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ギルティソードVS魔獣殺し

登場人物


アドリアン・ルキア…伝説の聖剣”ブレイヴハート”を持つ勇者、人々の為に戦うという信念を持っている


ロット・ステイメン…主に回復や防御をおこなう僧侶、常に冷静沈着で戦術指示も出すチームの頭脳的な存在


ルース・ライオス…2m近い長身で屈強な戦士、一人で魔獣を倒したこともあり”魔獣殺し”の異名を持つ、兄貴肌な性格でチームの精神的支柱にもなっている


ギャレット・ゼファー…カードキャスターという珍しい職業だが非常に優秀、自分からチームに売り込みに来たが自分の事は話したがらない、いつも冗談を言って場を和ませるチームのムードメーカー


ライドン・ゾフィ…召喚魔術師の名門ライドン家の生き残りで五体ものドラゴンを操る事ができる凄腕、一族の間では”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われていた


クルム・フリニオーラ…世界最強の魔法使いと言われたクルム・ハイドニールの弟子で師匠の仇である魔王を憎んでいた、史上最年少で”クルム”の名を継いだ天才魔法使い


木下藤吉郎秀吉…百姓から成り上がった織田信長の部下、のちの”豊臣秀吉”

竹中半兵衛重治…以前稲葉山城をわずかな人数で乗っ取ることに成功した天才軍師

        秀吉の熱烈な勧誘により秀吉配下に加わる

蜂須賀小六…元野盗の首領であり部下共々いくつもの死線をくぐって来た猛者

勇猛果敢ながら頭も切れる

戦場では二人の男が闘気をむき出しにして


睨み合っていた、その一人であり禁断の剣


ギルティソードに意識すら支配された


美濃の国領主、斉藤龍興は息を荒げ


暗黒闘気をまき散らしながら


目の前にいる大男に憎悪の赤い目を向けていた


「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す


 コロス、コロス、コロス、コロス


 ・・・」


もはや殺意と憎悪の塊と成り果てた


斉藤龍興、闇と狂気に支配され


変わり果てたその姿は常人であれば


見るだけで卒倒しそうな程


おぞましい異形の雰囲気を纏っていた


いつの間にか周りの兵達も戦うのを止め


二人の姿を固唾を飲んで見守っている


「殺せるもんなら殺してみろ


 さっさとかかってきな‼」


そんな悪意の権化と化した龍興を前に


どこか嬉しそうなライオス


ギラギラとした視線を相手に向けながら


待ちきれないといった様子であった


「こうなったライオスは誰にも


 止められないよ・・・」


ゾフィの召喚魔獣によって


巨大スクリーンに映し出される


ライオスと龍興を見てルキアが


思わずそうつぶやいた


「死ね死ね死ね死ね死ね


 しねしねしねしねしね


 シネシネシネシネ・・・」


呪詛の様な言葉を発しながら


ギルティーソードを高々と振り上げると


猛烈な勢いで斬りかかる龍興


嵐の様な連続剣戟が次々とライオスを襲う


しかしそれを難なく受け止め


その全てを弾き返すライオス


そんな常人離れした両者による


一進一退の攻防が続く、見ていた兵を始め


スクリーンに映し出される両者の姿に


茫然とする秀吉と半兵衛


「一体なんですかなこの動きは!?」


「もはや人間の動きとは思えません


 何という速さでしょうか!?」


龍興とライオスの凄まじい攻防は


まるで通常の戦いの映像を倍速で見ている


かの様な錯覚さえ覚える程速かった


実際近くで見ている者達はその剣どころか


両者の腕の動きすら目で追えない程の


圧倒的な戦いをただ茫然と見つめていた


「あの斉藤龍興って奴やるじゃない!?」


「いくら珍しい剣だとはいえ


 ライオスさん相手にあれ程


 戦えるのは凄いですね」


「本気のライオス相手ですからね


 ギルティソードというのは


 やはり恐ろしいモノですね・・・」


ゾフィ、フリニオーラ、ステイメンが


相手の斉藤龍興に対して感心していた


三人とも剣は本業では無いだけに


詳しい事はわからないが本気のライオス


と戦える者など今まで身内以外では


見たことが無かったからである


「いや本当に凄いのはライオスだ・・・」


ルキアが思わずつぶやく


「まあ悔しいがその通りだわな・・・」


ゼファーがそれに同調する


他の三人が思わずルキアを見つめる


「ライオスが凄いのはみんな


 知っているわよ、でもそんな


 本気のライオス相手に互角に


 戦っているんでしょ?


