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一方通行
「斜め向かいに住んでるSさんのこと、どう思う?」
「どうって、具体的にどういう意味ですか?
Sさんが不審者かどうか、ということですか?」
「そうだよ、絶対に怪しい」
私はずっとSのことを怪しいと思っていた。
どれくらい怪しい人物かを説明してみせた。
まず、いつも一人で2階の部屋にこもりっきりのようで、窓をあけることすら稀なこと。
当然カーテンはいつも締め切っている。
それにたまに変な音がするのだ。
どしんばたん。
何かを転がすような物音。
到底普通の生活音とは思えないような、何かと何かがこすれる音。
そして時折、大声で叫んでいるような声も聞こえてくる。
たまに外に出ているが、その容貌も恐ろしいものがある。
まず目つきも悪く、猫背でボロボロのTシャツを着ている。
どんな仕事をしているかも不明だ。
「なぁ、どう思う?不審者だろうか?
俺どうすればいいと思う?」
「情報が不足していて私には判断できません」
「君って、いつもそういう回答しか返してくれないね」
それでも私はAIへの相談をやめられずにいる。




