「四人、方針を固める」
「らくか」に、江戸川、安藤、工藤、秋月が再び集まった。太田も心配そうに話を聞いている。
「情報を整理すると」秋月が切り出す。「三人組は組織から足を洗おうとして追われている。佐藤明はその組織の依頼で、彼女たちを見つけ出そうとしている。俺たちは今、その渦中に巻き込まれつつある、ということだ」
工藤が言葉を継ぐ。
「一石さんの件で手一杯なところに、これですからね……」
安藤が腕を組んだ。
「だが、放っておくわけにもいかんだろう。星野さんの、あの目を見ただろうが」
江戸川が頷いた。
「あの人たち、悪い人には見えませんでした。むしろ、必死に足を洗おうとしてる」
太田が静かに口を挟んだ。
「根古さんに、相談してみたらどうだい。あの人、こういう時、案外良い知恵を貸してくれるから」
その言葉に、四人が顔を見合わせた瞬間、店の引き戸が開き、当の根古が姿を見せた。
「儂の噂かい?」
四人は思わず苦笑した。江戸川が事情を説明すると、根古はしばらく黙って聞いていたが、やがて静かに頷いた。
「……足を洗いたいと願う者を、追い詰める真似は、儂は好かん」
根古の声には、いつもとは違う、静かな決意が滲んでいた。
「儂にできることは限られとるが……力を貸そう。あんたらだけに、背負わせるわけにはいかんからな」
その言葉に、四人はどこか安堵したような、それでいて新たな緊張を覚えるような、複雑な表情を浮かべた。窓の外、多治見の夜は、これまでとは違う緊迫感を纏いながら、静かに更けていった。




