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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Vier Aschtoreth
109/196

ミュールハウゼン

スルト、セリオン、アラゴン、アリオンの四人は馬でミュールハウゼンに向かった。

アンシャルが残留することになった。

ミュールハウゼンは東エウロピアにある国である。

国王はヘルベルト・フォン・ミュールハウゼン。

東エウロピアは森が多く残っている地方である。

四人は数日で踏破した。

そして、ミュールハウゼン城に到達した。

ミュールハウゼン城でスルトたちは謁見に臨んだ。

「異国の地ツヴェーデンより、よくおこしてくれた。歓迎しますぞ」

ヘルベルト王が述べた。

「私はスルトと申します」

「私はアラゴン・ダンスクです」

「俺はセリオン・シベルスクです」

「俺はアリオン・フライツです」

「自己紹介痛み入る。私はヘルベルト。ヘルベルト・フォン・ミュールハウゼンだ。今宵は晩餐会を予定している。テンペルの方々よ。酒や料理などをたらふくごちそうしますぞ。馬での旅、ご苦労様でした。今日は担当のものに用意させますので部屋でくつろいでください」

ヘルベルトとの謁見が終わった。

「何ともなかったな……今のところはだが……」

とセリオンが言った。

「うむ、いつ襲ってくるかわからん。各人は武器を手放すな」

「わかりました」

アラゴンがうなずく。

「俺は城の外に出たいんだが、いいだろうか?」

セリオンがスルトに申し出た。

「空気を吸いに行く程度ならいいだろう。あまり長くならないようにな」

「わかった」

セリオンは三人と別れて城の外に出た。

周囲は森に囲まれていた。

「ふわー! やれやれ、城の中は息がつまる。よくあんなところにずっといられるな。さて、少し城のまわりでも歩こうか」

「あなたはセリオン様? セリオン・シベルスク様ではありませんか?」

「君は?」

そこには長い金髪のメイドがいた。

「私はリブッサ(Libussa)。この城のメイドです」

「確かに俺はセリオン本人だ。いったい何かあったのか?」

リブッサは深刻な表情で。

「セリオン様、お気を付けください。この城では何か陰謀のにおいが漂っています」

「陰謀のにおい?」

「はい、私、厨房で聞いたんです。食べ物に毒を入れようとか、晩餐会で襲撃しようとか……何か陰謀めいたことを聞いたんです。どうかお気をつけください!」

リブッサは必死に訴えかけてきた。

セリオンはうなずいた。

「わかった。情報提供ありがとう。ところで、君はどうして俺たちにそんな情報を?」

リブッサはアンクの付いたペンダントを取り出した。

「私は熱心なシベリウス教徒です。セリオン様たちテンペルの方々は私にとってシベリウス教の上長ですから……シベリウス教は民族、国、地域、大陸、種族を越えています。私はテンペルの兄弟姉妹ゲシュヴィスターを本当の兄弟姉妹と思っているのです」

