交戦
夜、監視員の小隊が市内を巡回し始めた。
セリオンは市庁舎の屋上にいた。
セリオンは身体強化で聴覚を強化した。
目を閉じて、周囲の音を知覚する。
「すごいですね」
「? 何がすごいんだ?」
「その身体強化魔法です。その精度がすばらしいと言っているのです」
「そうか? 俺は魔法にはあまり詳しくないがテンペルには俺以上の戦士がいる」
「さすがはテンペル、といったところですか」
第四小隊はスーパーマーケットの前を歩いていた。
「隊長、今日はなかなか赤サソリが現れないですね」
「ああ、そうだが、気をつけろ。いったいいつ、どこで赤サソリが現れるかわからないんだからな」
「うちの小隊が出会うことはないんじゃないですか?」
「おい、こら、油断するなよ」
「はっ! 申しわけありません!」
「うむ。我々が赤サソリと接触する可能性がないとは言えんのだ。警戒を緩めるな」
「隊長! あれを!」
「むっ! あれは!?」
前方に大きな動く影を兵士は見つけた。
それは巨大なサソリだった。
「発見! 赤サソリです!」
「通信兵! 至急フローラ殿のところに連絡をするんだ! 残りの者は剣を取れ! 奴の足止めだ!」
「セリオンさん!」
「どうした?」
「赤サソリが現れました!」
「現れたか。奴はどこだ?」
「場所はスーパーマーケットの前で、現在第四小隊が交戦中だそうです!」
「わかった! 行くぞ!」
セリオンは全身を身体強化すると、夜の闇の中をまるで馬のように疾駆していった。
セリオンはスーパーマーケットの前に到着した。
そこにはこれ以上交戦不可能な第四小隊がいた。
「俺はセリオン・シベルスクだ! 後は下がって俺に任せろ!」
「隊長!」
「うむ! それではセリオン殿、頼みましたぞ!」
第四小隊は後退した。
セリオンは大剣を構えた。
巨大な赤いサソリがセリオンの前に立ちはだかる。
赤サソリは口から炎の息をはいた。
セリオンは放射の瞬間を見逃さなかった。
セリオンは氷の刃「氷結刃」を出した。
セリオンは氷の刃で炎の息を斬り払った。
赤サソリは右手を伸ばしてセリオンを挟もうとした。
セリオンは氷の剣でそれをはじき、やり過ごす。
赤サソリは左手を伸ばして同様の攻撃を試みたがセリオンによって、弾き飛ばされた。
赤サソリは尾を上に構えた。
尾でセリオンを狙っている。
尾がセリオンに突き付けられた。
セリオンは赤サソリの尾を氷の大剣で切断した。
「ギイイイイイイイイイ!?」
赤サソリが苦しみだす。
そこに隙ができた。
セリオンは雷を大剣にいきわたらせた。
セリオンは雷鳴剣を出して赤サソリを攻撃した。
「ギシャアアアアアアア!?」
赤サソリが絶叫を上げる。
青い雷電は赤サソリの硬い装甲を破って体内にダメージを与える。
しゅうと赤サソリから焦げ付いた匂いがした。
「倒した、な」
「さすがセリオン殿だ! 英雄と呼ばれるだけのことはある!」
赤サソリは倉庫に運ばれて解体されることになった。
次の日、シューマン市長はセリオンに感謝状を手渡した。
報酬はツヴェーデン銀行に振り込まれるとのこと。
セリオンはフローラの勧めでホテルに宿泊した。
誰もがこれで事件は解決したと思った。
その日の夜、倉庫では素材の剥ぎ取りに追われていた。
その時である。
倉庫の入口に何かがぶつかった。
「おい、一体なんだ?」
「俺が様子を見てくるか」
「たっ、大変だ!」
「どうした!?」
「赤サソリが出たー!」
「何だって!?」
「おい、避難が先だ! 逃げるぞ!」
「わかりました!」
作業員たちは身の安全のため逃げ出した。
もう一体の赤サソリは解体された赤サソリを見て身を震わせた。




