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第二章 交錯 第六話「可児署の憂鬱」
可児警察署、刑事課の一室。雨月雅之警部補は、机に広げた報告書を前に頭を抱えていた。
「外国人グループの目撃情報だけでも厄介なのに、今度は探偵が四人も町をうろついてるって? どうなってるんだ、この町は」
「雨月さん、確認したところ、四人とも民間人で、現時点で事件性は認められません」平圭巡査長が淡々と報告する。
「まだ、ってことは今後あるかもしれないってことだろ」
山本彩織巡査長が苦笑しながら口を挟んだ。
「多治見署の小倉署長からも連絡ありましたよ。根古さんの周りが最近、妙に賑やかだって」
雨月は窓の外、多治見方面の空を見上げた。
「根古さん……ね。あの人が絡むと、なぜかいつも話が大きくなる気がするんだが」
そこへ、県警から出向中の安田達郎警視正が、静かに部屋に入ってきた。
「雨月くん、例の外国人グループの件だが」
「はい、警視正。何か情報が?」
安田は一瞬、言葉を選ぶような間を置いた。
「……いや、まだ何とも言えん。ただ、下手に刺激しないように、とだけ言っておく」
雨月は違和感を覚えたが、それ以上は聞けなかった。安田の目が、いつになく真剣だったからだ。