 いくら珍しい剣を使っている


 からといっても凄いじゃない!?」


「私もそう思います


 剣の事は専門外ですが


 あのライオスさん相手に


 あれだけ戦える人を身内以外


 では始めて見ました、それとも


 ライオスさんは本気で


 戦っていないのですか?」


ルキアは少しだけ間を空けて答えた


「いや、ライオスは本気で戦っているよ・・・」


「でしたら、相手を認めるのも


 致し方ないのではないですか?」


そんなステイメンの言葉を


否定するかのように


ゼファーが補足し始めた


「本気といってもどういった


 本気なのか?


 という事が重要なのさ


 今回は相手の剣が特別な


 だけでなくライオスの


 使っている剣は非常に貧弱


 という事を考慮しなければ


 いけないぜ!?」


「それどういう事よ、もっと


 わかりやすく説明しなさいよ」


ゾフィの問いにルキアが答える


「ライオスが本気で振ったら


 あの今持っている剣は


 とても耐えられない・・・


 あっという間に折れてしまう


 だろう、圧倒的に不利な


 剣を使っての戦いの中で


 自分の剣を折らずに相手の


 攻撃を全て受け流す技・・・


 あれはまさしく神業と言って


 もいい程の技なんだ


 今ライオスがやっている事は


 おそらく他の誰にも真似


 出来ないだろう・・・」


ゼファーがニヤリと笑いながら皆に説明し始めた


「男を褒めるのは


 俺の主義に反するけど


 あれは本当に凄い高等技術を


 やっているんだぜ!?


