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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Vier Aschtoreth
107/196

戦争の終結

ユグルタはマオラ(Maola)司令官に指揮権をゆだねた。

ユグルタ自身は洞窟の中で酒を飲んでいた。

ユグルタは部下の部族からも見放されつつあった。

ユグルタには酒に逃避するしかやることがなかった。

ツヴェーデン軍はユグルタとの最後の決戦を行うつもりであった。

それに対して、ユグルタは自らの軍の前に姿を現さないという愚挙を犯した。

ユグルタ軍は実際動揺していた。

「大変です!」

「何が大変なのだ?」

「セリオン・シベルスクとアラゴン・ダンスクが洞窟内に侵入しました」

「何だと!? 見張りの兵は何をしていたのか!?」

ユグルタは激怒した。

部下は困惑して。

「それが……自ら投降したもようで……」

「何い!? くそっ! これだから部族民は信用おけんのだ! ゴーレムを出せ! ゴーレムで二人を叩き潰せ!」

「はっ!」

「おい!」

ユグルタは別の部下に声をかけた。

「はい!」

「万が一に備えて、いつでも逃げられる準備をしておけ!」


セリオンとアラゴンは不気味な洞窟に足を踏み入れた。

洞窟内で兵士による抵抗はほとんどなかった。

「いったい、どういうことなんだ? 抵抗らしい抵抗がない」

セリオンが言った。

「おそらく、ユグルタは見捨てられつつあるのではないか?」

アラゴンが推測する。

「そうか……部下がいなくなれば裸の大将にすぎないからな」

「これがユグルタの人望か……むっ!」

「……あれは!」

セリオンとアラゴンの前に二体のゴーレムが現れた。

一体は氷のゴーレムで、もう一体は炎のゴーレムだった。

「ゴーレムか……俺はあの炎のゴーレムをやる。アラゴンはあの青い氷のゴーレムをやってくれ」

「わかった!」


セリオン対炎のゴーレム。

炎のゴーレムは炎のリングを作って放射した。

セリオンは氷星剣でファイアリングを破壊した。

ゴーレムは右手の砲口からファイアブレスを放ってきた。

セリオンは氷星剣を前に出してファイアブレスを斬り裂く。

「そんな攻撃は通用しない!」

ゴーレムはセリオンンに急接近してきた。

ゴーレムのフレイムナックルだ。

ゴーレムは炎の拳でセリオンを打ちつけてきた。

セリオンはバックステップでこの攻撃をかわした。

このゴーレムにセリオンは氷星剣で斬りつけた。

ゴーレムの右腕が切断される。

ゴーレムは後退した。

ゴーレムは頭部からバルカン砲を出してきた。

バルカンが乱れ飛ぶ。

セリオンは飛来するバルカンをはじき飛ばした。

セリオンはゴーレムに接近すると、頭部を斬り落とした。

ゴーレムは沈黙した。


一方、アラゴン対氷のゴーレムは……。

氷のゴーレムがアイスレーザーを胸から発射した。

アラゴンはアイスレーザーを光炎剣で受け止める。

アラゴンはアイスレーザーのあいだをぬって、ゴーレムに接近し、ゴーレムの右手を叩き落した。

光炎剣は光の炎だ。

この技はアラゴンの切断力を何倍にも高める。

ゴーレムは攻撃を変えた。

アイスニードルでゴーレムはアラゴンを攻撃してきた。

いくつもの氷の矢がアラゴンに迫る。

アラゴンは光炎剣を振るって、アイスニードルを迎撃する。

その瞬間、ゴーレムが一気に間合いをつめてきた。

ゴーレムは左手で氷のパンチを繰り出してきた。

ゴーレムの拳がアラゴンを狙う。

アラゴンは光炎剣の出力を上げて、氷のパンチを受け止めた。

アラゴンは反撃した。

アラゴンは炎の剣でゴーレムの左腕と右腕を一気に切断した。

ゴーレムは胸からアイスレーザーを出した。

アラゴンはそれに炎の剣を叩きつけて、胸の発射口を破壊した。

アラゴンはゴーレムの頭を叩き落とした。

ゴーレムは活動を停止した。


「ほう……ゴーレムを倒すとはな。やるではないか」

「ダエムス!」

セリオンが悪魔の名を叫ぶ。

「よく我の名を覚えていた。それにしても、セリオン・シベルスクよ。おまえはしぶとい男だ。海の藻屑と化していればいいものを」

「あの程度で俺は死にはしない!」

「ククク……そのようだな。では、今度は本気で相手をしてやろう。きさまごときに、あのお方の手をわずらわせるまでもない!」

「? あのお方?」

「フン、ここで死ぬきさまには無用な情報だ!」

ダエムスが闇の爪『闇黒爪』でセリオンに切りつけてきた。

セリオンは光の大剣『光輝刃』を出した。

