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冴えない魔女の育て方

登場人物

アドリアン・ルキア…伝説の聖剣”ブレイヴ・。ハート”を持つ勇者、人々の為に戦うという信念を持っている

ロット・ステイメン…主に回復や防御をおこなう僧侶、常に冷静沈着で戦術指示も出すチームの頭脳的な存在

ルース・ライオス…2m近い長身で屈強な戦士、一人で魔獣を倒したこともあり”魔獣殺し”の異名を持つ、兄貴肌な性格でチームの精神的支柱にもなっている

ギャレット・ゼファー…カードキャスターという珍しい職業だが非常に優秀、自分からチームに売り込みに来たが自分の事は話したがらない、いつも冗談を言って場を和ませるチームのムードメーカー

ライドン・ゾフィ…召喚魔術師の名門ライドン家の生き残りで五体ものドラゴンを操る事ができる凄腕、一族の間では”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われていた

クルム・フリニオーラ…世界最強の魔法使いと言われたクルム・ハイドニールの弟子で師匠の仇である魔王を憎んでいた、史上最年少で”クルム”の名を継いだ天才魔法使い

織田信長…尾張の大名、頭が切れ行動力とカリスマ性を兼ね備えた戦国時代の風雲児

木下藤吉郎秀吉…ルキア達の戦場での活躍を見て織田軍にスカウトした人物、後の豊臣秀吉

ねね…秀吉の妻、若い頃から秀吉を支えてきた良妻

ゾフィとフリニオーラが水面下で激しい女の戦いを繰り広げていた頃


秀吉邸での宴会はつつがなく進行していた、秀吉の明らかな異常行動も


周りの者達は”美人芸者二人とじゃれている”としか見ていなかったのだ


屋敷には次々と来客が訪れ更に賑やかさが増していった


そんな中激しく火花を散らすゾフィとフリニオーラ


『このロリ芸者、一体何をしたの!?私のサキュバリュアスの


 催淫効果を上回るなんてただごとじゃないわ!?』


歯ぎしりしながら睨みつけるように相手を見つめるゾフィ


『そんなに睨んだって無駄ですよ、私の”絶意消沈アブソリュートディプレッション”は


 そんじゃそこらの魔法じゃないんですから、そうやって


 悔しそうに睨むしかできない自分を恥じてください』


そんな事を考えながらニヤつくフリニオーラ、見下されるように


勝ち誇る態度を隠さない相手にゾフィの怒りは頂点に達した


『見てなさいよ、その余裕の表情、蒼白に変えてやるんだから‼』


ゾフィは背中を見せ早足で部屋を出て行った


『逃げましたか・・・いい気味です、まあ頑張った方でしょうが


 相手が悪かったですねアバズレ芸者さん』


勝利を確信してたフリニオーラは余裕の笑みを浮かべていた


しかし負けず嫌いで短気なゾフィがこのまま引き下がる訳もなく


部屋を出た途端、再びサキュバリアスを呼び出した、しかも今回は


7体同時に召喚したのである


『見てなさいよ、今度は7体、つまり7倍の催淫効果なんだから‼』


その思いをくみ取るかのように7体のサキュバリュアスは同時に


歌い始めた、するとどっぷりと落ち込みながら膝を抱え


泣きじゃくっていた秀吉が再び復活し服を脱ぎ始め雄叫びを上げた


「はひ~~~はひはひはひ~~~‼」


秀吉は極度の興奮状態でもはや自我すら残っていなかった


再びの激変に驚愕するフリニオーラ、そこにゾフィが帰って来た


驚くフリニオーラを見下す様にニヤニヤと笑いながらドヤ顔で


見つめて来たのだ


『一体何が・・・私の”絶意消沈アブソリュートディプレッション”を上回るなんて信じられない


おのれおのれ~こうなったらさらに強力な暗黒魔法で・・・』


フリニオーラがそんな事を考え実行していた時、佐吉が秀吉に報告に来た


「親父様、ゼファー様がおいでになりました、もうすぐ


 ステイメン様もいらっしゃるとの事です・・・って


 一体どうなさったのですか親父様!?」


魔獣と魔法の効果で興奮状態と鬱状態を交互に繰り返す秀吉


そんな秀吉の異変に驚きを隠せない佐吉


そうとは知らないゼファーが思わず声をかけた


「遅くなってごめんね秀吉さん、美女がいっぱい来ると聞いて


 いたからもっと早く来ようと思っていたんだけど・・・


 あれ、どうしたの秀吉さん!?」


明らかに挙動不審の秀吉を茫然と見つめるゼファー、そして


秀吉を挟んで美人芸者が二人激しい火花を散らし睨み合っていた


その二人をジッと見つめ不意に問いかけるゼファー


「ねえ秀吉さんどうしてこんなことになっているの?


