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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Zwei Proserpina
57/196

セリオンの悩み

その日セリオンはスルトと戦いの訓練をしていた。

スルトは筋骨たくましい体を持ち、甲冑をつけていた。

スルトは50代のはずだが、体に贅肉は見当たらない。

セリオンはスルトとの戦いでは勝ったことは一度もない。

スルトは聖堂騎士団長であり、最強の騎士だった。

セリオンはスルトに斬りつけた。

スルトは豪剣フィボルグ(Fibolg)=氷の巨人でガードする。

スルトの斬りがセリオンを襲う。

スルトは横に豪剣を薙ぎ払った。

スルトは少し強く豪剣を振るう。

セリオンは大剣でガードした。

セリオンとスルトが互いに剣による応酬を始めた。

スルトは余裕たっぷりだが、セリオンにはそんな余裕はない。

「どうした? この程度ではあるまい? おまえの実力を見せてみろ」

「わかっているさ!」

セリオンは蒼気を放出した。

セリオンが蒼気を大剣までいきわたらせる。

セリオンは蒼気の刃でスルトを攻撃した。

セリオンは必死だった。

セリオンの猛攻をスルトは軽く受け流す。

スルトは涼しい顔だ。

スルトは豪剣に雷霆をまとわせる。

スルトの「雷霆剣らいていけん」である。

スルトは力を入れて雷の剣を振るった。

それを受けてセリオンは吹き飛ばされた。

セリオンが地面にダウンする。

「いってててて……」

スルトが豪剣をセリオンに突き付ける。

「私の勝ちだな」

「ちぇっ! また負けか……」

「この私に勝てないようではおまえもまだ未熟というわけだ」

「アンシャルだって勝てないだろ? スルトより強いやつなんているのか?」

「フッフフフ……さあな。では今日の訓練はこれくらいにしておこう。そろそろ夕食の時間だ」


この二人のやり取りをモニタリングしている男がいた。

男は鳥の頭に、クジャクのような羽を背中から生やしていた。

「フーム……あれがセリオン・シベルスクとスルト団長か……あのセリオン・シベルスクでさえ手も足も出ない男がいるとはねえ……スルト……あの人本当に50代なの? この男も要注意対象と言えそうだな……それにしても聖堂騎士団には良質な人材が多い。スルト、アンシャル、セリオン、アラゴン、アリオン……我々サタン派には脅威となるだろう。今は監視を続けるほかないか……」


セリオンとエスカローネ、そしてディオドラはローゼンフェルト公園(Rosenfeldpark)を訪れた。

公園の一角には芝生がはえているところがあった。

ブルーシートを広げて三人はそれぞれ座った。

この公園は市民の憩いの場で、今日のような休日には多くの市民がやって来た。

ここはもともとツヴェーデン帝国時代に皇帝の個人的土地だったところを、市民に開放されたところである。

ディオドラはいつもの修道服。

エスカローネは黒のノースリーブのシャツに白いタイトスカート。

セリオンはいつもと同じ戦闘服だった。

「今日は天気がいいわね。とてもポカポカして暖かいわ」

ディオドラがにこやかな笑顔を浮かべた。

「ディオドラさん、見てください。あそこにバラが茂っていますよ」

「あら、そうね、エスカローネちゃん。とてもきれいだわ」

ディオドラは頭に白い帽子をかぶっていた。

「最近セリオンは戦ってばかりだったでしょう? だから、私とエスカローネちゃんの二人でセリオンをゆっくりとしたところに連れてきたかったのよ」

「母さん、エスカローネ、心配をかけてごめんな」

セリオンは母思いだ。

セリオンはディオドラに感謝していた。

それは小さいころから愛してくれたからだ。

セリオンはディオドラの、母の愛を一身に受けて育った。

それゆえにセリオンは他者を愛することができるようになった。

amo ergo sum.(我愛する、ゆえに我在り)

セリオンにとって愛すること、愛は本質となった。

「ねえ、セリオン。考えていることの答えは見つかったの?」

「ああ、それか」

セリオンは遠くを見た。

「まだ俺は自分の人生の意味を見つけ出していない。いろいろと考えているんだが、なかなかうまくいかない。まあ、簡単にわかったなら苦労はしないんだろうけどな」

「セリオン、たまには違うことでも考えてみたら?」

「母さん……というと?」

「苦悩することもあなたに必要なことだと思うの。あなたにとってこの課題は、あなたの人生は普通の価値を犠牲にすることによって成り立つと思うのよ。あなたは名誉を得れば得るほど孤独になるわ。でも、忘れないでね。私たちも共にあるということを」

「セリオン、私もディオドラさんと同じよ。私の人生にとって、セリオンがいないことは考えられない。私の出自がどうあれ、あなたを愛するために私は生きていると思うから……」

「ありがとう、二人とも。心配してくれたんだろう? 俺も苦しみはある。この問題で人は苦しむのだと思う。なぜなら、人生の意味が分からないことは空虚や虚無感に陥るだろうから。フランクルという医者は人は人生の意味を求める存在だと考えていたようだ。彼の本からも俺は多くのヒントを得た。まあ、急がないことにするさ。答えはいずれ出るだろうから。それよりも今は持ってきたサンドイッチでも食べよう」

「ディオドラさんが作ってきてくれたんですよね?」

「そうよ。セリオンはツナが好きだったわよねえ」

「その通りだ」

「さあ、昼食を食べましょうか」

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