 今まで俺達は圧倒的な力で


 相手をねじ伏せるライオスの姿


 しか見ていないからな・・・


 あれ程繊細で正確な技術を要する


 剣さばきをあのスピードで


 やっているのは何と言うか・・・


 もう頭がおかしいというか


 どこかぶっ飛んでいるというか


 要するにまず他ではお目にかかれない


 所業を当たり前の様にこなしている


 あいつはどう見ても異常だって事だよ」


呆れる様に言い放つゼファー


しかしその内容は最大限の賛辞である事は


誰もが判っており、思わず微笑んだ


一方戦場では龍興の嵐の様な猛攻を受けながら


ライオスはチャンスをうかがっていた


『やべえな、そろそろ


 この刀も限界に近い


 ポキリと行く前に


 勝負をかけるか・・・』


龍興の攻撃は徐々に勢いを増していく


竜巻のようなその攻撃は速度と威力を


上げながら圧力を強め益々ライオスを


攻め立てる、しかしライオスは受けながら


相手の剣の限界を冷静に計っていた


『どんどんパワーとスピードを


 増しながら攻撃してきやがる・・・


 しかしそれに伴って


 相手の剣の悲鳴が


 聞こえてくる様だぜ


 あっちももう限界のはず


 ・・・』


その時龍興が奇声ともいえる


雄叫びを上げながら大きく振りかぶった


「ギャウワオォォォ~~~‼」


大上段からライオスの脳天目掛けて


ギルティーソードを豪快に


振り下ろしたのだ、その速度は凄まじく


周りで見ていた者達は勿論の事


ルキアとゼファーを除く


スクリーンで拡大化しながら見ていた


ゾフィ達にも見えなかった


その瞬間ライオスの目がギラリと光った


今まで受け一辺倒だったライオスが初めて


攻撃に移ったのだ


それは猛烈な勢いで振り下ろされる


ギルティーソードに向かって全力で


刀を斬り上げたのだ、今回は力の


加減なしに渾身の力で剣を振うライオス


唸りをあげながら、目にも留まらぬ


速度で激しくぶつかり合った両者の刀


”キーン”という乾いた金属音が空に響き


真っ二つに折れた剣の刀身が宙に舞った


それはクルクルと回転しながら澄み切った空に


舞い上がり最後は地面に垂直に突き刺さった


その折れた刀はライオスの持っていた刀だった


完全に折れてしまった刀を両手で握り締め


動かないライオス、そんな姿を見てニヤリと


不敵に笑う龍興、その瞬間龍興が苦しそうに


叫び声をあげた


「ギャァァァァァ~~~‼」


すると龍興の右手に持っていた


ギルティーソードが突然砕け散ったのだ


刀身部分がまるで破裂したかのように


弾けて粉々になるとそれは


銀色に光る粒子となり


宙に舞い上がった、ゆっくりキラキラと


降り注ぐ銀色の粉たちは殺伐とした戦場に


似つかわしくない実に幻想的な


雰囲気を漂わせ、先ほどまでの


激しい戦いが嘘の様に周りを彩る


しかし龍興はまだ苦しみながら


唸る様な叫び声をあげていた


口や鼻、耳や目 ありとあらゆる所から


黒いモヤの様な闇が溢れ出し


空に舞い上がる、体の中にある闇の全てが


体から逃げ出す様に排出されると


まるで空が吸い上げる様に昇り消えていった


それが治まり全ての闇が無くなると龍興は


座り込むように尻餅をつき茫然としていた


まるで憑き物が落ちたかのように


キョトンとした表情で


キョロキョロと周りを見回す


「ワシは一体何を・・・?」


そして思わず視線を上に向け見上げると


目の前にいる大男と目線が合った


「まだやるかい?」


ライオスのその表情には


もうすでに怒りも闘争心も


感じられなかった


もはや興味を失ったおもちゃを


見るような目で龍興を見下ろすライオス


「ひぃぃぃ~~~‼」


龍興は悲鳴を上げ急に我に返ったかのように


素早く立ち上がると一目散に逃げ出した


ライオスはそんな龍興を追う事無く


その背中を見送った






墨俣での激闘から数日後、稲葉山城では


織田信長とその家臣達が集まっていた


「此度はようやったサル‼」


信長は上機嫌で秀吉の偉業を褒めた


「ありがとうございます


 これも全てお館様の


 威光のおかげでございます‼」


信長の前でひれ伏しながらそう告げる


秀吉、その後ろには半兵衛とルキア達もいた


しかしそんな秀吉達を苦々しく見ている


者達もいた、柴田勝家や佐久間盛重などの


織田家重鎮達である、彼らが何度も試みて


成し遂げられなかった美濃侵攻と


稲葉山城攻略をいともたやすく達成して


しまったからである、嫉妬ともとれる


敵意の視線を秀吉に向けながら


柴田勝家が思わず口走った


「ふん、どうせそこにおる


 異国の者達の不可思議な力を


 借りたのであろう・・・


 毎回他人の褌《ふんどし》で手柄を立てて


 楽でよいのうお主は・・・」


困ったような表情を浮かべ苦笑いする秀吉


その時ルキアが助け船を出す様に口を挟む


「一言申し上げておきますが今回


 我々は一切手を貸しておりません


 その事を重々承知していただきたい」


そんなルキアの言葉に嬉しそうな表情で


見つめる秀吉、柴田勝家は腕組みしながら


顔を横に背け吐き捨てる様に言い放つ


「ふん、どうだか・・・


 それが本当という証拠も


 無いしの、わかったものじゃ


 ないわ!?」


そして佐久間盛重が続いた


「秀吉、お主墨俣では何やら


 奇妙な城を一夜で築いた


 というではないか!?