 それとなんでそんな格好をしてるんだ、ゾフィとフリニオーラは?」


二人は驚きの表情でゼファーを見つめ、すぐさま目を丸くして


お互いを凝視するゾフィとフリニオーラ


「なに、あんたフリニオーラなの!?」


「ゾフィさんだったんですか!?なんでそんな格好しているんですか!?」


そんなゾフィは頭に血が上り苛立ちが頂点に達していた為


相手がフリニオーラだと判明しても勢いを止める事が出来なかった


すかさず両手を掲げ声高らかに召喚魔法を唱え始めた


「アンタが相手だとわかったらこんな回りくどい事はしなかったわよ


 汝が主 ライドン・ゾフィの呼びかけに応えよ 


 来なさい ブロレティアロドン‼」


広い宴会会場に3m程の巨大な魔獣が現れた、しかし来客者たちは


ゾフィ達による何かの出し物だと思ったらしく逆に盛り上がっていた


そんな中、一人顔から血の気が引き青ざめている者がいたフリニオーラである


「そ、その魔獣は!?まさか・・・まさか・・・」


ブロレティアロドンは大きく口を開け金属音の様な高い声を出すと


何処からともなく大量の虫が集まって来たのだ


「ぎゃああああああぁぁぁぁぁーーーー虫~~、虫嫌あぁぁ~~~‼」


大量の虫がフリニオーラにたかる様に群がって行く


虫はフリニオーラを中心に次々と集まり足元から這い上がろうと


押し寄せる大量の虫達、フリニオーラはあまりの恐怖と嫌悪感ですでに


半狂乱の状態であった、その様子を見てようやく我に返るゾフィ


「あ、しまった・・・ごめんフリニオーラ」


しかしそんな声は彼女の耳にはすでに届いていなかった、錯乱しながらも


おもむろに立ち上がり魔法を唱えようとするフリニオーラ


ちょうどそこにステイメンが宴会場に顔を出した


「いや~遅くなりまして、すみません秀吉さん・・・えっ!?」


「アークギガサンダー‼」


フリニオーラが絶叫に近い声をあげ雷撃魔法を唱えた、その瞬間


巨大な稲妻が轟音を立てて秀吉邸に落雷する


「な、なんですか!?」


到着早々頭上から巨大な稲妻が襲ってきたステイメンは状況の把握も


出来ないまま咄嗟に結界を張り巨大な雷撃魔法を防ぐ、凄まじい


巨大呪文と強力な防御結界がしのぎを削って反発し合っていた、しかし


それも何かの宴会芸だと思った来客者たちは皆、大喜びで拍手喝采を


送っていた、魔法を放ち終ったフリニオーラは芸者姿のまま


ゼファーに抱きかかえられるような恰好で震えていた


目の焦点は合わず、目に涙を一杯貯め歯をガチガチと鳴らしながら


ブツブツと独り言を口走っていた


「一体何があったのですか!?」


怯えきったフリニオーラはそんなステイメンの問い掛けも全く耳には


届いていない様子だった、ゼファーの胸の中で震えながらブツブツと


同じことを呪詛の様に繰り返すフリニオーラ


「駆逐してやる、一匹残らず駆逐してやる‼」


そんなフリニオーラの様子を見て軽くため息をついたゼファーは


特殊な香りを使って何とか彼女の気を静めた、しばらくしてようやく


落ち着いたフリニオーラに対しゾフィは何度も頭を下げた


「信じられません、もう私はゾフィさんという人間が信じられませんよ‼」


「ごめんフリニオーラ、だから何度も謝っているじゃないの!?」


