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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Artemidora
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漆黒の魔女

セリオンは一人で花屋に来ていた。

赤いバラを買うためだ。

セリオンは花屋で赤いバラを買うと、それを手にしてテンペルへと帰路についた。

赤いバラはディオドラが好きな花の一つだ。

セリオンはディオドラに贈るために赤いバラを買ったのだ。

その時――セリオンは何かに引きずり込まれた。

「これは……亜空間か!?」

セリオンは大剣を出した。

そこには黒い翼を生やした、三人の漆黒魔女がいた。

「私はモルヴァン(Morwan)」

「私はマヴァハ(Mawaha)」

「あたしはネヴァハ(Newaha)」

「私たちは漆黒の魔女バシュヴァ(Baschwa)。セリオン・シベルスク! おまえの存在は我らにとって脅威となった! ゆえにおまえには消えてもらう!」

「白昼堂々暗殺か? そんなので俺を倒せるとは思うなよ!」

セリオンは蒼気を放出した。

三人の魔女はすくみ上った。

「これほどとはな……」

長女モルヴァン。

モルヴァンは黒くて長い髪に、白いマーメイドドレスを着ていた。

「こ奴……できるな!」

マヴァハはセミロングの黒い髪に胸元の空いたドレス。

「くっ、なんて圧力!」

ネヴァハは黒いショートボブにズボン。

武器は三人とも槍を持っていた。

セリオンは赤いバラを落とした。

左右に分かれてマヴァハとネヴァハが追撃してきた。

二人同時攻撃だ。

二人の槍がセリオンを襲う。

セリオンは二人と斬り結んだ。

セリオンが蒼気の刃を振るった。

「おおおおおお!?」

「ああああああ!?」

マヴァハとネヴァハは吹き飛ばされた。

そこにすかさず、モルヴァンが槍で突いてきた。

セリオンは蒼気の舞を踊った。

セリオンの蒼気による攻撃はモルヴァンをしだいに追いつめていく。

モルヴァンは冷や汗をかいた。

モルヴァンは後退する。

「逃がすか!」

セリオンは空中にいるモルヴァンに蒼波刃を放った。

モルヴァンは闇の力でそれを防ぐ。

モルヴァンと蒼波刃にスパークが生じる。

スパークはやがて収まっていく。

モルヴァンは自分の武器を見た。

モルヴァンの槍は折れていた。

「まさか……これほどとは……」

「さあ、続けるか、それとも逃げるか? 好きなほうを選べ」

マヴァハとネヴァハもセリオンの前で浮遊した。

セリオンには余裕があった。

三人の魔女は全員が苦渋に満ちた顔をした。

「これで終わりだと思うな! 必ず、我らはおまえの命をもらい受ける! 我々は漆黒の魔女バシュヴァ! 覚えておくがいい!」

「どうやら引いたようだな」

バシュヴァは上方の出口へと吸い込まれた。

「漆黒の魔女バシュヴァ……いったい何者だ?」

セリオンは地面に落としたバラを取った。


セリオンは聖堂に帰ってきた。

中にはアンシャルがいた。

「アンシャル」

「おお、セリオンか。どうした? 浮かない顔をして?」

「俺は三人の魔女に襲われた」

「何だと!?」

「彼女たちは漆黒の魔女バシュヴァと名乗った。撃退はできたが奴らは俺の命を狙っている。こいつらについて何か知っていることは?」

アンシャルは腕を組んだ。

「私にもわからないな。この世にはそんな存在もいるのか……」

「三人ともそれなりの実力者だったよ。まあ、いいか。母さんは今どこに?」

「ディオドラなら礼拝堂の方にいるだろう」

「わかった。行ってみる」

その時ディオドラは祈っていた。

「母さん」

「あら? セリオン、今帰ってきたの?」

「この赤いバラを買ってきたんだ」

「まあ、なんてすてきなバラなのかしら!」

「これを母さんにね。日々のお礼を兼ねて」

「ありがとう、セリオン。さっそく花瓶に移し替えましょう」

セリオンは聖堂の庭に出た。

ガッシャーンという音がした。

「いたたたた……また失敗しちゃった……」

「ダキ、あきらめるな。さあ、もう一度やってみよう!」

「アラゴン、ダキ」

「あ! セリオンさんだ! こんにちは、セリオンさん!」

「こんにちは、ダキ。自転車に乗る練習かい?」

そこには聖騎士にして友人のアラゴン・ダンスク(30歳)と娘のダキ(10歳)がいた。

「自転車に乗るのって難しいね。なかなかうまくいかないんだ」

「安心しろ、ダキ! 練習すれば、誰でも乗れるようになる!」

「パパはそう言っているぞ?」

「うん、私がんばる!」

ダキは自転車を持つと、またそれを動かす練習を始めた。


「おまえたちにあの男を殺せと命じた覚えはないが?」

赤い魔女が言った。

「は……」

三人の魔女――漆黒の魔女バシュヴァは彼女たちの主にひざまずいていた。

「それで、戦いを仕掛けたのはいいが敗れて帰ってきたというわけか?」

「返す言葉もありません」

「フフフ……まあ、よい。少しは楽しめるというものだ」

「? お言葉の意味が分かりかねます……」

「私はうまくいかないことを楽しんでいるのだ」

「? なぜでしょう?」

「なぜ、か……当然の質問だな。これは私自身の血が騒ぐのだ。魔女としての血がな……かの者は大いなる闇の到来に我らの障害として立ちふさがるであろう。闇よ、在れ」

「障害となるのがわかっているのでは、今のうちに始末しておくべきではありませんか?」

「ウッフフフ……まずは焦ることはない。ツヴェーデンではもうすぐ闇の幕があける。闇がツヴェーデンを支配する。黒魔女ヘカテ(Hekate)に任せておけばよい。彼女が闇の使者となり、ツヴェーデンに闇をもたらすだろう」


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