表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Artemidora
27/196

セルウィリウスとの決戦

王と王妃は仲を戻した。

セリオンたちは王と王妃と共に、グランシルヴァンの根元の台座に四つのオーブを設置する。

すると、光の道ができて樹の上へと行けるようになった。

「我々はここで別れることにしましょう。後はセリオン様とターニャ様にゆだねましょう」

「道中、お気をつけて」

セリオンとターニャは光の道を通って、グランシルヴァンに登っていった。

大樹の中腹まで行くと、開けた場所にまでやって来た。

そこの根元には一振りの剣が刺さっていた。

「あれは! あれが聖剣シルウィウスに違いない!」

「さあ、セリオン、選定の時よ!」

セリオンは剣を引っ張ってみた。

「ぐっ、抜けない!」

「焦らないで! 剣と対話するのよ!」

「剣と対話……シルウィウス……君の声を聞かせてくれ」

セリオンは目を閉じた。

(汝にとって最も大切なものは何か?)

(俺にとって大切なもの……それはエスカローネだ。俺は彼女を愛している。俺は彼女を守りたい)

その時、シルウィウスが根元から抜けた。

セリオンはシルウィウスを手にした。

「やった! 抜けたぞ! ターニャ、やったぞ! ……ターニャ? ターニャ!

ターニャはどこだ? ターニャがいない……消えた……」

セリオンは大樹の根元にまで戻った。

そこには一人の紫色のローブを着ている魔道士と、倒れているターニャを発見した。

「ターニャ!」

「ほう、もう来たのか。早いな」

「おまえは何者だ?」

「私はクイントゥス・セルウィリウス。闇の魔道士だ。この娘は私が預かった。返してほしくば、ヘリオポリス(Heliopolis)にまで来い。ヘリオポリスは雲の上にある。ゲートはつなげて置く。準備ができしだいゲートをくぐるがいい」

