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第一章 予兆 第二話「横浜からの休養客」
第二話「横浜からの休養客」
同じ頃、可児市内のビジネスホテルに、もう一組の男たちがチェックインしていた。
工藤俊一、三十二歳。横浜では名の知れた私立探偵だったが、ある案件で心身を消耗し、「休養」という名目でこの土地にやってきた。
「本当にここでいいんですか、秋月さん」
「いいも悪いも、お前が選んだんだろうが」
付き添いの秋月小五郎、四十八歳、元警視庁刑事。工藤の父の代からの付き合いで、定年後は半ば監視役としてついて回っている。
ホテルのロビーのテレビが、地元ニュースを流していた。
『……多治見市内で、見慣れない外国人グループの目撃情報が複数寄せられており……』
工藤の視線が、わずかに鋭くなる。秋月がすかさず釘を刺した。
「工藤、その顔はやめろ。休養だぞ、休養」
「いや、別に……ちょっと気になっただけです」
「その『ちょっと』が一番危ないんだよ、お前は」
工藤は苦笑しながらも、スマホでニュースの詳細を検索し始めていた。