そんな二人のやり取りがあった後、ようやく一段落ついたところで


二人はゼファーとステイメンに事情を話した


「なるほど、秀吉さんとねねさんにね・・・」


「同じ日同じ場所で全く逆の依頼を受けたのか、いやはや全く


 面白い事もあるもんだねえ~」


ニヤつきながらまるで楽しんでいるかのようなゼファーの言葉に


思わずムッとするゾフィ


「面白がっている場合じゃないわよ、それよりこれを何とかしないと・・・」


皆の視線の先には明らかに尋常ではない秀吉の姿があった


興奮状態と鬱状態を交互に繰り返すその姿に茫然とするメンバー達


「これはいけませんね・・・二人の魔術が相互干渉を起し


 複雑で難解な魔術へと変換されてしまっています、これはまるで


 二本の糸が複雑に絡み合いもつれてしまっている様な状態です」


深刻な表情で事態を分析するステイメン、ふとゼファーが問いかけた


「どうだ、治せそうかステイメン?」


「時間はかかりそうですがやってみます、全てを一度に


 解呪は出来ないので、一つ一つの術式を丁寧に秀吉さんの体から


 追いだす様に引きはがしていきましょう」


ゾフィとフリニオーラは身をすぼめながら申し訳ななさげに頭を下げた


「スイマセン、よろしくお願いします・・・」


ステイメンはニコリとうなづいた


「では私が一つ一つ丁寧に魔術効果を選別していきますから


 ゾフィとフリニオーラはそれぞれ引きはがす役目をお願いします」


「わかったわ、任せて頂戴」


「了解しました、私にできる限りの協力をさせてもらいます」


二人の意思を確認後ステイメンは治療にかかった、両手を広げると


秀吉の体を半径2m程のドーム状の魔方陣が取り囲む、そして複雑に


両手の指を動かしまるで手術をするかのように真剣な眼差しで


治療に取り組むステイメン


「よし識別できました、ゾフィあなたの魔獣の効果部分だけ


 隔離してください、お願いします‼」


「わかったわ、任せて・・・えいやあ~‼」


ゾフィは秀吉の体から何かを引き抜くように腕を高く上げた


その時である、盛り上がっていた宴会場に新たな来客が現れたのだ


「お~い秀吉、来たぞ!?」


明るい挨拶と共に現れたのは前田利家であった、”槍の又左”と呼ばれ


信長の赤母衣衆(親衛隊)筆頭に抜擢されたほどの腕を持っており


若き頃より秀吉とは非常に仲が良かった、そんな利家に秀吉の体から


引き抜いた魔術効果が利家に直撃したのだ


「はうわぁぁ~~~‼」


「あっ!?・・・やっちゃった、これはまずいわね・・・」


ゾフィがそうつぶやくと同時に利家は雄叫びをあげ、興奮状態のまま


即座に服を脱ぎ始めた、そしてあっという間にフンドシ一丁の姿となり


屋敷の外へと猛ダッシュで駆けて行ったのだ


「おまつ~~待ってろよ、おまつ~~~‼」


砂煙をあげ、あっという間にいなくなってしまった利家、その後姿を


茫然と見守るゾフィとメンバー達


「どうするんですかゾフィさん?」


思わず問いかけるフリニオーラに、しばらく声も出ないゾフィ


「これは事故よ、私は何も知らない・・・見てない事にしましょう・・・」


大量の汗をかき目線を逸らしながらボソリと呟くゾフィ


「しらばっくれてどうにかなる問題じゃないでしょ!?


