11/27
第三章 接近 第十一話「樋口家、大垣にて」
四人は手分けして調査を進めることにした。江戸川と安藤は、依頼人の紹介で大垣の樋口家を訪ねることになった。
古い日本家屋の門をくぐると、樋口家当主と名乗る初老の男が、二人を客間に通した。
「わざわざ多治見から……ご苦労なことです」
「早速ですが」安藤が切り出す。「最近、ご主人が外国人と接触しているという話をお聞きしまして」
樋口家当主の表情が、わずかに強張った。
「……誰からその話を?」
「依頼人のお名前は明かせません。ただ、三柱鳥居に関する何かでは、と」
当主はしばらく沈黙し、やがて重い口を開いた。
「うちには代々、ある約束事が伝わっている。詳しくは言えんが……その約束を果たすべき時が来た、というだけのことです」
「約束、ですか」江戸川が身を乗り出す。
「これ以上は、私の口からは。ただ一つだけ言えるのは……危険なことは何もない。むしろ、逆だ」
その言葉に含みを感じながらも、二人はそれ以上聞き出せず、樋口家を後にした




