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第33色 エリーゼ=ウィロード



 ユキ様が居なくなって、早1週間...。


 神殿に数日かけて、魔導書の付与を得る為に旅をして、着いて数時間でユキ様の所在を確認出来なくなりました。


 サクヤさんがユキ様の魔力を感じる事が出来なくなった事が、事の発端に至りました。

 マーナさんと別れて、直ぐに私達は、神殿内を30分だけ探索するつもりが、ユキ様は、30分経っても帰ってこなかった...。

 神殿には、魔力を捉える装置があり、出入りする人を調べる事が出来るそうですが、そのリストには、ユキ様が出ていった記録はなかった、そうです。


 みんな必死に探しましたが、なんの手掛かりも見付かりませんでした。

 サクヤさんの探知の恩恵とアオイさんの匂いの追跡で、最後まで居たであろう部屋迄は、分かることが出来ました。


 その部屋は、神殿の奥深く...。

 普段は封印され、人が立ち入る事が出来ない場所でした。

 クルヤタナ大陸を守護するシュラバナ=テン様の石像が祀られている部屋...。

 その部屋で匂いは途切れているそうです。


 この部屋を解除して、入る事が出来るのは、大神官様だけだそうで、大神官様の契約神紋...守護紋と呼ばれる神紋がないと入れない場所で、大神官の地位に就いた時の儀式で守護紋を得たそうです。

 大神官様でも、シュラバナ=テン様にはお会いした事がないそうで、毎日この部屋に入り、石像にお祈りをしているそうです。

 稀にシュラバナ=テン様の声が聞こえる事があり、災害などの予知が聞こえることがあるそうです。

 そんな部屋でユキ様は居なくならりました。


 大神官に就いて三百年、1度もこんな事はなかったそうです。


 数日前にサラ様も駆け付け、大神官様と話をされていましたが、結局何の手掛かりも無かったそうです。


 唯一の手掛かりは...。

 マーナさんとマーカラさんの契約神紋の存在でした...。

 2人は、眷属神契約と呼ばれる特殊な契約を結んだユキ様の眷属になっていて、契約者2人の魂が結びつき、死なない限りなくならないものらしいです...。

 マーカラさんの神紋はヴァンパイアに伝わる特殊な物で、特定の相手の血を大量に摂取する事で、マーカラさんだけに刻まれる、神紋だそうです...。


 ...たった数日で今は無くなってしまった、古代魔術契約の眷属神契約を2人も...サラ様と大神官様は呆れていました。

 でもマーナさんとマーカラさんの涙は、心から信頼した人に向けての、愛情の涙でした。


 その気持ちは、本当にわかります。

 私もユキ様と1つに成れるなら、迷わず眷属神契約をしていたと思います。

 お母様から内緒話で聞いたのですが、私を眷属にして下さるとお聞きしていました。

 2人の話を聞いて...少し嫉妬してしまいました。


 私とは、キスまでしたのに...。


 ユキ様は、私を命を懸けて助けてくれました。

 無謀にも、自分に合わない攻略をして、騙され、失うはずだった命を...。

 自分の命を懸けて...。

 守って頂きました。


 優しく抱きしめられながら、口移しでポーションを飲まして貰い傷を癒して頂きました。

 夢や幻に違いないとその時は、思っていましたが、あとからサラさんに聞いて、顔から火を噴いたのは、今でも良い思い出です。


 私は命を懸けて守られた事が何度もあります。

 親友のオルテッサに何度も助けられました。

 英霊の子孫なのに、どん臭い私を何度も...。


 彼女は、最後まで「大丈夫、私がアナタを守るから」と、言ってくれていました。

 最後の最後まで...。


 助けられたから好きになった訳では、ありません。

 心から惹かれて、力になりたいと思ったからです。

 オルテッサの様に、私も大切な人を守りたいと感じました...。


 昨日の朝、大神官様から、シュラバナ=テン様からお告げがあった、と聞かされました。


 その内容を聞き...直ぐに皆で街に向かいました。

 マーナさんだけ、神殿に残して...。


 残すとなった時は、マーナさんから猛反発がありましたが、ユキ様の名前が出ると渋々、了解を得れました。

 ユキ様は、すぐに帰って来て頂けます。

 その時に神殿に誰も居ないのは、悲しすぎますからね。


 港町アルケント...。

 私の生まれ故郷で、母が治める街...。


 今その街が危機に瀕しています。


 街にゴブリンの軍勢が押し寄せています。

 そう軍勢...。

 ゴブリンは、稀に神化する事で位が何段階も上がります...。

 ユキ様が、倒したホブゴブリンもナイトゴブリンも上位種になりますが、軍勢を指揮できるのは、超希少種のゴブリンキング...ランクはD++と、この大陸では最大級の強さになります。


 軍勢は、1000匹以上になります...。

 今も増え続けているそうです...。

 オスであるゴブリンキングの発生があると、数は爆発的に増えます。

 確認されている上位種の数が、キング1、ナイト10、メイジ20、ホブゴブリン500...。


 メイジは魔法が得意なゴブリンでランクはDで、多種多様の魔法を使うモンスターで、稀に魔導書を付与されている事もある希少種です。

 これだけの数は、国の抱える正規の軍に匹敵するそうです。


 圧倒的にモンスターの戦力が高い状況...。

 おばぁ様の治める聖地グレンデールも、ゴブリンの襲撃を受けているそうで、おばぁ様も救援にはこれません。


 ノルトの援軍も間に合うかどうか...期待は、出来ません。

 私達だけで何とかするしかない状況です。

 攻略者、冒険者合わして100足らず...。

 高レベルのサラさんでも、この状態はなかなか厳しいそうで、マーカラさんとお母様と一緒に会議をされています。


 私に力がもっとあれば...。

 ユキ様に教えて頂いている、大剣術はまだまだで、おばぁ様の大剣使いに比べると絶望的です。


 でも私は逃げたくない...。

 街を、皆を守りたい...。

 ユキ様は、皆を当たり前の様に守ります。

 巷では、勇者なんて呼ばれているそうです。

 初めて聞いた時には、ピッタリ過ぎて笑っちゃいました。


 女性が圧倒的に、強い世の中で、魔力量も違いがあるはずなのに、ユキ様は絶対に諦めない。


 オルテッサ...お願い...私に力を貸して...。

 私も諦めたくなんてない。


ご愛読頂いて誠に有難うございます。

ブックマークありがとうございます。

評価も有難うございます。

本当に嬉しいです。


これから、投稿する時間が少しズレが出ると思います。

宜しくお願いします。

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