

エスカローネはほっとしたような表情を見せて。

「ええ、みんな治ったみたい。あのダリアさんも今はリラックスして寝ているわ。ダキちゃんも回復したようよ」

「そうか。俺がラハブを倒したからだな。これでこの事件も解決だ」

かくして邪痕事件は解決したのだった。

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