表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ROAR OF DRAGONS  作者: 紫鷹丸
15/31

セレスティア⑶

 翌日から二人はナイツ本部の前に立つ。


 ナイツ本部の扉は、想像より重かった。

 蔦に覆われた白い石造りの建物。入口の紋章——翼を広げた竜と、葉をあしらった盾。陽はその扉を押し開けながら、少し緊張していた。

 

 中に入ると、広いホールが広がっていた。天井が高く、柱に沿って蔦が這い上がっている。壁には歴代のナイツメンバーらしき肖像画が並んでいて、その全員が竜と共に描かれていた。絵の中の騎士たちは皆、真剣な目をしていた。その目が、入ってきた陽たちを見ているようだった。

 

 奥にカウンターがあり、NPC——受付係の女性が座っている。落ち着いた緑色の服を着ていて、セレスティアの雰囲気によく合っていた。

 

「ナイツ試験の申し込みです」

 

 ヒロが言うと、受付係が二人を見た。

 

「お二人とも、騎乗資格はお持ちですか」

「はい」


 ウィンドウを開いて、騎乗資格と称号「竜騎士見習い」を提示した。受付係が確認して頷く。

 

「確認致しました。それでは受験料をお支払いください。お一人20,000ロドーになります」

 

「……また高い」と陽が小声で言うと、「まぁ仕方ない」とヒロが小声で返した。二人で40,000ロドーを支払う。

 

「試験内容をご説明します」と受付係が言った。


「ここより南東、徒歩で一時間ほどの場所にセレスティア大洞窟があります。その洞窟の最奥部に、竜騎士の証が安置されています。それを持ち帰れば合格です」

 

「洞窟の中にはモンスターがいますか」と陽が聞く。

「います。そして——洞窟の最奥部には、野生の竜が棲みついています」

 

 陽とヒロは顔を見合わせた。

 

「野生の竜と戦う試験なんですね」

「ナイツとは竜と共に戦う者たちです。野生の竜を前に、それでも証を取りに行けるかどうか」と受付係は静かに言った。

「全て、自分たちの力で乗り越えてください」

 

「なお」と受付係が続けた。


「試験内容はランダムで変動します。同じ洞窟でも、挑戦するたびに条件が変わります。他のプレイヤーから聞いた情報が、必ずしも参考になるとは限りません」

 

 陽は少し驚いた。


「ランダムで変わるんですか?」

「はい、ランダムです。挑戦するプレイヤーの実力、人数を考慮し、全て同じ難易度になるように設定されています」

 

 陽は頷いた。


「わかりました」

 

 本部を出ると、達也が外で待っていた。広場の端に座って、ジンの首を撫でている。陽の姿を見つけると、立ち上がって駆け寄ってきた。

 

「どやった? 内容は?」

「洞窟の最奥部に竜騎士の証があって、それを取ってくれば合格。最奥部には野生の竜がいるってさ」

 

 達也が少し首を傾けた。

 

「……やっぱりランダムか。俺の時と違うな」

「達也さんは何だったの?」

「俺は山頂への登頂試験やった。多分ジンが陸竜だからやろな。頂上まで行って竜騎士の証を取ってくる試験や。ボスは大型の怪鳥やったわ」

 

「ボスも変わるのか」とヒロが言った。

 

「そうみたいやな」と達也が頷く。


 「せやから俺の経験があんまり参考にならんかもしれへん。洞窟の中は飛行できるスペースがあるかどうかもわからんしな」

 

「セラが飛べない可能性もあるか」と陽が呟く。

「狭かったら厳しいかもな。でも——」


 達也はセラを見た。


「セラは地上でも動けるやろ」

「うん」

「野生の竜については言っておく」と達也が続けた。


「俺は直接戦ってへんけど、聞いた話では、動きが読みにくいらしい。だから引きつけすぎるな。あと咆哮技には気をつけろ。食らうとしばらく動けんくなる」

「咆哮技か」

「範囲が広い。聞こえたら即、距離を取ること」

 

 達也は二人をじっと見た。

 

「俺は行けへんけど、お前らなら大丈夫や。セラとレオンを信じてやれば大丈夫」

「……うん」と陽が頷く。

「ほな、待っとくわ。凱旋報告、楽しみにしとるで」

 

 達也とジンが、広場の噴水の方へ歩いていく。その背中を見送りながら、陽は深呼吸した。

 

「行こう」

「ああ」

 

 二人とセレスティアの南東へ向けて歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