第16色 マーナ+英雄
絶対絶命...。
それは、こんな状態を言うのかもしれへん。
大神官の使いで、カトヤル山の麓に、とある鉱石を取りにきただけやったのに...。
どうしてこうなった...。
今思うと我ながら、最低の奇跡を連発したと思う。
山道を10分ぐらい進んだ所で、滅多に手に入らへんキノコを見つけ、目が眩み…。
道から外れて、奥に入っていき...。
足を滑らせて崖に落ちる…。
そして足を痛めて20分程、彷徨った所で…。
今に至る…。
神官達の噂話ぐらいには、聞いていたけど、こんなにも簡単に...危機に直面するとは思わんかった。
ホブゴブリン...Gランクのゴブリン上位種...。
ゴブリンよりは、大きく...1mと少しぐらい...。
一匹の強さはFランクだが、軍隊...宛らの連携は、目を見張る物があり、数十匹だとEランク相当の強さに分類されるんだとか...。
ホンマに...最低に運が悪い...。
気が付いたら...囲まれてた...。
数は、10...。
逃げ切れると思って、走り出したら更に1匹出てきて、右肩を鈍器の様なもの?
…よく見ると汚い石だ。
...アイツ絶対に呪ってやる。
利き腕は、使えへん...。
引き金を弾けないし、腕が上がらん。
痛みで魔力を集中出来ひんから、威力があがらんし、牽制にしか使えへん...。
『ランツ!ヤバイかもよ!?
どうする?どうする?』
『.........無理』
...コイツら...。
この神器は、《 ランツ&ネピト》珍しい二丁拳銃の神器...。
扱いが難しくて、2人で1人...。
1人だけでは、蚊も殺せない...マジでコイツら使えへん。
最大魔力で走っていたが、逃げれる素振りはまったくない。
逃げ道を塞がれ追い詰められてた...。
背中にには、岩壁...。
行き止まりだ...。
少し小腹が空いていただけや...。
香りの誘惑に少しだけ負けただけや...。
でもあの鼻の奥をかき立てる...清々しくも、爽やかな香り...。
他の食材の良さを無くさず...引き立てる...あの感覚…。
あぁお腹すいた…。
でも命をかけるのは、ちょっと…。
なんとか切り抜けないと確実に死ぬ。
こんな若くてピチピチな美味そうなウチを、こいつらは見逃すはずがない...。
絶対の絶対の絶命…。
まだ死にたくない。
死んでたまるかっ!?
まだまだ、食べたい物が沢山あるし...。
恋愛だってしてみたい...。
...王子様...来へんかな...。
もう魔力も尽きそうや...。
ウチが好きな本は、王子様が助けに来てくれる...。
ギリギリのピンチに颯爽と駆け付けてる...。
白馬に乗ってたり、乗ってなかったり...。
駆け付けて、抱きしめて、キスしてくれる...。
ウチの夢...。
そして叶わへん夢...。
...周りの男は、まったくあかん...。
努力する事を諦めて...自分の人生に興味をなくしとる...自己主張せえへん...あれは...今の現状に満足しとる...。
トキメかへん...。
全然トキメかへん...。
死にたくない。
まだ死なれへん...。
足掻いたる...。
こんな奴等消し飛ばしたる...。
利き手を使えへんくても...左が使えへんくても、喉元に噛み付いたる...。
『ランツネピト...《 ツヴァイヘンダー》いけるか?』
『ランツいける?いける??』
『......可能』
...よし...。
最後の魔力でキメたる...。
両手で持つのもキツイけど、諦めて死ぬぐらいやったら無様でも足掻いたる...。
「頼む!!」
『『コンビネーション』』
2人の特殊な能力の1つ、2丁の拳銃のグリップエンドの部分が合わさり、両刃の剣に変わる...。
グリップが柄に変わり、引き金が一つになる。
所謂ガンブレードってやつだ...。
一撃でキメる...。
魔力を込めて、刀身を真上に向けて引き金を引くで。
「神技《 流星》」
神紋が光る...。
神紋の意味は、野望...。
皮肉過ぎる...。
けどウチには、丁度良い。
大きな望みを抱いて何が悪い...。
トキメキたいねん!!
空に撃ち放たれる魔力の塊。
光の魔力の塊は、砕けて小さな光の星となり、敵に向かって落ちた。
小さな星は自動追尾で敵を討つ...。
10匹居たホブゴブリン達の急所までとは、言わへんが、1匹に2、3発の風穴あけたった...。
...いける!!
