闘牛団
ギャングの一団が隊商を襲った。
このギャングは「闘牛団」といい、リザードマンの群れで構成されていた。
闘牛団は隊商の護衛を皆殺しにした。
「ひっ、ひいいいい!? 命だけは、命だけは助けてくれ!」
一人の商人が必死に命乞いした。
「ククク、死にたくねーのかあ?」
「クヒャハハ、ボス、どうしやす?」
「フン! 殺せ!」
「はいさあ!」
ボスと呼ばれた男、大柄な牛の亜人は冷酷な命令を下した。
「頼む! カネなら出す! カネで何とかしてくれ!」
「持っているカネを全部出せよ!」
「出す! 出すから命だけは助けてくれ!」
商人は持っているカネをすべてリザードマンに出した。
「これで、全部だ!」
「ククク、そうかい。じゃ、もう、死んでいいぜ!」
リザードマンが剣で商人を貫いた。
「かっ!? そ、そんな……約束と違う! ……」
「ケーケケケケ! 約束は破るためにあるんだぜ! 死にな!」
リザードマンは商人の心臓を剣で刺した。
商人は軽くうめき声を上げて死んだ。
その場は凄惨な光景だった。
隊商の商人も護衛も皆殺し。
もし、この場に子供がいても、その子は殺されていただろう。
闘牛団はその残酷さを満足させると、物資とカネの略奪を始めた。
「フッフッフ! さすがだな」
「先生!」
「お疲れ様です!」
「相変わらず、君たちの腕はすばらしいな」
「先生」と呼ばれた男は大柄でスキンヘッド、黒いマントをまとっていた。
「ボス、先生が来やした!」
「クックック! 俺たち闘牛団にかなう奴らなんていない。カネも物もすべて奪え! 隊商を襲えば手っ取り早く金持ちになれるからな。あんたもそう思うだろう、先生よ?」
「フム……だが、このままでは資源の無駄だな?」
「?」
先生は死体を見わたした。
そして邪悪な笑みを浮かべた。
「私に任せてみる気はないか?」
その後闘牛団のアジトにて。
そこは打ち捨てられた鉱山だった。
「こ、これは……」
「理解したかね? 血とはこうやって使うのだ」
「驚いたな!? 人間の血から、こんなすごいパワーが身につくなんて!? あんたすごいんだな!」
闘牛団のボス、リント(Rind)は狂喜した。
「この程度で驚いてもらっては困る。私にかかれば君たちをさらに『狂化』できる!」
「なんだと!? まだパワーアップができるのか!?」
「そうだ。そのためにはもっと強い敵を襲うことが必要だ。そうすれば私が君たちを『最狂』のギャングにしてやろう!」
「へへへ……先生よお、あんたには感謝しているぜ。次はどの敵を狙えばいいんだ?」
「次の目標はツヴェーデン軍だ。どうやら、彼らは商人の護衛をすることにしたらしい。隊商といっしょにツヴェーデン兵の血からも力を得ることができるだろう」
リントは力はあったが、頭は悪かった。
リントは知らず知らず、先生の目的に沿った行動をしていた。




