43/54
「佐藤明の依頼主」
一方、工藤と秋月は、佐藤明の背後にいる「東京の組織」の正体を突き止めるべく、独自に調査を進めていた。
「秋月さん、横浜時代の伝手で、少し情報が取れました」工藤が資料を広げる。「佐藤が所属してるのは、表向きは『警備コンサルティング会社』ですが……実態は、裏社会と半分繋がった、便利屋的な組織のようです」
「依頼主は?」
「それが、はっきりしないんです。ただ……」
工藤が資料の一部を指す。
「東京の三人組――西野千紗都、古田麻尋、星野由紀子――彼女たちが以前所属していた組織と、佐藤の組織が、過去に取引関係にあったという情報があります」
秋月が険しい顔で唸った。
「つまり、佐藤は偶然この町に来たんじゃなく、あの三人組を追ってきた、ということか」
「その可能性が高いです。しかも」工藤が声を落とす。「情報屋の話だと、依頼主は『三人組に足抜けされた組織の残党』らしいんです」
「足抜け、か……」秋月が呟いた。「星野さんが言ってた『足を洗いたい』ってのは、そういうことだったのか」