「待て!」

そう言うと、セルウィリウスはターニャと共に闇の中に消えた。

セリオンはすぐさまゲートに入った。

そこは雲の上だった。

ヘリオポリス――太陽の都。

宮殿が空に浮遊していた。

宮殿の下は雲海で雲が流れていた。

「見とれている場合じゃないな。ターニャを取り戻しに、ヘリオポリスに入ろう」


セリオンはドアを開けた。

すると中はまるで研究室のようなところだった。

「お待ちしておりました、セリオン様」

「君は?」

「私はヒューマノイドでメイドのリリシャ(Lilischa)と申します。我が主、セルウィリウス様がお待ちです。ご案内しますので、ついてきてください」

「ところで、ヒューマノイドとは何なんだ?」

「ヒューマノイドとは魔科学によって創られた人間のことです」

「つまり、人造人間のことか?」

「はい、その認識でよろしいかと」

「リリシャはここにいてさびしいと感じたことはないのか?」

「さびしい、という感情自体が私にはわかりません。私は感情がロストされているので」

「ロスト?」

「強力な力の代償として、ヒューマノイドは何らかの要素がロスト――つまり、消失しているのです。これも神による人間の創造を模倣した罰かもしれません」

「だが、それはリリシャ自身の罰ではないはずだ。どのような形で創られたにせよ、君には生きる権利がある!」

「そう言っていただけたのはあなた様が初めてでございます。私はここでお待ちしております。この先にセルウィリウス様がいらっしゃいます」

「わかった。ありがとう」

セリオンはセルウィリウスがいるとされた部屋に入った。

「来たか……待っていたぞ、セリオン・シベルスク」

「ターニャを返せ!」

「ククク、では聖剣シルウィウスを渡してもらおう」

セリオンは両手で聖剣シルウィウスをセルウィリウスに渡した。

「これが……これがシルウィウス……ようやく、ようやくこの剣がわが手に! フハハハハハ! ハーッハッハッハッハ!」

セルウィリウスが哄笑こうしょうする。

「さあ、剣を渡した。ターニャを返してもらおう!」

「ククク、よかろう。もはやこの女に用はない」

ターニャはセリオンのもとへと蹴り飛ばされた。

「きゃああああああ!?」

「ターニャ!」

セリオンはターニャのところまで近寄った。

「ターニャ! しっかりしろ!」

「ごめんね……私のせいで聖剣が……」

「別に気にするな。おまえほど大切じゃない……」

「ククク、クヒャーッハッハッハ! この剣はついに私のものとなったのだ! これで地上を魔界に変えることが! ん? 何だ!? ぐおおおおお!?」

セルウィリウスに電流が流れた。

「フン! ざまあないわ! 聖剣のほうこそ、あんたなんてお断りだそうよ!」

「ククク、それはどうかな?」

セルウィリウスは剣に闇を送り込んだ。

青かったシルウィウスが黒く変色していく。

「クハーッハッハッハッハ! これがシルウィウスだ! 魔剣シルウィウス! シルウィウスは持ち主に合わせた姿を取るのだ!」

「くっ! 聖剣が闇に染まったのか……」

「さて、おまえたちを返すとは言ったが、生かして帰すとは一言も言っていないのでね。この魔剣シルウィウスのさびにしてくれるわ!」

セリオンは大剣を構えた。

セルウィリウスが攻めてくる。

セルウィリウスはシルウィウスでセリオンを斬りつけた。

セリオンはそれを受け止めることができると思った。

セルウィリウスはセリオンの大剣めがけて斬撃を繰り出してきた。

セリオンはガードしたが後ろの壁に吹き飛ばされた。

「クハハハハ! どうだ? これが闇の力だ!」

「ぐっ、まさかこれほどの力があるとは……」

「セリオン!」

「ハーハハハハハ! 死ねえ、小僧!」

セリウィリウスが再びセリオンを斬りつけてきた。

今度はセリオンのほうからも光の斬撃を叩き込む。

セリオンの斬撃は光をまとい、セルウィリウスの斬撃と打ち消し合う。

「なっ、なんだと!? この魔剣の魔力斬撃が!?」

「その力……魔力を源にした魔法の斬撃と見た。それなら神剣サンダルフォンの力、魔法を斬る力で対抗できると見た」

「くっ、そんなバカな!? くらえ!」

セルウィリウスが再び魔力斬撃で薙ぎ払ってきた。

セリオンは冷静にその斬撃を無力化する。

セルウィリウスが剣を上にかかげる。

セルウィリウスは魔力を魔剣に収束した。

「くらうがいい! 魔波斬まはざん!」

連なる闇の斬撃がセリオンを襲う。

セリオンは蒼気を放出した。

セリオンは魔波斬に対して蒼波斬を出した。

蒼気の斬撃が魔波斬を打ち破る。

「はあああああ! 翔破斬!」

セリオンは蒼気の衝撃波を出した。

翔破斬は直線的にセルウィリウスに迫る。

「フン! なめるなあ!」

セルウィリウスは魔剣から衝撃波を出して、翔破斬を無力化した。

セリオンは蒼波斬を出した。

セルウィリウスも斬撃を放って対抗する。

「ぐっ! ここまで私を追いつめるとはな……だが、これで終わりにしてやる! 闇黒竜あんこくりゅう!」

セルウィリウスは闇の竜を出した。

闇の竜がセリオンに迫り、アギトを開ける。

セリオンは神剣を振り下ろした。

闇黒竜は霧散した。

「そんな……バカな……」

セルウィリウスは呆然とした。

セリオンは光子斬でセルウィリウスを攻撃した。

セルウィリウスは魔剣で受け止めようとした。

しかし、セリオンの光子の斬撃はシルウィウスを折り、さらにセルウィリウスに深い傷を与えた。

「がっ!? まさか……この私が……魔剣の力をもってしても……おまえに勝てないとは……」

セルウィリウスが倒れた。

「やったわね! セリオン! これで世界は光の下に置かれるはずよ!」

「……」

「どうしたの?」

「いや、シルウィウスを折ってしまうとは……」

「ねえ、セリオン。神剣をここに持ってきて」

「? 何をするんだ?」

「いいから、いいから」

ターニャに言われたとおりに、セリオンは神剣をシルウィウスの近くまで近づけた。

折れたシルウィウスは、サンダルフォンの中に入った。

「なっ!? いったい?」

「刀剣吸収よ。これでその神剣はシルウィウスの力を使えるようになったわ」

「確かに聖剣の力の息吹を感じる。これならツヴェーデン軍の装甲車も斬れそうだ!」

「さあ、セリオン。テンペルに帰りましょう」

「ああ、そうだな」


「かくかくしかじかというわけだ」

セリオンはスルトとアンシャルに今回の冒険を報告していた。

「それにしても驚いたな。まさか、神剣と聖剣が一つになるとはな。これ以降サンダルフォンは刀剣吸収によって進化できる能力を手に入れたわけだ」

とアンシャル。

「若き狼よ、ご苦労だった。今回も闇の者たちから世界を救うことができたな。おまえにはしばらく休暇を与えよう。ゆっくり休むがいい。2週間は休んでよろしい」

「ああ、ありがとう、スルト。あとは……別れだな」

セリオンはバイクでターニャをシルフの里に連れて行った。

「女王様、お帰りなさいませ!」

「「お帰りなさいませ!!」」

「さあ、ターニャ、俺たちはここでお別れだ」

「そうね。あーあ! 誰かさんの子守りは大変だったわねー! これで私も……」

「ターニャは涙を流していた。

「ううう……くううううう……」

「ターニャ、これが永遠の別れではないんだ。会いたいときはテンペルに来ればいい」

「そういうわけにはいかないの。精霊王は一か所にとどまらなければならないのよ。私にはもう冒険はできないの……」

「そうか……ありがとう……俺はターニャと会えてよかった。

「ありがとう、セリオン……これでお別れね。さようなら」

「ああ、さようなら」


「エスカローネ、ただいま!」

「セリオン、おかえりなさい」

エスカローネはセリオンの胸の中に跳び込んだ。

エスカローネはラフな格好をしていた。

黒のノースリーブのシャツに、白いタイトスカートだった。

「私、心配してたのよ? セリオンはいつも無茶ばかりするから……ターニャさんは?」

「ああ、シルフの里で別れてきた。精霊王は一か所から動けないそうだ。今回のような非常事態でもない限りは、ね。それと」

「それと?」

「2週間の休みをもらった。あまり長くないがゆっくりできそうだ。このあいだはエスカローネのもとにいるつもりだ」

テンペルの標準の休みは「一か月」である。

「そうね。今回はターニャさんのことばかりになっていたから、今度は私のもとにいてちょうだい」

「エスカローネ、愛してる」

「私も、セリオンを愛してる」

二人はキスをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