第15話 調理休憩
タコ・昆布を鍋に入れ、手持ち無沙汰になった学長は酔っ払い達のいるこたつへと向かった。
「やぁちくわさん。今日はどれくらい吞んでるんだい?」
その学長の問いにちくわは、空の瓶を指さしながら答える。
「ん~?今、えーっと、樽1つと・・・6瓶目空けたところかし?これが12本に見えなきゃ酔ってないし!」
瓶は3本である。
「・・・ここにある瓶を見て言っているのであれば、3本ですが。十分酔っていますね?」
「・・・いや、そんなことはないし。まだ吞んでも問題ないし。」
その言葉に学長は眉をひそめながら言う。
「そう言って呑み続けた結果、完全に出来上がって成層圏まで吹っ飛ばしたことを忘れたんですか?あれがしんさんだったから無事帰ってきましたが、四変王以外だったら重傷ですよ、重傷。」
通常、生身で10㎞以上垂直に飛ばされれば、無事ではない。生還できる時点で十分人外である。
「んぁ・・・そう言われると、流石に拙い気がしてきたし・・・解毒・・・ふぅ。頭すっきりだし。あ、本当に3本だったし。」
解毒により酔いを消し去ったちくわを見て、すでに酔いつぶれていたあるが起き上がって文句を言う。
「ちくわさん?そんなことできるならやってくれたっていいじゃないですかぁ・・・うっぷ・・・気持ち悪い・・・」
「あ、忘れてたし。解毒!セレネはどうするかし?」
「んぇ?私ぃ?私はやらなくていいよぉ~せっかく酔ってるのに飛ばしたらもったいないし~」
「ならいいし。」
ふと、何かに気付いたのか、すでに酔っぱらっていた漁師さんが学長に訊ねる。
「なぁこーあん、鍋見てなくて大丈夫なのか?焦げたり溢れたりは・・・」
「ん?あぁ、大丈夫大丈夫。あんなんでもただの鍋じゃないからね。保温効果くらいあるさ。炎も物理的な炎じゃなくて術的な炎だし。」
その言葉に、関心したような反応をおこたは示す。
「はぇー。そんなのまであったんですね。術って興味深いなぁ・・・」
「あぁ、おこたさんの出身世界ではないんでしたっけ?まぁその分こっちより科学は発展しているようですが・・・」
「発展してるっていっても、たいして変わらないけどねぇ・・・それに、ダンジョンができた今、どうなってることやら・・・」
「おこたさんの出身世界、こっちから干渉しようとしても弾かれるんですよねぇ・・・可能であれば帰らせてあげたいんですけど・・・管理者として面目ない。」
「いやいや、明らかに超常的な現象が起こってたんだ。それに、管理者の名前はこちらとおなじリズだったし、なにか意味があるのかもしれないしね・・・」
「うーむ。なおさら私が干渉しなければならない気がするんですがねぇ・・・力不足です・・・あ、ちくわさん、そこで酔いつぶれて寝てるTKCさんにも解毒お願いします。」
「あーい。解毒」
「んぁ・・・あぁ・・・そうだったそうだった。おはよ・・・」
「全く、食事始まる前から酔いつぶれるってどうなってるんですか、もう・・・」
そんな学長の言葉にTKCは悪びれもなく言う。
「いやぁ・・・だってここ、時空歪んでるじゃん?時間いっぱいあるっぽいし、日々の疲れを、ね?」
「んー、まぁ、多少は歪んでますが・・・」
「倍になることを多少とは言わないと思うよ?」
その言葉に、学長は首を少しかしげながら言う。
「ほぼ止まっている場所もあるからねぇ・・・」
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