表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Zwei Proserpina
43/196

怨念

「これで討伐完了だ。けがはないか?」

セリオンはビジネスウーマンに声をかけた。

「あ、はい、助けてくださり、ありがとうございました」

「一人で帰れるか?」

「ええ、なんとか……」

「そうか。では」

セリオンはその場を後にした。


セリオンは朝、スルトの執務室にやって来た。

アンシャルはいなかった。

「? アンシャルはどうしたんだ?」

「アンシャルは後方支援部隊の訓練に参加している。聖堂騎士団の副団長だからな」

聖堂騎士団は補給を重視する。

聖堂騎士団は「補給」で勝つとも言われる。

後方業務はナンバー2の仕事だった。

セリオンはスルトの言葉に納得した。

「で、首尾はどうだった?」

「ああ、人を襲っていた魔物は倒した。奴は自らをシュパイダーと名乗った。毒の攻撃をしてくる奴だったよ。昨夜も一人のビジネスウーマンを襲おうとしていた。俺はそこに駆けつけた。そしてシュパイダーを倒した。討伐完了だ」

「そうか。それは良き知らせだ。よくやってくれた。眠くはないか?」

「ああ、少し眠いな」

「本日は休みにしてよろしい。部屋に帰ってゆっくりと休むがいい」

スルトが穏やかな目を見せた。

スルトは厳しいことで有名だったが、セリオンには実の息子のように接し、愛していた。

スルトはセリオンにとって、父であると同時に師でもあった。

「ありがとう。俺は休ませてもらうよ」


再び、影が動き出した。

影は怨念を伴っていた。

「おおお、シュパイダー! あなたはどうして殺されてしまったの!? おのれえ! シュパイダーを殺した奴め! 許さない……! 決して許さない! この私が必ずあなたの仇を討ってあげる! 私たちの子供が産まれる日も近い……そのためにも多くのエサを喰わねばならぬ……シュパイダーを殺したやからには生きたまま喰らいついてくれるわ!」


影は肉を必要としていた。

体内にある卵のためにも、食料が必要だった。

用意されたのは人肉四人分。

この四人は街の不良だった。

影は四人を糸でからめると、四人を毒殺してからその肉を喰らった。

事件はまだ終わっていなかった。


セリオンは再びスルトとアンシャルのもとに呼ばれた。

「スルト、アンシャル、いったい俺に何の用だ? 事件は解決したんじゃなかったのか?」

「うむ、それがな、また被害が出た。今回は目撃情報もある」

「目撃情報?」

アンシャルが代わって。

「そうだ。今回もクモの魔物が犯人だった。情報によると、人の言葉をしゃべるらしい。そして『卵』とか『子供』とか言っていたそうだ」

「……つまり、メスというわけか?」

スルトはうなずいて。

「うむ、そうだろう。おまえが前に倒したのはオスの魔物だったのだろう。つがいのメスが出現したようだな」

「事件は解決したと思ったんだがな……」

「セリオン、おまえに任務を与える。そのメスの魔物を討伐せよ!」

アンシャルが述べた。

「わかった。今度こそ事件を解決してみせる!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