 どうするんですかゾフィさん!?」


「どうもこうもないでしょ、利家さん何処かに行っちゃって


 どうする事も出来ないんだから・・・


 もうしらばっくれるしかないじゃない!?」


もはや逆ギレ気味に主張するゾフィ、そんなやり取りを見てゆっくりと


首を振るゼファー


「しょうがないな、俺が利家さんを探しに行ってやるよ、人探しみたいな


 事は俺しかできないだろうしな、ゾフィ貸し一つだからな


 優しい見返りを期待してるぜ!?」


「うっ、仕方がないわね・・・よろしく頼むわよゼファー」


ヤレヤレとばかりに秀吉邸を後にして利家の捜索に出て行くゼファー


「では今度はフリニオーラの暗黒魔術を引きはがす事にしましょう」


再びドーム状の魔法陣が秀吉を包み必死に両手を動かすステイメン


「よし識別できました、フリニオーラあなたの魔法の効果部分だけ


 隔離してください、お願いします‼」


「了解しました、いきますよ とうりゃあぁ~~‼」


フリニオーラは秀吉の体から何かを引き抜くように腕を高く上げた


その時である、盛り上がっていた宴会場に再び新たな来客が現れたのだ


「おいサル、お主があまりに熱心に誘うから来てやったぞい‼」


上から目線の口調で現れたのは柴田勝家であった、”鬼柴田”と呼ばれる程


の勇猛さを持ち、先代の時代から織田家に仕えている信長家臣の中でも


筆頭格の武将である、そんな勝家に秀吉の体から


引き抜いた魔術効果が直撃したのだ


「はうわぁぁ~~~‼」


「あっ!?・・・やってしまいました、これはまずいですね・・・」


フリニオーラがそうつぶやくと勝家は急に大量の涙と鼻水をたらし


その場で膝を抱えてうずくまった


「グスッ、どうせ僕なんか・・・僕なんか・・・」


その姿を唖然と見守るフリニオーラ


「どうするのよフリニオーラ?」


思わず問いかけるゾフィに、しばらく声も出ないフリニオーラ


「これは不幸な事故です・・・偶然に偶然が重なって不幸な事故が


 起こってしまったのですね・・・世の中本当に怖いです・・・」


大量の汗をかき目線を逸らしながらボソリとそう呟くフリニオーラ


「なに現実逃避してるのよ、どうするのよこれ!?」


切羽詰まったフリニオーラは思わずステイメンの方をチラリと見た


「私はすぐには対処できませんよ、秀吉さんの治療にもうしばらく


 かかりますから・・・」


しばらく考え込むフリニオーラ、頭をフル回転させようやく


一つの結論にたどり着いた


「ステイメンさんの手が空くまで倉にでもしまっておきましょう・・・」


そう言って両手を勝家にかざすフリニオーラ、すると勝家は


体育座りの状態で膝を抱えたまま空中に浮遊しそのまま倉へと運ばれて行った


またもや宴会場の皆から拍手喝采が巻き起こる、ステイメンは別室にて


秀吉の治療をすると言って宴会場を出て行った、”二人がいると邪魔”


と言われ仕方がなく宴会場に残るゾフィと二人、一旦落ち着いたところで


再び怒りが湧いてくるフリニオーラ


「先程事情は聴きましたけど、ねねさんの依頼は”普通に誘惑して秀吉さんが


 それに乗って来るか!?”ですよね?魔獣の力を使い抗えない状態で


 誘惑するって・・・一体何考えているんですかゾフィさん!?」


「うっ、それは・・・色々と・・・」


「色々と何ですか?どうせ本来の目的も忘れてムキになって


 しまっただけでしょ!?」


「そりゃあそうだけど・・・そんな言い方しなくてもいいじゃない」


「挙句に私だとわかった途端、虫を使って直接攻撃を仕掛けて来るとか


 馬鹿なんですかあなたは!?私がどれ程怖かったかわかりますか!?」


「だから何度も謝ったじゃない、いい加減しつこいわね」


「謝ればいいってモノじゃないでしょ、どうしてあなたはやっていい事と


 悪い事の区別がつかないんですか!?」


言われてみるとその通りである、深く反省しながらフリニオーラに対し


素直に謝る事にしたゾフィ


「悪かったわよ、ついムキになっちゃってさ、ロリ芸者・・・いや


 アンタに負けるのが悔しくて、そんな貧相な胸に負けるなんて私の


 プライドが許せなかったのよ、そうよあなたのその貧相な胸がダメ


 なんじゃないのよ、女としてそこまで控えめなのはもう罪よ


 せめて少しは大きくする努力をしなさいよね全く・・・」


謝罪しながらも段々と本音の部分が出始めるゾフィに


呆れながら口を挟むフリニオーラ


「なんで私が説教されているんですか!?」


「えっ、いや違うのよ女の魅力についてちょっとね・・・


 フリニオーラには少し難しいかもしれないけど女の魅力ってわかる?」


「あの、私の事馬鹿だと思ってます!?」


取り繕おうとすればするほど深みにはまって行くゾフィ


「違うのよ、え~っと・・・ほら、女ってのは褒められたり


 好きな人が出来たりすると綺麗になるって言われているの


 そうだ、ちなみにあなたの好みのタイプって誰?


