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第三章 接近 第十三話「斎藤、危険な取材」
ロドリゲス斎藤は、四人には内緒で、単独で位山周辺の追加取材を続けていた。
「これは絶対に大きなネタになる……」
木々の間から祠付近を撮影していると、背後に人の気配を感じた。
振り返ると、そこにはジェイコブ・ラファエルとアンナ・レヴィが、無表情で立っていた。
「あ、あの……道に迷いまして」斎藤が慌てて言い訳する。
アンナ・レヴィが静かにカメラを指差した。
「そのデータを、削除していただけますか」
有無を言わさぬ口調だった。斎藤は冷や汗をかきながら、すぐにデータを消去する。
「も、もちろんです。すみません、悪気は」
ジェイコブが一歩前に出ると、意外にも穏やかな声で言った。
「怖がらせて申し訳ない。ただ、我々の活動は、慎重を要するものでしてね。……YouTuberさん、でしたか」
「え、知ってるんですか、俺のこと」
「有名人ですよ、この地域では」アンナがわずかに口角を上げた。
「今日のことは、動画にはしないでいただけると助かります」
斎藤は何度も頷きながら、逃げるようにその場を後にした。




