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「杉本と深沢」
東京の三人組――西野千紗都、古田麻尋、星野由紀子――には、実はもう二人、かつての「仲間」がいた。杉本幻、二十四歳と、深沢彩織、二十六歳。彼女たちもまた、同じ組織に籍を置いていたが、三人組より一足先に足を洗い、地方に潜伏していた。
多治見からほど近い山間の町で、杉本と深沢は静かに暮らしていた。しかし、三人組の動きが表面化したことで、彼女たちの元にも、思わぬ形で接触があった。
「杉本さん、外に変な男がうろついてます」
深沢が窓の外を見ながら、緊張した声で言う。杉本がカーテンの隙間から覗くと、そこには見覚えのある男の姿があった。佐藤明だった。
「……見つかったか」
杉本の声は、意外なほど落ち着いていた。
「逃げますか」深沢が尋ねる。
「いや」杉本は静かに首を振った。「逃げ続けるのは、もう疲れた。今度は、ちゃんと話をつけよう」




