トイフェル・リング
セリオン、アラゴン、アンシャル、スルトの四人は正門に集まった。
「スルト団長!」
「うむ。どうだった?」
「は! テンペルに侵入したゴーレムはすべて倒されました」
「そうか。よく報告してくれた」
「あーあ。まさかゴーレムがやられるとはね。つまんないの」
「わざわざ、俺たちが出ることになったね」
「けっ、めんどくせえ!」
そこに三人の男たちが現れた。
「おまえたちは何者だ?」
スルトが尋ねた。
「俺たちはトイフェル・リング(Teufelring)。狂化人間のグループだよ」
「狂化人間だと? それではおまえたちは……」
とアンシャル。
「そーですよ。サタン様の部下です」
「なるほどな。このテンペルの襲撃はサタンの命令だったか」
「その通り。全てはサタン様の御心のままに」
「それで、おまえたちは何をするつもりだ?」
とセリオン。
「そうですね。ゴーレムが倒されてしまってはぼくたちが戦うしかないですね」
「いいだろう。セリオン、アンシャル、アラゴン、こいつらの相手を頼む」
「わかった」
「いいだろう」
「わかりました」
「その前に自己紹介しておきましょう。ぼくはシャーニ」
「俺はオーデル」
「俺はマクスだ」
セリオン対シャーニ。
アンシャル対オーデル。
アラゴン対マクス。
六人が迎えあった。
しかし、この作戦ではサタンの思惑が隠れていた。
サタンの部下ヴィルヘルミーネは礼拝堂を訪れた。
そこにヴェロニカがいた。
「探しましたよ、ファウ?」
「あなたは……ヴィルヘルミーネ……」
「ハイデッガー様の望みです。おとなしく私の後についてきなさい」
「結局、帰るしかないの?」
「フフフフ……表ではゴーレムやトイフェル・リングが動いています。この襲撃の真の目的はファウ、つまりヴェロニカ、あなたを回収することですからね」
「わかった、行くよ」
「フフフ……では行きましょう。あなたの機体があなたを待っていますよ?」
セリオンとシャーニが向かい合った。
「フフフ……君がぼくの相手をしてくれるのかな、セリオン君?」
「おまえも狂化人間か。どうやらサタンに魂を売ったらしいな」
「フフフ……サタン様に逆らうなんて、セリオン君ほど愚かじゃないと……ぼくの武器はこれさ!」
シャーニが円月のわっかを取り出した。
「それは……チャクラム?」
「ご名答。さあ、行くよ! ぼくの前で躍ってくれよ!」
シャーニがセリオンにチャクラムを投擲してきた。
セリオンは大剣でチャクラムをはじき飛ばす。
「へえ……正確に狙って投げたのによく大剣ではじけるね」
「それ一発だけなら、はじくのは簡単だ」
「アッハッハッハ! なるほどね。じゃあ、これはどうかな?」
シャーニは五発のチャクラムを作った。
「フハハハハハ! どうだい! こんなこともできるんだよ! これも『黒き祝福』の力だ!」
「黒き祝福?」
セリオンは知らない単語を聞いた。
「フッ、『黒き祝福』とはね、サタン様から闇の力を得るということさ。さあ、チャクラムよ! セリオン・シベルスクを斬り刻め!」
五発のチャクラムがセリオンに向けて飛来した。
セリオンは蒼気を出した。
セリオンは蒼気の刃でチャクラム五発をはじき飛ばす。
「フッフッフ! これでも君に通用しないとはね。君もずいぶんとやるものだね。『青き狼』の異名はだてじゃないってことかな? でも、ねえ!」
シャーニが顔を歪めた。
シャーニは大小さまざまなチャクラムをセリオンの上に作り上げた。
「さあ、斬り刻め!」
チャクラム群がいっせいにセリオンに迫る。
セリオンは蒼気を放出し、上方へと上げた。
セリオンの蒼気によってチャクラムは消された。
「そ、そんなバカな!?」
シャーニが動揺する。
セリオンは一気にシャーニに近づいた。
シャーニが気づいた時、シャーニの胸は大剣で貫かれていた。
「がはっ!? そんな……!? この、ぼくが……!? サ、サタン様ー!」
シャーニは倒れた。
「クッククク、この俺の相手はあんたかよ、おっさん!」
オーデルがアラゴンを挑発する。
「おっさん? 私はまだ、30だ!」
アラゴンがむきに反論した。
「30はもうおっさんだろ! さて、勝負と行こうじゃないか!」
アラゴンは長剣を抜いた。
「おまえは武器も持たないのか?」
「ククク! 俺様の武器はなあ、これよ!」
オーデルが指で銃の構えを取った。
オーデルは指から弾丸を発射した。
「うおおお!?」
アラゴンは長剣で防いだ。
「今のは!?」
「ククク、俺様の技は念力を弾丸として飛ばす力よ! さあ、ハチの巣にしてやるぜ!」
オーデルはサイコガンを連発してきた。
オーデルの指からサイコキネシスの弾丸が次々と発射される。
「そうはいくか!」
アラゴンは黒炎剣を出した。
サイコガンの弾丸を見切って黒炎剣で弾く。
「ちい! 俺様の技を防ぐか! なら、数より威力で攻めてやるぜえ!」
オーデルの顔が歪んだ。
オーデルは大きなサイコガンを放った。
オーデルの弾丸は人の体より大きかった。
「これで、おっちにな!」
オーデルが大サイコブレットを発射した。
アラゴンはそれを見ても冷静だった。
オーデルは勝ったと思った。
しかし、オーデルの弾丸はアラゴンによって斬られた。
「な!?」
アラゴンの剣には光の炎が宿っていた。
アラゴンの技「光炎剣」である。
「今度はこちらから行かせてもらうぞ!」
アラゴンが駆けた。
アラゴンを狙ってオーデルがサイコガンを撃つ。
しかし、アラゴンの俊足の前に一発も当たらない。
「くらえ!」
アラゴンはオーデルに近づくと、オーデルを斬った。
「がはあっ!? なんだと!? この俺が!? サ、サタン様……」
オーデルは倒れた。
そしてアンシャル対マクス。
「フッフッフ、俺の相手はこんな『おじさん』か。これは楽勝だな」
「私は確かに40だが、なめていると痛い目を見るぞ?」
「へっ! おじさんがよく言うぜ!」
「しゃべってないでかかってきたらどうだ?」
「フフフフ、この俺の武器はこれよ!」
マクスはモーニングスター――鉄球に鎖の付いた武器を出した。
「こいつで骨をめちゃくちゃにしてやるぜ!」
「確かにそれは痛そうだ。もっとも、当たればの話だが?」
「なめてんじゃねえ! 死にな!」
マクスが鉄球をアンシャルに投げつけてきた。
アンシャルは冷静に鉄球の軌道を見切って回避する。
ドカンと鉄球が地面に落ちた。
「どうした? 私を殺すんじゃなかったのか?」
「ちっ! まぐれでかわしたくらいで、いきがるなよ!」
マクスはモーニングスターを回転させると、正確な狙いでアンシャルを攻撃した。
アンシャルは風の刃をいくつも放った。
そして鉄球をズタズタに切断した。
「なっ!?」
「風王降臨!」
風が集まり、マクスの上から叩きつけるように放流される。
「ぐおああああああああ!?」
マクスはアンシャルの魔法の直撃を受けて、倒れた。




