第12話 異界の住民の事情
私の言葉に、雷神招来の威力を付近で感じていた藍田君が目を見開く。
「ぅえ?それ、本当に人間ですか?神降ろしって、この間ディルを殺したって言ってたあれですよね?すんごい雷が落ちてましたけど、あれ生きて耐えれるのって・・・本当に人間ですか?」
「まぁ、あの時の10倍くらいの威力叩きこんだんだけど、生き残っててねぇ。しかも反撃してきたわけだ。その時のあの人の台詞がね。『忌々しい妖魔の主め!ここで刺し違えてでも秩序を取り戻す!』だったわけよ。もうね、私は、これはなにか勘違いをしているな?と思って捕縛に切り替えたんだけど、これがまた面倒でさ。せっかくいろんな方法で縛り付けて意識以外封印したんだけど、話しかけるために念話つないだら『私は屈しない!絶対に!』とか言ってたから、下に残ってる人がいないことを確認してからここでの説得はあきらめて転移魔方陣で地上に帰ることにしたんだよね。また気絶した5人は荷物のように引きずりながら」
「はぁ・・・捕縛できたんですか。」
「まぁ、捕縛できたのにも色々理由があったって後から判明して冷や汗流したんだけど、地上に出てすぐ、その謎の存在は静かになったんだ。」
「・・・出せたってことはモンスターじゃなかったんですね」
「そうそう。で、話を聞くとどうやら別の世界の住民っぽいんだよね。でも話は早々に切り上げなきゃいけなくなったんだ」
「え?どうしてですか?それ以上大事なことなんて・・・」
「張ってた駆逐さん達に、『緑川当主以外のシックスカラーズを知らないか』って問われたんだよ。私としては、出る前にいないか確認してきたから、知らないしいないはず、って答えたんだけど、緑川当主以外戻ってきてないって言われて私はまたダンジョンの奥に逆戻り、でも魔力は見えない。だからその別世界の住民に話聞いたんだけど、その人の世界では2014年1月1日にリズが現れて、管理者宣言して、すべての知的生命体にランダムに総魔力量と適正値とやらを配って、各地に配置した割れ目から妖魔が湧き出るようになってたんだって。で、その人は2年近くかけて人類が生存権を狭めた最大の要因である一番大きい割れ目にたどり着いて、壊そうとしても壊せなかったから、内側から壊してやろうと一か八か飛び込んだらしいんだよね。で、気付いたらダンジョンの60層、ってわけ。」
「はぁ・・・別な世界・・・」
「そこで、私はひらめいた、というかわかっちゃったんだよね」




