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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Artemidora
21/196

デンドリティス

セリオンとターニャは聖鳥フォエニカに乗って灯花の森デンドリティスにやって来た。

浜辺に降りる。

「これが灯花……明るく花が光るんだな」

「この灯花の花は夜のあいだだけ光るの。それが道しるべになってくれるのよ」

「? どういうことだ?」

「つまり、昼にこの森を通ろうとすると、道に迷うあげくに魔物にまで襲われるということよ」

「……よく知っているな」

「ちょっと! あんたねー! 私はこれでも風の精霊王なのよ? 少しは私を敬いなさいよ!」

「となれば、昼ではなく、夜なら道に迷わずに灯花の明かりに従って行けばいいんだな?」

「その通りよ!」

「じゃあ、夜になるまで、この浜辺で食事を済ませよう。オークでもいれば豚の肉にありつけられるんだが……」

セリオンは魚を釣って食べることにした。


セリオンはたき火をたいた。

「なあ、女はどうやればプロポーズを受け入れてくれるんだ?」

「はあ? 何よ、唐突に?」

「俺には恋人がいる。俺は彼女と結婚したいと思っている」

「そうねえ……何か贈り物でもあれば心が傾いちゃうかもー!」

「贈り物?」

「例えば―、最高級のダイヤモンドとか?」

「それは女性の場合じゃなくておまえの場合だろう?」

「何よ? 文句でもあるの?」

「おまえに相談した俺がバカだったよ」

「何よ、それー! ターニャちゃんキーック!」

ターニャがセリオンに蹴りつけてくる。

当然、まったく痛くない。

「それにしても、海はいいな。こうして浜辺に来たのは何年ぶりだろう? 夜までまだ時間があるな。俺は眠ることにする。それじゃあな」

セリオンは夜になるまで眠った。

その時、セリオンはエスカローネの夢を見た。

夜になって。

セリオンは起きた。

「ターニャ?」

火は消えていた。

たき火の近くではターニャがぐっすりと眠っていた。

「やれやれだ。これが風の精霊王とはな。まったく敬意というものが出てこないな。おい、ターニャ、起きろ」

セリオンが、ターニャのほおを押した。

「うーん、あと、5分……」

こいつは子供か? とセリオンは思った。

「おい、ターニャ、いい加減に起きろ!」

ターニャはすやすや眠っていた。

セリオンは実力行使に出た。

セリオンはターニャをひっぱたいた。

「いったー!? 何すんのよ!」

「おまえが優しくしても起きないからだろう?」

「あら、もう夜なの?」

「ああ、夜になったな。灯花が光っているよ。道が示されている」

「じゃあ、行きますか! ほんとにセリオンったら私がいないと何もできないんだから」

「……」

セリオンはターニャのほおを引っ張った。

「ムヒャー! イファイイファイ!」

「おまえこそ、俺がいなかったら何もできないだろうが」

「痛い! 何すんのよ! じゃあ、さっそく土の精霊王ドリュアーデのもとに行くわよ! この灯花の明かりに従えば、デンドリティス村にたどり着くわ!」

セリオンは灯花の森に足を踏み入れた。

投下の明かりに沿って進んでいく。

どうやら灯花にはモンスターよけの効果があるらしい。

セリオンは迷わず、デンドリティス村にたどり着いた。

「ここがデンドリティス村……」

村の中には灯花や家々が立っていた。

「さあ、この村の村長のところに行くわよ!」

「!? 人間!? 人間がどうしてこんなところに!?」

男の子が答えた。

「安心して。私は風の精霊王ターニャ。私たちはドリュアーデに会いに来たの」

「はあ? おまえが風の精霊王? そんなバカな……おまえはうそをついている!」

「はあ、ちょっと、待ちなさいよ!」

「……」

セリオンはこの男の子が言っていることは正しいと思った。

「ちょっと、セリオン! あんたなんで黙っているのよ! 少しは私のことを伝えなさいよ」

「俺たちは土の精霊王ドリュアーデに会いに来た。ドリュアーデがどこにいるか、教えてほしい」

「んーん、お兄ちゃん、ただの人間じゃないね。「神の息吹を」感じる。いいよ、長老があの家にいるから聞いていけば? ドリュアーデ様に会えるかは別だけど。それじゃあ!」

男の子は去っていった。

「どういうことだ?」

「? どうしたの、セリオン?」

「いや、考えても仕方がない。長老のもとに向かおう」

セリオンは長老の家を訪れた。

「ごめんください」

「はい」

中からひげのある老人が出てきた。

「何の用……!? まさか、あなたは! 風の精霊王ではありませんか!?」

「その通りよ!」

ターニャが胸を張った。

「まさか、風の精霊王様がこのような村におこしくださるとは! さあ中に入ってください!」

「ふふん、良きに計らいなさい!」

「……」

「? 何よ? 何か言いたいの?」

「いや、おまえを見て風の精霊王だと思う人がいることが以外でな」

「ムキー! 何言ってんの! むしろこれが当然の反応なのよ!」

「さて、お茶を用意しました。中へお入りください」

「わかったわ!」

セリオンたちは客間に通された。

「まさか生きているうちに風の精霊王様にお会いできるとは。それでどのような用件でしょうか?」

「俺達は土の精霊王ドリュアーデに会いに来たんだ。彼女は今どこにいる?」

「それが……」

「? どうかしたのか?」

「ドリュアーデ様は行方不明なのですじゃ」

「ドリュアーデが行方不明?」

「灯火の森でドリュアーデ様は暮らしているのですが、その場所からいなくなってしまったのです」

「いなくなった……?」

「はい、できればお二人にはドリュアーデ様を見つけていただきたいのですが……できますでしょうか?」

「いいわよ! 私たちがこの事件を解決してみせるわ!」

「いいだろう。俺たちはどのみちドリュアーデに会わなければならないんだ。ところで、ドリュアーデはどこに住んでいたんだ?」

「それはこの村より北西の方角にあります」

「この村の北西だな? わかった」

セリオンとターニャは村を出てドリュアーデがいなくなった場所へと向かった。

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