ヘルベルト
それは突然だった。
ヴェアヴォルフたちがテンペルを襲撃してきた。
ヴェアヴォルフはテンペルが警戒しているとみて、正門から攻撃を仕掛けてきた。
「敵襲です!」
一般の騎士が告げた。
「やはりやって来たな。セリオン、アンシャル、アラゴン、アリオン、聞いた通りだ。ヴェアヴォルフを撃退せよ!」
「グウ……この様子だと、こちら側の襲撃は予想されていたようだな……ガードが堅い。む?」
「そこまでだ!」
そこにセリオン、アンシャル、アラゴン、アリオンが現れた。
「きさまらは?」
「俺たちは聖堂騎士だ。おまえたちの相手は俺たちがする」
「ほう……おもしろい」
ウードは紺のヴェアヴォルフだった。
ほかの三体は黒かった。
「ククク、血の海に沈めてくれるわ!」
アンシャル対ヴェアヴォルフ。
ヴェアヴォルフが高スピードの爪で切りつけてきた。
アンシャルはすらりとかわす。
「さすがはヴェアヴォルフ。それだけのスピードがあるとはな。だが!」
アンシャルは風切刃をヴェアヴォルフに向けて放った。
風のカッターがヴェアヴォルフの片腕をもぎ取った。
「いたぶる趣味はない。一気に決める!」
アンシャルは風のカッターでヴェアヴォルフの首をはねた。
勝負はあっという間についた。
アラゴン対ヴェアヴォルフ。
ヴェアヴォルフが正面からかみつこうとしてきた。
アラゴンは黒い炎を出して、ヴェアヴォルフを斬りつけた。
ヴェアヴォルフは攻撃を変えてきた。
ヴェアヴォルフの爪。
ヴェアヴォルフは爪で切りかかる。
アラゴンはヴェアヴォルフの腕を黒炎剣で斬り払った。
「とどめだ!」
アラゴンは黒炎剣でヴェアヴォルフの胴を貫いた。
ヴェアヴォルフが絶命した。
アリオン対ヴェアヴォルフ。
ヴェアヴォルフがアリオンに爪で攻撃してきた。
アリオンは刀で斬り払う。
ヴェアヴォルフはアリオンの刀をガードした。
ヴェアヴォルフはアリオンに跳びかかってきた。
アリオンは跳びのいて後退した。
ヴェアヴォルフは口を開けて突撃してきた。
「今だ!」
アリオンは紅蓮の剣をヴェアヴォルフに突き刺した。
アリオンの刀はヴェアヴォルフののどを貫通した。
ヴェアヴォルフは死亡した。
「よし、いっちょあがり!」
アリオンが勝利を宣言した。
セリオン対ウード。
ウードは闇の爪でセリオンに切りかかってきた。
「フハハハハハー! セリオン・シベルスク! 亡き者にしてくれるわ!」
ウードが高らかに宣言する。
「吸血鬼の手下が何を言う。そんな奴に俺が負けると思うか?」
セリオンは大剣でウードに反撃した。
「ウオオオオオオオ!?」
ウードが驚愕する。
ウードは押された。
ウードは後退した。
「チイッ、さすがはセリオン・シベルスクか……だがこの技は防げまい! くらえ!」
ウードが闇の球に包まれた。
ウードは闇をまとうと、セリオンに突進してきた。
セリオンは大剣に光を輝かせた。
「くっ!?」
「フハハハハハー! どうだ! この技を押しとどめることなど……なっ、何!?」
ウードは再び驚愕した。
セリオンはウードの突進を大剣で受け止めていた。
セリオンの大剣は輝いていた。
「くっ!? 忌々しい光の技か!」
「くらえ」
セリオンは光の斬撃をウードに叩き込んだ。
「ぐはっ!?」
ウードは倒れた。
「ぐっ、この俺が……ヘルベルト様、申しわけありません!」
ウードは死んだ。
セリオンは大剣をしまった。
「セリオン、敵の指揮官を倒したようだな」
アンシャルが声をかけてくる。
「ああ。ほかのヴェアヴォルフよりは強かったようだ。……アンシャル、俺は再びヘルベルトのところに行こうと思う。ヘルベルトを倒さない限り、また同じ事件が起きかねない」
「そうか……わかった。気をつけてな」
セリオンはバイクでヘルベルトのいるミュールハウゼン城に戻ってきた。
城はなんと闇の結界でおおわれていた。
「これは……」
セリオンは闇に包まれた城を見上げた。
「セリオン様! ご無事ですか?」
「君は……リブッサ? よく生きていたな。城の中はどうなんだ?」
「わかりません。セリオン様がいなくなってから闇が城を包み込み始めたんです」
「闇の支配か……どうやらヘルベルトも闇とつながっているようだな。この中に人は入れるのか?」
リブッサは軽くうなずいた。
「はい、入れます。ですがセリオン様、中に入られるおつもりですか?」
「ああ、そのつもりだ」
セリオンは大剣を出した。
セリオンは城の中に侵入した。
セリオンは玉座の間に入った。
「フフフ……来たか、セリオン・シベルスク」
