第34色 センリ=サクヤ
ユキの魔力を探知出来なくなったのは、一週間前ぐらいかな?
良く覚えてない。
私が、あの時...もっと早くに、探知出来ていたら、少し変ったのかな?
私は、孤児...。
ダンジョン孤児...。
ある日父さんと母さんは、帰って来なかった...。
何日も何日も...。
私は、アオイのお姉さんだから、無理して強がっていたけど、毎日寝れなくて、1人で泣いていたっけ...。
数十日後に、サラ姉が迎えに来てくれた。
私達の父さん、母さんとパーティーメンバーだったサラ姉は、良く遊んでくれて、本当に私達のお姉さんだった。
サラ姉から聞かされた...。
お父さんとお母さんが死んだって...。
すっごく泣いた、泣いて、また泣いて、毎日泣いていた。
気が付いたら、サラ姉が住んでいる街に居た...。
家の外に出るのが怖くて、ずっと部屋に籠って過ごしてた。
私より強いアオイは、心配してくれて、一緒に...傍に居てくれた。
私がお姉さんなのに、ちゃんとしないと行けないのに...。
ある日クレスが訪ねてきた。
お父さんとお母さんの、武器を探して持って来てくれた。
ダンジョンには、死体は残らない。
ダンジョンが吸収するから...。
残るモノは、色付きのカードと、強い魔力が宿った武器や防具だけ...。
サラ姉とクレスは、毎日第2ダンジョンに潜り、他の冒険者にあたって、命を懸けて探してくれた。
父さんの槍と母さんの刀を...。
高レベルの冒険者の武器には、必ずと言っていい程、魔力が宿り、神器に至る。
だから形見にって探し出してくれた。
クレスも同じダンジョンでお母さんを亡くしているらしくて...その時の武器は回収出来ていないみたいだった。
そんな思いをさせたく無くて、探してくれたんだって...。
それから私は泣かない事に決めた。
弱い自分に打ち勝つ為に私は、強くなる事を決意した。
そして父さんと母さんと
同じ攻略を者になる事に決めた...。
クレスと一緒に...次はクレスのお母さんの武器を探す為に...。
生きる為にギルドで働いて、休みにダンジョンに潜ってお金を貯めた。
ダンジョンを攻略するには、資格がいる。
クレスの眷属になったんだから、それでいいと思ったのに、クレスは断固として拒否をした。
三人はいつでも対等だからと...。
生きる為から、訓練校に行く為にお金を貯める事になった。
第一ダンジョンを1年掛けて、やっとクリアして、訓練学校に行くお金も溜まって、少し余裕が出てきた時に、魔力の異常な感知を捉えた。
昔から魔力の反応に敏感だった私は、第1ダンジョンをクリアした時の恩恵で、更に強化された。
異常をサラ姉に伝えて、皆で直ぐにダンジョンに向かった...。
異常な魔力爆発で、稀にダンジョンからモンスターが湧き出る事もあったからだ...。
精鋭を集めて、ダンジョンの入口に向かう。
集中力を高めて、探知の恩恵に集中する...。
綺麗で、でも弱々しい魔力の波動と、邪悪な魔力の波動を捉えた...。
その、綺麗な魔力は次第に強くなり、高まっていった。
ダンジョンの中で、魔力を感じ、捉える事も、難しいノイズの酷い中...魔力で意思の強さ、負けたくない、死にたくない気持ちが、伝わっている気がした。
何かを決意して、覚悟を決めて、守りたい気持ちが...。
私の父さんや母さんの様な、気持ちで戦う人だと直感した。
突然魔力が跳ね上がり、綺麗な魔力は、邪悪な魔力を消した事がわかった...。
勝利したんだ...そしてもう直ぐ出てくる...。
一体...この綺麗な魔力の人は、どんな人なんだろう...。
自分にはない強い心と気持ちを持った人だ...絶対に素敵な人だ...。
ダンジョンの出口に現れた人は、黒髪黒目のショートヘアが良く似合う、少し長身の綺麗なお姉さんだった...。
すぐに、かけ付ける...。
「おい!アンタ大丈夫か!?」
ついつい、いつもの強い口調で威勢を張ってしまう。
「この人をお願いします...。」
こんな命懸けで、人を守り、最後まで相手を思いやる...やっぱりこの人は尊敬出来るいい人だ。
優しく支える...。
後は...任して...。
後ろに背負っていた女性は、凄く危険な状態で、あと少し遅れていたら、命を失っていたかもしれない...。
本当に良かった。
知り合いの宿に届ける...。
この人も私達を子供の頃から知っている。
女将さんの料理は凄く美味しいから街でも人気の宿だ。
部屋に運び服を着替えさせる。
胸が...少しもないな...。
私達は、最近大きくなり過ぎて困ってるのに...。
羨ましい...。
...ホントにない胸に、4人とも疑問にも思わず、脱がせていく。
...さっきサラが言っていたけど、異世界の人かもしれないって...。
持っていた木刀も特殊な魔力を帯びているな...。
神器かな?
