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男が最弱な異世界。それでも最強を手に入れる。  作者: CHIKAY
Lv.0 tone ~始まりの異世界~
17/62

第16色 マーナ+英雄


 絶対絶命...。


 それは、こんな状態を言うのかもしれへん。


 大神官(クソババア)の使いで、カトヤル山の麓に、とある鉱石を取りにきただけやったのに...。


 どうしてこうなった...。


 今思うと我ながら、最低の奇跡を連発したと思う。


 山道を10分ぐらい進んだ所で、滅多に手に入らへんキノコを見つけ、目が眩み…。

 道から外れて、奥に入っていき...。


 足を滑らせて崖に落ちる…。

 そして足を痛めて20分程、彷徨(さまよ)った所で…。


 今に至る…。


 神官達の噂話ぐらいには、聞いていたけど、こんなにも簡単に...危機に直面するとは思わんかった。


 ホブゴブリン...Gランクのゴブリン上位種...。

 ゴブリンよりは、大きく...1mと少しぐらい...。

 一匹の強さはFランクだが、軍隊...(さなが)らの連携は、目を見張る物があり、数十匹だとEランク相当の強さに分類されるんだとか...。


 ホンマに...最低に運が悪い...。


 気が付いたら...囲まれてた...。

 数は、10...。


 逃げ切れると思って、走り出したら更に1匹出てきて、右肩を鈍器の様なもの?

 …よく見ると汚い石だ。


 ...アイツ絶対に呪ってやる。


 利き腕は、使えへん...。

 引き金を弾けないし、腕が上がらん。

 痛みで魔力を集中出来ひんから、威力があがらんし、牽制にしか使えへん...。


『ランツ!ヤバイかもよ!?

 どうする?どうする?』


『.........無理』


 ...コイツら...。

 この神器は、《 ランツ&ネピト》珍しい二丁拳銃の神器...。

 扱いが難しくて、2人で1人...。

 1人だけでは、蚊も殺せない...マジでコイツら使えへん。


 最大魔力で走っていたが、逃げれる素振りはまったくない。

 逃げ道を塞がれ追い詰められてた...。

 背中にには、岩壁...。

 行き止まりだ...。


 少し小腹が空いていただけや...。

 香りの誘惑に少しだけ負けただけや...。


 でもあの鼻の奥をかき立てる...清々しくも、爽やかな香り...。

 他の食材の良さを無くさず...引き立てる...あの感覚…。


 あぁお腹すいた…。


 でも命をかけるのは、ちょっと…。

 なんとか切り抜けないと確実に死ぬ。

 こんな若くてピチピチな美味そうなウチを、こいつらは見逃すはずがない...。

 絶対の絶対の絶命…。


 まだ死にたくない。

 死んでたまるかっ!?

 まだまだ、食べたい物が沢山あるし...。

 恋愛だってしてみたい...。


 ...王子様...来へんかな...。


 もう魔力も尽きそうや...。


 ウチが好きな本は、王子様が助けに来てくれる...。

 ギリギリのピンチに颯爽と駆け付けてる...。

 白馬に乗ってたり、乗ってなかったり...。

 駆け付けて、抱きしめて、キスしてくれる...。

 ウチの夢...。

 そして叶わへん夢...。


 ...周りの男は、まったくあかん...。

 努力する事を諦めて...自分の人生に興味をなくしとる...自己主張せえへん...あれは...今の現状に満足しとる...。


 トキメかへん...。

 全然トキメかへん...。


 死にたくない。

 まだ死なれへん...。


 足掻いたる...。

 こんな奴等消し飛ばしたる...。

 利き手を使えへんくても...左が使えへんくても、喉元に噛み付いたる...。


『ランツネピト...《 ツヴァイヘンダー》いけるか?』


『ランツいける?いける??』


『......可能』


 ...よし...。

 最後の魔力でキメたる...。

 両手で持つのもキツイけど、諦めて死ぬぐらいやったら無様でも足掻いたる...。


「頼む!!」


『『コンビネーション』』


 2人の特殊な能力の1つ、2丁の拳銃のグリップエンドの部分が合わさり、両刃の剣に変わる...。

 グリップが柄に変わり、引き金が一つになる。

 所謂(いわゆる)ガンブレードってやつだ...。


 一撃でキメる...。

 魔力を込めて、刀身を真上に向けて引き金を引くで。


「神技《 流星(メテオール)》」


 神紋が光る...。

 神紋の意味は、野望(エーアガイツ)...。

 皮肉過ぎる...。

 けどウチには、丁度良い。


 大きな望みを抱いて何が悪い...。

 トキメキたいねん!!


 空に撃ち放たれる魔力の塊。


 光の魔力の塊は、砕けて小さな光の星となり、敵に向かって落ちた。


 小さな星は自動追尾で敵を討つ...。

 10匹居たホブゴブリン達の急所までとは、言わへんが、1匹に2、3発の風穴あけたった...。


 ...いける!!