「ヘルベルト……よくも俺たちを罠にかけようとしてくれたな」
「フン、勘のいい奴らよ。おかげでこの私自らが戦わなくてはならなくなった」
「俺がここで決着をつける」
セリオンは大剣を構えた。
「クックック、さすがセリオン・シベルスク。我ら闇の勢力の敵対者よ。『あのお方』の邪魔はさせんぞ」
「!? おまえも『あのお方』の部下だったのか。それでは今回の事件もユグルタとつながっていたのか」
セリオンがヘルベルトを詰問する。
ヘルベルトは確信を見せた。
「ククク、その通りよ。我ら闇の者たちは多頭制――つまりポリュクラティア(Polykratia)を取っている。我らの勢力も闇の一勢力にすぎぬ。だが我々はその中でも有力な一派でね。それもすべては盟主たる『あのお方』ゆえのことなのだ」
「『あのお方』とは誰だ?」
「ククク! それは言えんな! さあ、セリオン・シベルスクよ! ここで果てるがいい!」
ヘルベルトの姿が変わった。
ヘルベルトは姿を変えた。
ヘルベルトは植物のような姿になった。
「フハハハハハー! 我は闇の力によって変異した! それがこの姿よ! 魔人ヘルベルトだ! さあ、死ねえ! セリオン・シベルスク!」
ヘルベルトは手から闇の球を出した。
禍々しい闇がセリオンを襲う。
セリオンは光の大剣を出した。
セリオンは光の大剣で闇の球を斬った。
「死ぬがいい! 闇力!」
ヘルベルトはドーム状に闇を展開した。
まるで闇は包み込むようにセリオンを呑み込む。
「フハハハハー! 闇の力は絶大なり! 闇はすべてを呑み込む! 闇は光を捕らえて消し去る! 闇の中で消滅するがよい!」
「それはどうかな?」
闇の中から声がした。
その声ははっきりとしており、澄んでいた。
「な、何!?」
ヘルベルトは驚愕した。
闇力が退いていく。
闇の中から光輝く大剣をかかげたセリオンが現れた。
「バ、バカな……!?」
「どんな闇も光の輝きを消せはしない。闇の中でこそ、光は輝く!」
「くうっ! くそっ! ならば触手でからめとってくれるわ!」
ヘルベルトはツタのような触手をセリオンに向けて放った。
セリオンは大剣でツタを斬り払った。
ツタはセリオンをからめとるために次々とやってくる。
ヘルベルトはツタを再生させていた。
セリオンは氷結刃を出した。
氷の刃がツタを凍えさせる。
凍える刃がツタを圧倒した。
「クッ!? まさか、これほどやるとは……だがこれまでだ! ゆけい!」
ヘルベルトが口の付いた触手をセリオンに向けた。
セリオンは大剣を振るって触手を迎撃した。
「クックック、まだまだ行くぞ!」
ヘルベルトがさらなる触手をセリオンに向けてくる。
セリオンは氷の大剣で触手を斬り裂いた。
セリオンは触手を受け付けない。
触手はセリオンの前で止まり、口から黒線の息をはきつけてきた。
セリオンはとっさに光の大剣を出した。
光が息を斬り裂いていく。
「くっ、こんな……こんなことが……」
セリオンは光波刃を二発放った。
セリオンの光波刃がヘルベルトを斬る。
「ぐぎゃああああああああ!?」
セリオンは光の大剣でヘルベルトに追い打ちをかけた。
セリオンがヘルベルトを斬った。
「ぎいやああああああ!?」
セリオンの斬撃がヘルベルトに決まった。
ヘルベルトは緑の粒子と化して消えていった。
城から闇は消えた。
城の中からセリオンは出てきた。
「ああ、セリオン様! ご無事で何よりです!」
リブッサが言った。
リブッサはセリオンを心配していた。
セリオンが一人で城に入って気が気でなかった。
「王のヘルベルトは死んだ。これでミュールハウゼン族は闇から救われた」
「セリオン様! ありがとうございます!」
セリオンが光の支配を告げる。
ミュールハウゼンでは闇の支配が終わった。
ただ一つだけ未解決なことがあった。
それは『あのお方』とやらのことだった。
『あのお方』は闇の指導者らしい。
「リブッサは『あのお方』について何か知っているか?」
「『あのお方』ですか? 私にもそのような存在はわかりかねます。ただ……」
「ただ?」
「はい、ヘルベルト王が何か闇の存在と話をしていたことはあるようです」
リブッサが記憶を確かめるように言った。
「そうか……ありがとう。今はそれで十分だ」
セリオンは亜空間収納魔術でバイクを取り出した。
セリオンはエンジンを入れる。
「いろいろ世話になったな、リブッサ。協力を感謝するよ。それでは俺は帰る。神の祝福が君にあるように」
「はい、セリオン様にも」
リブッサは心からセリオンのために祈った。