「むっ!?」

「そう何度も同じ攻撃でやられると思うな!」

セリオンは光の大剣でダエムスを斬りつけた。

ダエムスは闇の腕でガードした。

「……?」

ダエムスは自分の腕を見た。

腕から血が流れていた。

「ぐぬっ! よくもやってくれたな! セリオン・シベルスク!」

ダエムスが闇を全身にまとった。

「この闇の一撃を受けるがよい! 大闇力!」

ダエムスの周囲に闇の力がドーム状に広がった。

紫の闇はセリオンを呑み込む。

「ハーッハッハッハッハ! どうだ! 見たか! これが闇だ!」

ダエムスの哄笑が洞窟内に響き渡る。

「ククク、これでセリオン・シベルスクも……!?」

ダエムスは信じられないものを見た。

それは大剣に光を輝かせて立っていたセリオンだった。

「なっ、何だと!?」

ダエムスが驚愕する。

「光は決して闇に呑まれはしない! 光は闇の中でも輝き続ける!」

「くっ、これほどとは……ならばこれをくらうがいい! 闇力風あんりょくふう!」

ダエムスが闇の風を放った。

鋭い風の刃はセリオンを切断するべく飛来する。

「ハーッハッハッハッハ! この風の刃で切断されるがいい!」

セリオンは大剣から銀光を出した。

銀の光は闇力風をかき消した。

「なっ、何!?」

ダエムスは自分の攻撃が迎撃されたことが信じられなかった。

「これで、終わりか?」

セリオンが告げる。

銀光は神剣の光である。

この銀の光はあらゆる属性の魔法を斬り裂く力を持っている。

「ええい、これは何かの間違いだ! これで終わりにしてくれる! 『闇魔粒子砲あんまりゅうしほう』!」

ダエムスが両手から闇を集めて放射してきた。

すさまじい闇の砲撃だった。

闇はセリオンの正面から迫った。

「はっ! 銀光斬!」

銀光の一撃が闇の砲撃を無力化させた。

銀光は闇を散らした。

「バ、バカな……こんなことが……」

ダエムスは愕然とした。

「今だ!」

セリオンはダエムスに接近した。

そして銀光の剣でダエムスを貫いた。

「ぐああああああああ!?」

「これで、終わりだ!」

セリオンが冷たく告げる。

「くっくっく!」

「? 何がおかしい?」

「くっくっく、この私を倒したからといって図に乗るな……この私はあのお方の手下にすぎぬ! 闇の使徒は必ずおまえを殺す! せいぜい小物を倒して喜んでいろ!」

セリオンは大剣を抜いた。

「もう一つ聞く。『あのお方』とは誰だ?」

「クヒャーッハッハッハッハ! それは自分の目で確かめるのだな! さらばだ!」

ダエムスは闇の粒子と化して散っていった。

「『あのお方』か……最後まで分からずじまいだったな」

「セリオン!」

「アラゴン!」

「見事だったぞ。さあ、私たちは任務通り、ユグルタを探そう」

「そうだな」


ユグルタはすでに逃亡していた。

どうやらゴーレムが倒されたことで、ユグルタは逃げ出したらしい。

部下を見捨てて……。

逃げたユグルタはひとまず、マウレタニアに逃亡した。

ユグルタ軍はいかに精強なヌミディア騎兵とはいえ、ツヴェーデン軍十万の大軍を相手にはできなかった。

ミューレン少将はユグルタ逃亡の情報に接すると、ひそかにマウレタニアに問い合わせた。

マウレタニア王ボックス(Bockus)はひそかにツヴェーデンに通じており、ユグルタをツヴェーデン側に引き渡すつもりだった。

ミューレン少将が策を出してユグルタは捕縛された。

ユグルタの捕縛と、義父の裏切りによって、ユグルタ戦争は幕を閉じた。

ユグルタはヌミディアの王家に連れて行かれ、即位したマシニッサのよる裁判にかけられた。

判決は死刑だった。

ユグルタは処刑され、戦後処理も終わった。

セリオンとアラゴンはテンペルに帰還した。

「セリオン!」

「エスカローネ!」

エスカローネがセリオンの胸に飛びつく。

まるでずっとその中に入りたかったかのようだ。

セリオンはエスカローネの背中に腕を回す。

「会いたかった! 私、ずっと心配で……」

「俺も会いたかった。しばらく休暇をもらった。これで休み中はいっしょに過ごせる」

「もう、セリオンったら……」

エスカローネは目に涙をかかえていた。

心からセリオンに会いたかったことが分かる。

「ダキ!」

「パパ!」

ダキはアラゴンに抱きついてきた。

「ウワーン、パパ―! さみしかったよー!」

「こらこらダキ……ダキは甘えん坊だな」

アラゴンはしゃがんでダキを抱きしめた。

かくして、ユグルタ戦争は終わった。

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