 例えばここにいる人の中で選ぶとしたら!?」


思わぬ切り返しに驚くフリニオーラ、好みの男性とか考えたことも無い上に


周りにいる男で・・・などと突然言われても戸惑ってしまう


「そんな事考えたことも無かったですが・・・」


そう言いながら辺りを見渡すと一人の人物に視線が止まった


「しいて言うなら佐吉さんですかね!?」


その意外な答えにゾフィも含め佐吉本人も驚く


「私ですか!?いやその驚きました・・・」


すこし照れながら戸惑い気味に目線を伏せる佐吉、しかしゾフィは


呆れ顔で言い放つ


「はぁ!?あのねフリニオーラ、あんたロリキャラの癖にショタとか・・・


 いくらキャラ付けしたいからっていくら何でもそれはないわ


 盛り方も間違えるとマイナスにしかならないと覚えておきなさい」


その言葉にムッとした顔で反論するフリニオーラ


「誰がショタですか!?それにロリキャラとかいい加減にしてください


 私は真面目で頭のいい人が好きなんです、その条件で考えると


 佐吉さんしか該当しなかったのでそう言ったまでの事です


 他意はありませんよ」


淡々とそう語るフリニオーラをジト目で見つめるゾフィ


「ふ~ん、じゃあ佐吉さんはどんな女性が好みなの?」


唐突な質問にビックリして顔を赤らめながら目線を逸らす佐吉


「そんな、私に好みの女性などおりませぬ・・・」


その答えにニヤリと笑うゾフィ


『この手のタイプはむっつりスケベと相場が決まっているのよね・・・


 私の女の勘では佐吉さんもフリニオーラみたいなのが好きなはず


 だったら無理やりにでも告白させてそれで女として自信を付けさせ


 フリニオーラをいい女へと変身させてあげよう、う~ん我ながら


 いい考えだわ、ここで名誉挽回よ、お姉ちゃんに任せておきなさい‼』


佐吉を見ながらニヤつくゾフィを見て胸騒ぎがするフリニオーラ


『ゾフィさんがあの表情の時は大体ロクな事を考えて


 いないんですよね・・・嫌な予感しかしません』


その予感は残念ながら的中する事となる、ゾフィは両手を上げ叫んだ


「汝が主 ライドン・ゾフィの呼びかけに応えよ 来なさい

 

 サキュバリアス‼」


再び現れるサキュバリアス、もはやこの時点ではどんな魔法が使われようと


どんな魔獣が現れても宴会会場内は”オールオッケー‼”という雰囲気であった


しかし再び召喚された魔獣を見て大きくため息をつくフリニオーラ


そんな事はお構いなしとばかりに意気揚々と言い放つゾフィ


「さあサキュバリアス、やっておしまい 佐吉さんの本音を


 存分に引き出すのよ‼」


呼び出されたサキュバリアスは両手を合わせ歌い始める、至近距離で直接


サキュバリアスの歌を聞かされた佐吉の態度が豹変した


「はうわあぁぁぁ~~~‼」


嬉しそうに佐吉を見つめるゾフィ、そして畳み掛ける様に問いかけた


「さあ佐吉さん、貴方の好みの女性を教えて、心と欲望の赴くままに


 告白するの、それが幸福への道なのよ‼」


『さあ待ってなさいフリニオーラ、ここからあなたはいい女へと


 生まれ変わってくのよ、そして私に感謝しなさい!?』


佐吉の表情がみるみる崩壊していきサキュバリアスの力によって


完全に自我を失っている様であった


「私は・・・私の好きな女性は・・・乳房でござる‼


 乳房が大きい女性がいいでござるよ、女は乳じゃ~


 オッパイ万歳‼はひはひはひ~~‼」


佐吉の思わぬ告白に固まるゾフィ、フリニオーラも言葉を失った


我に返ったゾフィは佐吉の発言を受け無言のままフリニオーラの


つつましやかな胸部へと視線を移した、そして悲しげな表情を浮かべ


憐みの目でフリニオーラを見つめた


「あの~ゾフィさん、今とてつも無く失礼な事考えてますよね


 言っておきますが、口に出さなければいいってもんじゃ


 ないですからね!?」


不意に考えている事を見抜かれ慌てて取り繕うゾフィ


「えっ!?なにが、私何も考えてないわよ、貴方の胸の事なんて


 全然考えてないし、可哀想とか惨めとか悲惨とか哀れとか痛々しい


 とかいたわしいとか気の毒とか無残とか・・・


 そんな事全然考えたことも無いわ!?」


「どうやったらそんなに誤魔化すのが下手になれるのか?


