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第五章 圧力 第二十二話「外務省の影」
同じ頃、東京の外務省の一室では、ある局長が受話器を握りしめていた。
「……はい、承知しております。ですが、大使館側の動きを完全に封じ込めるのは、外交上難しく……」
電話の相手は、どうやら別の省庁の人間らしかった。局長の顔色は、次第に青ざめていった。
「杉原氏の件が絡んでいるとなると、こちらとしても強硬な手段は取りにくい……いえ、決して黙認しているわけでは……」
電話を切った後、局長は深いため息をついた。
「面倒なことになったな……岐阜県警には、とにかく穏便に、としか言えん」
その指示は、県警本部を経由して、可児署の安田の元にも届いていた。安田は文書を見つめながら、独り言のように呟いた。
「穏便に、か。言うのは簡単だがな……」




