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「五人、それぞれの道」
数日後、「らくか」に再び五人の女性たちが集まった。あれから、それぞれが静かに考える時間を持っていた。
「私は……NSAの申し出を受けようと思います」
千紗都が、静かに口を開いた。北村と遠藤が、その言葉に小さく頷く。
「情報分析や、語学能力を活かせる仕事だと聞きました。表舞台には出ませんが、それでいいんです」
麻尋も続いた。
「私も、同じ道を。ただし……条件があります。危険な現場作業は、もう二度としません」
北村が真剣な表情で頷いた。
「約束します。あなた方の意志を、尊重します」
一方、由紀子は、少し違う答えを出していた。
「私は……一石さんたちの申し出も、NSAの申し出も、どちらもお断りしようと思います」
一石が静かに尋ねる。
「理由を伺っても?」
由紀子は微笑んだ。
「もう、どんな組織にも属さない生き方を、試してみたいんです。この町で、太田さんのところみたいな、小さな店でも開けたらなって」
太田が驚いた顔をした後、嬉しそうに笑った。
「そりゃあ、いいね。何かあったら、いつでも相談に乗るよ」
杉本と深沢も、それぞれの道を選んでいた。杉本はモサド側の申し出を受け、深沢はNSAでもモサドでもなく、格闘技のインストラクターとして、ひっそりと再出発することを決めていた。
「五人五様、か」秋月が感慨深げに呟いた。「悪くない結末だな」