「キャーーー」
うん?聞いた事ない悲鳴?...えっ?サラ姉が叫んだの?
...アオイも、クレスもどうしたんだろう?
...其処にはお父さんと同じモノが付いていた...。
...えっ?男っ??
みんな真剣になって見ていた...。
サラ姉だけ凄く顔が赤いけど、大丈夫かな??
男の人はダンジョン攻略は難しい。
お父さんも、探知の能力に優れていたから生き残れていたんだと思う。
お母さんはまだまだ若いけどお父さんは皺くちゃだった...。
この人も直ぐに死んでしまうのだろうか??
力の弱い父さんでも、母さんを本当に大切に想っていて、守ってあげたいって、いつも言っていたっけ...。
この人も...。
この人もそうだったらいいな...。
サラ姉の頼みで、新人の子を面倒見てあげる事になった。
いくら探知出来るっていっても、壁から湧き出ると対処できない。
急に敵に襲われ事もあるダンジョンで、人の命を守るのは難しい。
サラ姉は何がしたいんだろう...。
集合場所にいたのは、あの男の子...。
本当に綺麗な女の子みたいな男の人がいた。
...クレスばっかり話して...。
私も話したいな...。
さっきの自己紹介も緊張しすぎて、素っ気なくなってしまった。
怖く人だと思われたらどうしよう...。
でも男の子と話すのは、初めてで緊張しちゃう。
でも気になって横目でチラチラ見ちゃう...。
...鐘の音が聞こえた...。
時間になった。
ダンジョン内も夜になり、洞窟の魔力の気配が大きくなっていく。
...多い...。
どうしよう...。
普段はこんなに纏まって現れない...。
私が守らないと...。
皆もあのユキって言う男の子も守らないと...。
絶対に死なせてしまう。
さっきから見ていたけど、彼は私と同じ、魔力や気配を感じる力を持っているかもしれない。
無意識なのか、気配に敏感肌なのか...。
すると、ユキ君の綺麗な魔力の気配があの時みたいに、次第に強くなり、高まっていく...私達を守ろうとしてくれてるんだ...。
本当に勇気がある人...お父さんみたいだ...。
...信じなきゃ...一緒に戦わなきゃ...。
クレスの、発言に少し被せ被せ気味に言っちゃたけど...緊張して呼び捨てで、言っちゃったけど...。
ユキ君は...凄い...気配だけじゃない...みんなの動きをマネしたり、魔力の強さもマネして、次第に強くなっていく...だからサラ姉は私達と一緒に攻略させたんだな...。
...恰好いい...。
戦闘が終了すると、今までの緊張が嘘の様に...自然に話せる...口調はクレスに話すみたいに、強めになっちゃうけど、楽しそうに話してくれる。
すりと突然...アオイがユキ君の胡座をかいた膝の上に座った...。
えぇーーっ!?
あの子強かったり、気が合う子にはジャれたり、甘えたりするけど、男の子だよ!
...でも...羨ましいにゃ...。
はっ!猫みたいな言葉は、訓練次第で使えなく出来るけど、油断すると稀に出てしまう...。
お母さんは普通にいつも使っていたけど...。
私もいつか甘えてみたいにゃ...。
ユキが、居なくなってから毎日思い出して、考えてる...。
...あの時私も撫でて貰いたかったな...。
今では、すっかり呼び捨てに、なってしまってるけど...。
ここ数日で、心を許せる仲間も増えて、守りたい人が沢山出来た。
お父さんみたいに、ユキみたいに私も頑張ってみたい...。
今まで感じた事がないぐらい強い魔力の塊を感じる...。
どす黒い悪意...全種族の共通の敵...。
ユキは必ず駆け付けてくれる...。
ユキなら皆を救うはずだ...。
戦いは明日...全戦力で戦う...。
私達の手で街を守るんだ...。
もし守れたら...御褒美に撫でて欲しいにゃ...。
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