ホワイトドラゴン
「光の玉とはいったい何なんだ?」
「その名の通り、光の力を宿した玉よ。闇に対する備えとしてこの洞窟に収めてあるの」
「それほどの物なのか?」
「ええ、あんな闇の結界なんて、光の玉を使えばいちころよ!」
「……」
セリオンは疑いのまなざしをターニャに向けた。
「? 何よ? なんかあるの?」
「いや、威勢がいいようだが、本当に光の玉にそれだけの力があるのか不安になった。おまえを見ていると特に」
「はあ?」
セリオンの不安とはターニャの態度であった。
どうも調子に乗っているように、セリオンには映る。
「本当に大丈夫なのだろうか?」
「ちょっと、私はこれでもシルフの女王にして風の精霊王なのよ! この私の言っていることを神妙に信じなさい!」
「だから、信用できないと言っている」
「ムキー! ターニャちゃんキーック!」
ターニャがセリオンに蹴りつけてきた。
それをセリオンはあっさりとかわす。
「オワワワワワ!」
ターニャが姿勢を崩して体勢を整える。
「やれやれ……」
セリオンはターニャを見て呆れつつ……
「まあいい。光の玉はすぐに手に入るのか?」
「ギクッ!?」
「ギク? 何だ、その反応は?」
「あはははは……確か光の玉を守る守護聖獣がいたような気がー?」
ターニャは視線を漂わせる。
セリオンはいっそう大きな不信を抱いた。
「おい、守護聖獣がいるなんて聞いてないぞ?」
セリオンは洞窟内の歩みを止める。
「それはー……私も今思い出したというかー……あははははは……てへっ!」
「何が『てへっ!』だ! そういうことは早く言え!」
「グルウウウウウウウ!」
「奥からモンスターの声が聞こえる。何かいるな。光投槍!」
セリオンは光の投槍を投げた。
すると、そこには白い体に重厚感あふれるフォルムを持つ、ドラゴンがいた。
「ホワイトドラゴン!」
「そーそー、そんな奴が出てくるかもって……じゃあ、さっさと倒してちょうだい」
「簡単に言ってくれるな」
ホワイトドラゴンは後ろ足で立ち、両腕は小さかった。
ホワイトドラゴンはセリオンを敵と認識したようだ。
セリオンは戦いの構えを取る。
ホワイトドラゴンは鋭い牙でセリオンにかみつこうとしてきた。
セリオンは後退する。
「ちい! ターニャ、おまえは遠くに離れてろ!」
「はーい! 私は遠くから見ているからね! えっと、応援はしてるから!」
ターニャは人ごとのように答えた。
ホワイトドラゴンは白い息をはいた。
聖なる息吹だ。
セリオンは蒼気を発した。
セリオンは蒼気を波状に放出して、白い息を斬り裂いた。
白い息は無力化された。
ホワイトドラゴンにセリオンは斬りかかった。
蒼気を叩きつけ、ホワイトドラゴンの頭を打撃する。
しかし、あまり効いたようには見えなかった。
ホワイトドラゴンの咆哮。
ホワイトドラゴンが雷の息を、サンダーブレスをはいた。
雷光のブレスが洞窟内を照らし、セリオンに襲いかかる。
セリオンは蒼気で壁を作って、サンダーブレスをガードした。
「くっ!? こいつは雷も使うのか!? これでは雷の技は使えない……」
ホワイトドラゴンは地を蹴って走ってきた。
ホワイトドラゴンは爪でセリオンに切りかかった。
セリオンはそれを大剣で受け止める。
ホワイトドラゴンが力を込めてくる。
「ぐっ! パワーのやり取りならこちらが不利か!?」
セリオンはガード解いて後退した。
「ちょっとー! ホワイトドラゴンなんかに負けないでよねー!」
こいつは敵の強さを認識していないのだ。
だからそんな事を言う。
セリオンは蒼気の刃を収束した。
それから鋭い刃を形成し、ホワイトドラゴンに向けて構えた。
ホワイトドラゴがかみつこうとしてくる。
これはチャンスだ。
セリオンは蒼気の斬撃をホワイトドラゴンの頭に叩き下ろした。
ホワイトドラゴンは頭部を破壊され死亡した。
ホワイトドラゴンは白い粒子と化して消滅した。
「勝てたな」
「やったー! これで光の玉が手に入るのね! さっそく探しましょう!」
ターニャは台座の上に光輝く玉を見つけた。
「これが光の玉……なんて神秘的なのかしら……」