 ってレベルですね・・・言うに及ばず語るに落ちるとは


 正にこういう事を言うのでしょうか?」


もう誤魔化すのは無理だと悟ったゾフィは作戦変更する事にした


無理やり笑顔を作りながらフリニオーラの両肩をバンバン叩き


何度もうなづくゾフィ


「で、でも女は胸だけじゃないわよ、うんおっぱいが大きいからって

 

 女の価値が上がるなんてないわ、そう・・・そうよ女は胸じゃない‼」


そう言い聞かせるように語りかけるゾフィに対し


もはや呆れ顔で答えるフリニオーラ


「ゾフィさん・・・あなた”今、私いい事言った‼”みたいな顔してますけど


 全然フォローになってませんから、寧ろ傷口を広げて塩を塗っている


 だけですから・・・」


何をやっても裏目に出てしまうゾフィは、もう開き直り腕組みしながら


プイッと横を向いた


「だってしょうがないじゃない、大体アンタの胸がそんなに小さいのが


 いけないんじゃないのよ、私の責任じゃないわ!?」


「逆ギレにも程があるって言い分ですね、もう結構です


 何も言わないでください、もうわかりましたから・・・」


ため息交じりに呆れ果てるフリニオーラ、そんな彼女の態度を見て


再び不条理な怒りが湧いてくるゾフィ


「ちょっと待ちなさいよ、私はねあなたの為を思って言ってるの


 世の男性はね皆大きいおっぱいが好きなの、このままじゃ


 あなたは永遠に一人ぼっちになってしまうのよ!?」


その発言に少しムッとするフリニオーラ


「別に一人でも私は構いませんよ、寧ろ伴侶とかいると面倒事も多そうですし


 私は魔法があれば一人でも構いません、それに世の男性だって人それぞれに


 好みというものがあるでしょう、胸の大きい人が好きな男性もいれば


 胸の小さい人が好きな男性だっているんじゃないですか?」


フリニオーラの意見に対し大きく左右に首を振るゾフィ


「いないわそんな男性は、世界の男性は皆巨乳好きなの


 全世界の99.98%の男性は巨乳が好きなの、胸の小さい女性が好き


 何て男は0.02%しかいないの病気なの、変態なの、犯罪者予備軍なの


 もしこの戦国の世で貧乳好きなんて事が露見したらその人は罪人として


 裁かれ、市中引き回しの上に獄門打ち首になるのよ‼」


*この物語はフィクションであり登場する人物・団体・名称などは


 架空であり、実在のものとは関係ありません、そして本作品における


 登場人物の発言はあくまでそのキャラクターの私見であり何らかの


 統計に基づくものでも資料に基づくものでもありません


 そしてキャラクターの発言は当作品の筆者の見解とは


 大きく相違しているという事をここに明記します


 なにとぞご理解とご了承のほどをよろしくお願いいたします。



ゾフィの言葉に思わず息を飲むフリニオーラ


「貧乳好きは罪人!?この戦国の世では打ち首になるんですか!?」


「そうよ、貴方のせいで罪もない人が罪人として


 処刑されてしまうかもしれないのよ、そしてあなたは


 その原因を作った人物として”国家反逆罪”で捌かれ


 おそらく三条河原にさらし首ね、そして大罪人として死んでからも


 皆に石を投げられ、虫にたかられて惨めな最後を迎えるの


 それでも貴方はいいって言うの、何も感じないの!?」


フリニオーラは先ほどまでと態度が一変し涙目になっていた


「嫌です、さらし首は嫌です、死んでからも虫にたかられるとか・・・


 絶対に嫌です!?でも、私はどうしたら?」


「そこはお姉ちゃんに任せなさい‼」


ゾフィはいつもの様に胸を張ってドンと自分の胸を叩いた


「いいフリニオーラ、貴方に一ついい話を聞かせてあげる


 昔、セルベンドーラ王国という国に”ソクラニクス様”