「ありがとう、リブッサ。そう言ってくれるとうれしいよ。もしよければ、君には連絡員になってもらえるかい?」

「はい、わかりました」

「もしヘルベルト王が何か陰謀を企んでいるなら、すぐに教えてくれ。実は俺たちも今回の招待には陰謀があると思っている」

「はい、何か兆しがありましたら、すぐに連絡します」

「ありがとう」


かくして晩餐会が催された。

晩餐会には音楽に料理と酒が添えられていた。

酒はワインだった。

テンペル、シベリウス教ではワインは許されていた。

ワインは料理につけて出されるっものだった。

それを知ってかヘルベルトはワインを出してきた。

どうも、今のところ、ワインにも料理にも毒は入ってはいないようだ。

アラゴンとアリオンは料理に夢中になっていた。

「アラゴン、アリオン、あまり食べすぎるなよ。この後戦いが待っているかもしれないからな。冗談ではなく本当だ」

セリオンがささやくように言った。

「わかっている。食べ過ぎないようにするさ。それに腹が減っていては戦うこともできないだろう?」

アラゴンが述べる。

「うまいぜ、セリオン。ディオドラさんの料理とは違う味を感じるな!」

アリオンはもぐもぐと料理を食べた。

それを見てセリオンはあきれた。

「アリオン……やれやれだ。スルトはヘルベルト王のそばで政治の話しか……俺にはついていけないな」

「セリオン様!」

「リブッサ?」

リブッサは慌てた様子で。

「今すぐお話があります!」

「わかった。バルコニーに行こう」

セリオンはバルコニーに向かった。

「ヘルベルト王に動きはあったか?」

「私が手に入れた情報ではテンペルの騎士たちを寝こみに襲う計画があるようです。食事もワインも控えるようにお願いします」

「寝こみを仕掛けてくるか。わかった。情報提供感謝する。ありがとう、リブッサ。こちらも、主導権を握れるよう手を尽くしてみるよ」


その日の夜。

四人が寝静まったころ。

黒い鎧の騎士たちがセリオンたちの部屋に入ってきた。

騎士たちは剣で四人のふとんをグサグサと突き刺した。

ふとんはズタズタになった。

「待て、何かおかしい」

騎士たちがふとんをめくった。

「こ、これは……!?」

「ちいっ、やられたか!」

そこには人型のわら人形が置かれていた。

「くそっ! 奴らにはめられたか!」

「奴らはどこだ!?」

「我々はここだ」

「!? きさまら!?」

そこで隣の部屋のドアが開いた。

そこには武器を持った四人の戦士がいた。

スルト、セリオン、アラゴン、アリオンだった。

「寝こみを襲うとは卑劣なマネをしてくれる。きさまらはヘルベルト王の手のものか?」

「…………」

「だんまりか。もっともそれは肯定とも言えるのだがな」

「えーい、黙れ! 黙れ! 今度こそきさまらを皆殺しにしてくれる! やれ!」

「はっ!」

「セリオン、アラゴン、アリオン、戦いだ! 戦闘態勢!」

セリオンたちは武器を構えた。

戦いが始まった。

武器がぶつかり合う音が響く。

夜の廊下で騎士たちが戦い合った。

セリオンの一撃が騎士長を斬った。

「ぐおおおおお!? まさか……このような……」

「どうする? 陰謀の黒幕をはくなら生かしておいてやるが?」

「フン、なめるな! もはやこれまでよ!」

騎士長は口に緑の液体を飲むと、血をはいて倒れた。

「……毒か」

戦いは終わった。

騎士たちの死体で廊下は満ちた。


セリオンたち四人はミュールハウゼン城を脱出した。

夜の林道をセリオンたちは疾駆した。

そこに追手がやって来た。

「スルト、アラゴン、アリオン。俺は追手を片づける。三人は先に行ってくれ」

「セリオン、大丈夫なのか?」

アリオンが質問した。

「ああ、俺はバイクで帰れるからな」

セリオンは林道に降り立った。

それから蒼気を放出した。

大剣にまで蒼気をいきわたらせる。

黒い騎士たちがランスを構えてセリオンに突っ込んできた。

「はっ! 翔破斬!」

翔破斬は追手をことごとく薙ぎ払った。

一気に蒼気の波が駆け抜けて、追ってを吹き飛ばした。

追手は全滅した。


テンペルにて。

セリオンはバイクで帰還した。

「おお、セリオン、よく帰ってきてくれた!」

テンペルではアンシャルがセリオンを出迎えた。

「事前に、情報提供者が情報をもたらしてくれた。

そこで一芝居打ったというわけだ」

「なるほどな。一計を案じたわけだ。それにしても、ヘルベルトの招待はやはり罠だったか。人員を絞って正解だったな」

「スルトはどうしている?」

セリオンがスルトの近況について尋ねた。

「ああ、スルトたちは疲れて眠っているよ」

「それでは俺も眠らせてもらう。ここ数日眠っていないものでね」

「ああ、そうするといい」


「くそっ! まさかテンペルの者どもを取り逃がすとは……! 、まさか、迎撃態勢を整えているとはな……ええい、忌々しい奴らよ! ウード(Udo)!」

ウードと呼ばれたヴェアヴォルフ(Werwolf)がヘルベルトの前でひざまずいた。

「もはや仮面は外しだ! テンペルを襲撃せよ! テンペルの者どもを血の海に沈めるのだ!」

「ははっ!」

ウードはヘルベルトの命令を受領した。

テンペルに闇の陰が迫っていた。

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