 魔力切れ寸前だが、走る気力は、まだまだある。


 通り過ぎ様に、届く範囲のホブゴブリンの首を跳ねる。


 ...ホンマにクソ重い剣やで...。

 ウチは、ガンナーやっちゅうねん。


 囲まれた包囲網を抜ける。

 機動力を削がれた奴が殆どで、追いつかれない。


 ...楽勝...。

 ウチも捨てたもんやないよな...。

 ...クソババア...マジ覚えとけよ...。

 絶対に文句言ったるからな...。


 これで生きれる...。

 まだまだやり残した事が、沢山あんねん。

 こんなアホみたいな所で死んでたまるか!!


 今は神官やけど、お金貯めて訓練校行って、ダンジョンに潜って、神格あげて...。

 第4大陸に...そこには、恰好良い男が沢山おるはずや...。

 本の中の王子とまでは、行かへんけど...。

 姫様を守る勇者みたいな英雄が...。


 ...そういえば、第一ダンジョンの噂...。

 あれホンマなんかな...ウラヤマシイ...。


 あぁー早く理想の男性が現れへんかな...。

 野望は、叶えるためにってね...へへ


 ガッ!!!



 ...えっ!!?



 突然の衝撃に意識が追いつかない。

 頭に何が当たった...。


 フラつきながら、転ぶ...。


 転んだ先には、さっか射抜いたホブゴブリン達が目に写る...。


 ...アイツ等は動いてない...。


 ...一体誰が...。


 ド!!



 胴体に重い一撃が入り体が浮く...。


「がっ!ゴホ...ゴホ」


 吹っ飛び...勢いをつけ転がる。


 ......。


 ...見えた先には、別のホブゴブリン達が居た。

 数は、20はいる...。

 その中に別のデカイ個体が見えた。

 ゴブリンの希少種...。


 ナイト...ゴブリン...。


 ホブゴブリンより更に大きく、大型の人種(170cmぐらい)ほどあり、重装備の鎧と身の程もある大剣を装備している。

 希少種のランクはD...。

 絶対に勝てない相手...。


 ナイトは、動かずにホブゴブリンに指示をだした。

 動くホブゴブリン...。


 あかん...指は、一本も動かんし、頭もフラフラする...。

 あかん...もう死んでしまうんかな...。


 いや...まだ死にたくない...。

 嫌や、嫌や、嫌や...。


 ホブゴブリンは、手に持つ、木で出来たこん棒を振り上げた...。


『...ランツネピト...。

 ごめん...死ぬみたいやわ...。』


『マーナ死ないで!!

 ヤダ、ヤダっ!』


『.........』


 ...短い人生やったな...。


 目を瞑り...身構える...。



 ヒュ...


 ゴト...



 ...?


 何かが落ちる音が聞こえる...。


『...えっ?』


『...大丈夫...。

 何とかトーカの持ち主が、間に合ってくれた...。』


 ...トーカ...??


「すいません...遅れてしまいました...。」


 優しく抱き起こされる...。


 温かい...。


 ...ゆっくり目を開ける...。


「よかった...間に合った...。

 これ飲めますか?大丈夫ですか」


 優しく抱きしめられながら、その人は口で瓶を開けてポーションとエーテルを飲ませてくれる。


 痛みが段々引いてくる...。


『トーカトーカトーカ!!』


『ちっ!うるさいっ!ネピト相変わら騒がしいわね...。

 ランツ1つ貸しよ!』


『...有難う...必ず...返す』


 ...ランツネピトの知り合いだろうか...。

 優しく抱き起こされ...お姫様抱っこされて運ばれる...。


 優しく包まれている...。

 魔力なのか...薄く白く輝いている...。



 岩陰に運ばれ...。


「...すいません...遅れてしまって...。

 少し待っていて下さい...。

 片付けてきます...。」


 ...えっ!?

 今何て言った...?


「あ、あの「俺が貴方を守ります」」


 えっ?えっ?えっ?


 ヤバイ頭を打ったからか意識が追いつかない。

 今あの人は何ていった?


 ...片付ける?...守る?


 戦う...。


『大丈夫...。

 トーカの主人に任せよう...。

 あの木刀は、英雄にしか扱えない...。』


 離れていく。

 英雄...。


「女に手を上げるクズは、殺す...。」


 長身で、ちょっとハスキーな声の黒目黒髪の木刀を持った...美少女がウチを助けてくれた...。


 これがウチとユキの初めての出会い...。

ご愛読頂いて誠に有難うございます。

ブックマークありがとうございます。

評価も頂ければ幸いです。


明日も同じぐらいの時間に投稿致します。

そろそろ毎日投稿出来なくなってきます。

スンマセンっ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


宜しくお願いします。

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