魔力切れ寸前だが、走る気力は、まだまだある。
通り過ぎ様に、届く範囲のホブゴブリンの首を跳ねる。
...ホンマにクソ重い剣やで...。
ウチは、ガンナーやっちゅうねん。
囲まれた包囲網を抜ける。
機動力を削がれた奴が殆どで、追いつかれない。
...楽勝...。
ウチも捨てたもんやないよな...。
...クソババア...マジ覚えとけよ...。
絶対に文句言ったるからな...。
これで生きれる...。
まだまだやり残した事が、沢山あんねん。
こんなアホみたいな所で死んでたまるか!!
今は神官やけど、お金貯めて訓練校行って、ダンジョンに潜って、神格あげて...。
第4大陸に...そこには、恰好良い男が沢山おるはずや...。
本の中の王子とまでは、行かへんけど...。
姫様を守る勇者みたいな英雄が...。
...そういえば、第一ダンジョンの噂...。
あれホンマなんかな...ウラヤマシイ...。
あぁー早く理想の男性が現れへんかな...。
野望は、叶えるためにってね...へへ
ガッ!!!
...えっ!!?
突然の衝撃に意識が追いつかない。
頭に何が当たった...。
フラつきながら、転ぶ...。
転んだ先には、さっか射抜いたホブゴブリン達が目に写る...。
...アイツ等は動いてない...。
...一体誰が...。
ド!!
胴体に重い一撃が入り体が浮く...。
「がっ!ゴホ...ゴホ」
吹っ飛び...勢いをつけ転がる。
......。
...見えた先には、別のホブゴブリン達が居た。
数は、20はいる...。
その中に別のデカイ個体が見えた。
ゴブリンの希少種...。
ナイト...ゴブリン...。
ホブゴブリンより更に大きく、大型の人種(170cmぐらい)ほどあり、重装備の鎧と身の程もある大剣を装備している。
希少種のランクはD...。
絶対に勝てない相手...。
ナイトは、動かずにホブゴブリンに指示をだした。
動くホブゴブリン...。
あかん...指は、一本も動かんし、頭もフラフラする...。
あかん...もう死んでしまうんかな...。
いや...まだ死にたくない...。
嫌や、嫌や、嫌や...。
ホブゴブリンは、手に持つ、木で出来たこん棒を振り上げた...。
『...ランツネピト...。
ごめん...死ぬみたいやわ...。』
『マーナ死ないで!!
ヤダ、ヤダっ!』
『.........』
...短い人生やったな...。
目を瞑り...身構える...。
ヒュ...
ゴト...
...?
何かが落ちる音が聞こえる...。
『...えっ?』
『...大丈夫...。
何とかトーカの持ち主が、間に合ってくれた...。』
...トーカ...??
「すいません...遅れてしまいました...。」
優しく抱き起こされる...。
温かい...。
...ゆっくり目を開ける...。
「よかった...間に合った...。
これ飲めますか?大丈夫ですか」
優しく抱きしめられながら、その人は口で瓶を開けてポーションとエーテルを飲ませてくれる。
痛みが段々引いてくる...。
『トーカトーカトーカ!!』
『ちっ!うるさいっ!ネピト相変わら騒がしいわね...。
ランツ1つ貸しよ!』
『...有難う...必ず...返す』
...ランツネピトの知り合いだろうか...。
優しく抱き起こされ...お姫様抱っこされて運ばれる...。
優しく包まれている...。
魔力なのか...薄く白く輝いている...。
岩陰に運ばれ...。
「...すいません...遅れてしまって...。
少し待っていて下さい...。
片付けてきます...。」
...えっ!?
今何て言った...?
「あ、あの「俺が貴方を守ります」」
えっ?えっ?えっ?
ヤバイ頭を打ったからか意識が追いつかない。
今あの人は何ていった?
...片付ける?...守る?
戦う...。
『大丈夫...。
トーカの主人に任せよう...。
あの木刀は、英雄にしか扱えない...。』
離れていく。
英雄...。
「女に手を上げるクズは、殺す...。」
長身で、ちょっとハスキーな声の黒目黒髪の木刀を持った...美少女がウチを助けてくれた...。
これがウチとユキの初めての出会い...。
ご愛読頂いて誠に有難うございます。
ブックマークありがとうございます。
評価も頂ければ幸いです。
明日も同じぐらいの時間に投稿致します。
そろそろ毎日投稿出来なくなってきます。
スンマセンっ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
宜しくお願いします。