 そのような所業、そ奴らの


 手出し無くしてできるはず


 なかろうて・・・


 嘘八百も大概にせい‼」


まるで詰問の様な厳しい言葉を向けられ


戸惑い気味の秀吉、信長も黙ってその


やり取りを聞いていた、そこに挙手して


口を挟む者がいた半兵衛である


「此度の美濃侵攻作戦の


 詳細は私から説明させて


 いただきます、まず墨俣にて


 一夜での築城ですが


 秀吉殿の部下蜂須賀小六を


 中心に川で材料を流し一夜にて


 建築いたしました、見た目が


 奇妙なのはワザとそうしたからで


 ございます・・・」


佐久間盛重が怪訝そうな顔で問い詰める


「ワザとじゃと?なにゆえ


 そのような事をおこなう


 必要があるのじゃ


 聞いたところによると


 その城は金色の外観を


 しておったそうではないか


 詭弁を弄するのも大概にせいよ‼」


半兵衛はフッと笑い静かに答える


「城の外観が金色の訳は見た目通り


 金箔を貼ったからでございます


 その理由は敵将 斉藤龍興を


 墨俣におびき寄せる為でございます」


その言葉に思わず立ち上がる柴田勝家


「おのれらはそんな成功するやも


 わからぬ作戦の為に貴重な金を


 使ったのか!?もし失敗していたら


 どうするつもりだったのじゃ!?」


そんな問い掛けにも動ずることなく


落ち着いた仕草で諭す様に話す半兵衛



「金と人は使い所というのが


 ございます、ワザと奇妙な城を


 築き斉藤龍興を引き付けたおかげで


 被害を最小限に抑えながら


 この稲葉山城を占拠する事が


 できたのです、そして墨俣に


 おびき寄せた斉藤軍を打ち破り


 この美濃の国を制圧する事が


 叶った今、失敗した時の


 説明が必要ですか?」


柴田勝家は反論できずに言葉を飲み込んだ


しかし佐久間盛重が再び口を開いた


「しかし現にそこにおる


 異国の者達を戦場に同行


 させておるではないか!?


 一切手を貸しておらぬと


 言われても信用できぬわ‼」


目を閉じ静かに聞いていた半兵衛は


微笑みながら少し間を空け口を開いた


「あなた方はどうして


 それほどまでに


 ルキア殿達の助力を


 嫌うのでしょうか?


 彼らは秀吉様が勧誘し



 お館様に引き合わせた


 経緯から我が秀吉軍の


 預かりとなっている事は


 ご存知ですよね?


 それに対して異を唱える


 という事はお館様の意向に


 背くという事に他なりませんが


 それでよろしいのですか?