 という大賢者がいたわ」


その名前を聞きフリニオーラの表情が急にパッと明るくなる


「知ってます、”セルベンドーラの大賢者”ソクラニクス様


 確か魔法の基礎を築いた人ですよね!?」


優しげにコクリとうなづくゾフィ


「魔法だけじゃないわ、私の使う召喚魔法や伝説の武器やアイテムなど


 全ての魔術の礎を築いたのがこのソクラニクス様と言われているわ


 そしてソクラニクス様は賢者でありながら哲学者という一面も


 持っていたと言われているの、そんなソクラニクス様が残した


 至言があるの、聞きたい?」


嬉しそうに大きくうなづくフリニオーラ、一呼吸置いてゾフィが口を開いた


「ソクラニクス様が残した至言、それはね・・・”可愛いは正義”よ‼」


「か、可愛いは・・・正義!?」*ガアーーーン(効果音)


「そう可愛さは何よりも勝る正義なの、そしてここに


 貴方の生きる道があるわ・・・」


ゴクリと息を飲むフリニオーラ


「私の生きる道、一体それは何ですか?ソクラニクス様は一体何を


 なさっていたのですか!?」


フッと笑いすこし遠くを見るような目で再び話しはじめるゾフィ


「当時ソクラニクス様はね世界中から可愛い女の子を集めて


 自分の周りに置いたの、もちろん正義の為にね・・・そしてその中には


 貴方の様なロリキャラや本当に幼い美少女も大勢いたと伝えられているわ


 そんな幼い少女達にもソクラニクス様は等しく愛情を注いだと言われて


 いるの、まだ発達していない少女達の胸やお尻を毎日さすり


 魅力ある女性になれる様にってね・・・もちろん正義の為よ‼」


キラキラした目でゾフィの話に聞き入るフリニオーラ


「おお、なんと慈悲深い!?さすがはソクラニクス様‼」


「そして少女達が立派に成長した暁には自分の元を去らせたらしいの


 まるで成長した女性には興味が無くなったかのようにあえて振る舞う


 という気遣いまでして・・・そして入れ替える様に改めて幼い少女を


 世界中から集め呼び寄せたらしいわ、全て正義の為にね・・・」


その話を聞きフリニオーラの目からは一筋の涙がこぼれ落ちていた


「何という優しさ、さすがは偉大なる大賢者、素晴らしいです‼」


ゾフィはそんなフリニオーラをジッと見つめた後


少し間を空け再び話し始めた


「知ってるフリニオーラ?賢者という言葉を作ったのもこのソクラニクス様


 なのよ、古い文献にはこう書かれているの、少女達にたっぷりと


 愛情を注いだ後、最高に清らかで慈悲深くなれる瞬間があると


 悟りを開くというか最終解脱ゾーンに入る事が出来ると


 伝えられているの、それをソクラニクス様は


 ”賢者モード”と呼んだらしいわ」


「言葉もありません、尊敬します素晴らしいです‼」


うんうんと何度もうなづきフリニオーラを見つめるゾフィ


「さあここから貴方の正義への戦いが始まるのよ、いい付いて来なさい‼」


「はい、よろしくお願いしますゾフィ先生‼」


二人の心が一つになった瞬間であった、その時である


正気に戻った佐吉が慌てた様子で駆け寄って来たのだ


「大変です、ゾフィ様、フリニオーラ様、実は親父様に


 来客がありまして・・・」


その報告を聞いて怪訝そうな表情を浮かべる二人


「秀吉さんはまだ治療中でしょ、何か適当な事を言って追い返しなさいよ」


「そうですね、今の秀吉さんには会わせられないでしょう、来客者には


 申し訳ないですが上手く言って帰ってもらうのが賢明だと思います」


二人はすでに秀吉の事は頭から抜けていた、これ以上面倒事は御免だ


という思いが真っ先に頭をよぎったのである


しかし佐吉は引き下がらなかった、言いづらそうな表情を浮かべ口を開いた


「そういう訳には行かないのです、実は来客者というのは


 お館様でして・・・」


それを聞いた二人の表情から血の気が引いた


「信長公キターーーーー‼」


ゾフィとフリニオーラの最大の面倒事はここから始まるのである。




 


 













 


 








コメディ話の第二話でしたがいかがだったでしょうか?

今回のようにコメディ色の強い話の時は細かい設定は

あまり考慮していません、歴史上の偉大な人物もいじり倒して

いますがそのあたりは寛大な心で見ていただけると嬉しいです、では。

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