ウンディーネ
その日の夜は宴会だった。
シルフたちはストーンサークルで飲み、踊り、食べた。
ダンスに歌が提供された。
シルフの誰もが英雄セリオンをたたえた。
即興詩でこの英雄の武勇がたたえられた。
「ちょっと、セリオン……飲んでるう?」
そこにターニャが現れた。
「ターニャ……酔ってるだろ?」
「ウフフフフ……そうよお、酔っているわよお……セリオンも飲みなさいよ」
「俺は理性を失うほど酔うつもりはない。それにしても、シルフの里は救った。しかし、まだ終わりじゃないんだろ?」
「そうねえ……次はウンディーネ、水の精霊王に会ってみない?」
「水の精霊王か……しかし、どうやって行くんだ? 俺のバイクでは行けないぞ?」
「安心して。シルフの里に伝わる乗り物があるのよ!」
「乗り物?」
「そう……聖鳥フォエニカ(Phoenica)よ!」
セリオンとターニャはフォエニカに乗って空を旅した。
空から見える景色は新鮮だった。
もっともセリオンはバハムートに乗って空を飛べるのだが……
ウンディーネ(Undine)の里は川沿いにあった。
セリオンとターニャはウンディーネの里に降り立った。
セリオンとターニャは旅人を装って里に入った。
そこで一人の少女と出会った。
少女は青い髪をツインテールにしており、ミニのプリーツスカートをはいていた。
「すまない。俺たちはウンディーネに会いに来たんだ。ウンディーネがどこにいるか、教えてほしい」
少女は警戒感をあらわにした。
少女は指で向こうと指し示すと、二人の前から駆け出して消えていった。
「さっきの子には警戒されたか? 何もしゃべらなかったが……」
「あんたねえ……あの子はしゃべりたくてもしゃべれなかったのよ」
「しゃべれなかった?」
「ええ。耳は聞こえていたようだし、言語も理解できたけど、話しをすることができなかったのね」
「そうか……すまないことをしたな……」
「まあ、いいわ。さっそくウンディーネのもとに行きましょう! もっとも、ただで水のオーブがもらえると思わないでよ?」
「つまり、試されるということか?」
「そういうこと!」
セリオンとターニャは滝が近くにある一軒家を訪れた。
その中から水の女性が出てきた。
「まあ、風の精霊王ターニャ! あなたと再会するのは何年ぶりでしょう! こちらの方は? あなたからは神の息吹を感じます」
「俺はテンペルのセリオンだ」
「セリオン? セリオン・シベルスク? あのファーブニルを倒した英雄ですか!?」
「まあ、俺はそう呼ばれているところだ」
セリオンはウンディーネに水のオーブを探していることを告げた。
「なるほど……わかりました。ですが、水のオーブをただで差し上げるわけにはいきません。私から出す、三つの試練をクリアすれば渡しましょう」
「三つの試練?」
「そうです。まず第一はオンディーヌの心を戻すこと。第二はニクシーと対面して倒すこと。第三はその時に言いましょう。それではセリオン殿、この村にはオンディーヌという心を傷つけられた少女がいます。その子の心を戻してください」
「で、そのオンディーヌはどこにいるんだ?」
「セリオン、あんたが会ったあの娘よ」
「あのツインテールの子か? あの子の心をもとに戻せばいいんだな? やれやれ……めんどうなことだ」
セリオンは一人で出かけてオンディーヌのもとに向かった。
オンディーヌは川で水と戯れていた。
そこにセリオンがやって来た。