 私は作戦参謀としてルキア殿達の


 助力を得て戦おうと何度も


 具申いたしました、しかし秀吉様は


 そんな皆様方に配慮し今回は


 ルキア殿達の力を借りず戦うと決め


 美野の国を制圧する偉業を


 成し遂げたのです、そして今回


 ルキア殿達を戦場に同行させたのは


 私のたっての願いであります


 私は作戦参謀としてお館様から兵を


 預かる者として敗北だけは許されない


 と考えておりました、ですからもしも


 敗退しそうになった場合ルキア殿達の


 助力を得て戦況を打破しようと


 考えていたからです、結局そんな


 場面はおとずれなかった為杞憂に


 終わりましたが、色々な場面を想定し


 二の矢、三の矢を考えて戦うのが


 私の軍師としての役目であると


 考えておりますれば今回の


 ルキア殿達の随行は自明の理であると


 ご理解いただけると思います


 何の策も無くただただ兵を損失し


 敵をして勝ち誇らせるなど


 愚の骨頂ですからね」


そう言い放つと半兵衛はニヤリと笑った


それは斉藤龍興に何度も挑みながら


何の成果も上げられずにいた


柴田や佐久間への強烈な皮肉でもあった


半兵衛に痛烈な反撃を受け


怒りの表情を浮かべながらも


ぐうの音も出ない柴田勝家と佐久間盛重


そんな時秀吉が勢いよく立ち上がった


「こら半兵衛、お前は皆様方に


 何という失礼な事を申すのじゃ‼


 此度我らが勝利できたのも


 柴田様や佐久間様が今まで


 戦ってきた経緯や情報を教えて


 くださったことに他ならない


 いわば柴田様や佐久間様に


 勝たせていただいた様な


 モノじゃ、それを貴様は‼


 ・・・この秀吉、無礼者の


 家臣に成り代わり謝罪いたす


 このとおりでござる


 なにとぞ平にご容赦を‼」


秀吉はひれ伏し深々と頭を下げる


半兵衛もそれに続き頭を下げた


そんな事を言われては何も言い返せず


納得するしかない柴田と佐久間


それを見ていたフリニオーラが


「なんという茶番ですかこれは・・・」


思わずつぶやいたその言葉に


メンバーが皆微笑んだ


その後信長がようやく口を開いた


「こらサル、もうそのくらいで


 よいじゃろう、皆もよいな


 これ以上言いたい事がある者は


 いないはずじゃ、此度の褒美は


 おっていたす、よいなサル


 では此度はこれにて・・・」


その時秀吉が真剣な表情で信長を見つめる


「お館様にお伝えしたい事が


 ございますれば‼」


一瞬場が凍るような厳しい口調で言い放つ秀吉


後ろの半兵衛やルキア達も真剣な眼差しで


信長を見つめており、そのただならぬ雰囲気からも


秀吉達が相当な事を伝えたいのだとわかった


「なんじゃサル、言うてみよ」


「いえ、できればお人払いを・・・」


その言葉に再びピりつく柴田と佐久間


しかし口を挟める空気では無い為


指示に従い秀吉と半兵衛、そしてルキア達


を除く全ての者が部屋から出て行った


「で、何をワシに伝えたいのじゃ?」


信長は鋭い視線を秀吉に向ける


それがもし大したことじゃなかった場合


殺されるのではないか!?と思える程の


目力が信長にはあった、しかしそれに


怯むことなく堂々と答える秀吉


「実は此度の戦《いくさ》でとんでもない事が


 ありまして・・・詳細はルキア殿


 から説明していただきます」


秀吉に促され真剣な表情で今回の件を話し始めた


「ほぅ禁断の剣”ギルティソード”とな」


興味深げにルキアの話に聞き入る信長


「はい、我らの世界でも滅多に


 お目にかかれない剣なのです


 今回アレが我々の前に現れたのも


 偶然とは思えません」


その言葉に信長の表情が険しく変る


「ならばお主達は一体どういう


 理由だと思うのじゃ?」


「それはわかりません、しかし


 我々のいた世界の何者かが


 関与していると思われます」


そしてステイメンが続いた


「今思えば最初に桶狭間にて今川軍と


 戦った時もゾフィの魔獣を倒した


 敵将がいました、彼が持っていた


 武器も”ギルティーソード”程の


 物では無かったでしょうがおそらく


 我らの世界からの力を与えられた


 武器だっと考えられます・・・」


信長はイラつきながら床を拳で叩いた


「では先日駿府城にてお主らが


 瀬名姫と信康を救出した際に


 情報が漏れていた件も今回と


 同じ者の仕業なのか!?」


それにはゼファーが否定した


「それはわかりません、あの時は


 情報が漏れていたというだけで


 特に何の証拠も無く確証は得られない


 でしょう・・・しかし桶狭間の


 時や今回の美濃攻めの際に敵側に


 そのような武器があった事に


 関しては、何者かがたまたま


 敵側にそれらを与えただけ・・・


 という可能性もあります


 しかし駿府城の救出作戦の詳細を


 ワザと漏らしたとなれば・・・」 


「明らかにワシに対する


 敵対行為・・・という訳か」


信長は唇をかみしめ怒りの表情を見せた


「今回の件を含め全てがワシに対しての


 敵対行為だった場合、想定される


 相手はどこじゃ、半兵衛答えてみよ!?」


信長のいきなりの質問に慌てることも無く


冷静に考えをめぐらし考える半兵衛


そしてその問い掛けに静かに答えた


「まずは甲斐の武田信玄です


 彼の軍師 山本寛助は戦略に長け


 奇怪な技も使う忍びだとも


 聞いております、そして越後の


 上杉謙信、彼には”軒猿”という


 特殊な忍びの集団がついております


 そして相模の北条には”風魔”


 という忍び集団もおります


 そして怪しげな技なりますと・・・


 比叡山の延暦寺の僧侶、ひいては


 石山本願寺なども考えられまする」


それを聞き思わず舌打ちする信長


「ちっ!?甲斐の武田に


 越後の上杉そして北条か・・・


 厄介極まる相手よのう


 そしてあの腐れ坊主共か!?


 全く忌々しい・・・」


信長が一人思い詰めた様に考え込んでいると


そんな信長の顔色をうかがいながらも


秀吉が切り出した


「その件につきましてルキア殿達からも


 提案があるようです」


信長は言葉を発せず視線だけを秀吉に向けた


それを合図にルキアは話し始めた


「今回の一件で我らのいた世界


 ”レスティアレ・ラドス”の者が


 何らかの意図を持って関与している


 という事が判りました


 それが何者で何のためにやっている


 のかは不明ですが、今後これらの


 関与が疑われる件については


 我々も深層究明を兼ねて積極的に


 参加していきたいと思っている


 次第です、今まで以上の協力体制を


 お願いいたします、信長公」


その言葉を聞きニヤリと笑う信長


「災い転じて・・・か


 結果悪くない展開に


 なった訳じゃな・・・」


誰にも聞こえない小声で


独り言をつぶやいた信長


しかしこれから待つ試練の数々は


信長の想像を遥かに超える


困難である事を今は知る由も無かった。




 

 

 

  


 

今回で美濃編は終了です、いかがだったでしょうか?

次話よりまた外伝の予定です、次はギャレット・ゼファー

のお話しなのですが思ったより長くなってしまいそうで

今何とか4~5話に抑えようとブラッシュアップの最中でございます

自分では結構気に入る話になりそうなので皆様

また生暖かく見守ってください、では。

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