第13話 理由
藍田君は首をかしげる。・・・橙木君は寝てるな?
「わかったって、何がですか?」
「その人と、シックスカラーズの5人が入れ替わってしまったんじゃないか、ってね。」
「そんなことがあり得るんですか?」
「本来はあり得ないんだけど、桜の術と灰の術、それに赤が持ってた八咫の秘宝があれば異界とつなぐことくらいできそうだし、その人が出たのが60層であれば、攻略に詰まってなんかしでかした疑惑もあるんだよね。で、その余波で消し飛んだ緑だけが死んで地上に、ってところかな。だから灰のたくらみは暴かれず、傀儡も解けず反対派の先代当主達はほぼすべて衰弱死。私と5対1で戦っても負けるような力不足な奴らが当主になった、ってわけ。七色は弟とか叔父とか先代が出張ってきてどうにでもなったんだけどねぇ・・・」
「なるほど・・・」
「で、さっきっから人間かどうか疑ってる異界の人間が神名さんってわけ」
「え!?あの人がそうだったんですか!?」
「そうそう。あの人がね、その別の世界の最強集団の参謀的存在で、トップが討ち死にした結果自分が行くしかないって思って突っ込んだらしいよ。たぶんその世界は妖魔・・・まぁ、モンスターに支配された世界になってるだろうなぁ・・・」
「ところで、さっき冷や汗かいたって言っていたのはどういうことです?」
「あぁ、神名さんがめっちゃ消耗した状態の残りかすみたいな攻撃を耐えるのに私が必死だったって判明したんだよね。まぁ、この世界では世界に満ちる力が違うのか、最大が1000なのに対して1時間で1しか回復しないらしいけど。」
「はぁ・・・そんなことがあったのですね・・・ところで、学長がアゲハちゃんに修行つける理由まだですか?」
「うん?もう話したじゃないか」
「え?」
「橙木君の両親は赤羽先代当主を探してダンジョンに潜っている。で、私たちが煽らなければいなくならなかったかもしれない。そう考えると、橙木君が寂しい思いをしているのは私のせいと言えなくもないだろう?だから、修行を受けたいというのであれば、私は修行をつけるさ」
「・・・じゃぁ、私じゃなくってアゲハちゃんに学長の後を継がせればいいんじゃないですか?」
「え?やだよ。橙木君の両親に怒られちゃう」
「・・・私の親は怒らない前提ですか?」
「うん?そうだよ?橙木君の両親が怒るのは、橙木家の後を継がせるつもりだったのにどうしてくれる!ってことだし。藍田君の家は伝承していないだろう?だから問題ないさ。」
「あぁ、そういうことですか・・・でも、私じゃなくて他の人でもいいんじゃないですか・・・?」




