死闘と私闘?
アドリアン・ルキア…伝説の聖剣”ブレイヴ・。ハート”を持つ勇者、人々の為に戦うという信念を持っている
ロット・ステイメン…主に回復や防御をおこなう僧侶、常に冷静沈着で戦術指示も出すチームの頭脳的な存在
ルース・ライオス…2m近い長身で屈強な戦士、一人で魔獣を倒したこともあり”魔獣殺し”の異名を持つ、兄貴肌な性格でチームの精神的支柱にもなっている
ギャレット・ゼファー…カードキャスターという珍しい職業だが非常に優秀、自分からチームに売り込みに来たが自分の事は話したがらない、いつも冗談を言って場を和ませるチームのムードメーカー
ライドン・ゾフィ…召喚魔術師の名門ライドン家の生き残りで五体ものドラゴンを操る事ができる凄腕、一族の間では”神に愛された至高の召喚魔術師”と言われていた
クルム・フリニオーラ…世界最強の魔法使いと言われたクルム・ハイドニールの弟子で師匠の仇である魔王を憎んでいた、史上最年少で”クルム”の名を継いだ天才魔法使い
月明かりに照らされた駿府城の城外では先ほどまでの
騒ぎが嘘だったかのような静寂が訪れていた
「しかし何とも凄まじい光景ですね・・・」
ステイメンは数分前まで戦場だった場所を見渡しながら
やや引き気味につぶやいた、ゾフィが戦っていた東側では
物凄い数の人間が地面に倒れながらうめき声をあげ
その表情は恐怖に支配され目を大きく見開きガタガタと
震えていて、正気を保てている今川兵は一人もいなかった
フリニオーラが戦っていた西側ではとてつもない数の
人間が両手を首に当て窒息しながら卒倒していて
ほぼ全員が白目をむいていた、そして意識を保っている
今川兵は一人としていなかった
ステイメンはこの結果に目を閉じ天を仰ぐと
ゆっくりと首を振った
「あの二人の見た目からは想像もつかない
惨劇ですが、結果としてほとんど死人は
出ていませんし、まぁ良しとするべき
なんでしょうけどね・・・」
ステイメンがそんな事をつぶやいていた時
当のゾフィとフリニオーラはお互いの健闘を
称えあっていた、最初の内だけは・・・
「お疲れさんフリニオーラ、どうだった?」
戦闘を終えたゾフィがダークネスドラゴンを引きつれ
西側のフリニオーラの元に現れた
「あっ、お疲れ様ですゾフィさん
何か相手も色々やってきましたけど
結構弱かったです、正直言いますと
もう少し歯ごたえのある相手と
戦いたかったですね」
「う~ん私は別に強い相手と戦いたいって
気持ちは無いなぁ・・・実際戦うのは
この子たちで私はあまり関係ないし」
ゾフィはダークネスドラゴンの体をさすりながら
誇らしげに見上げていた
「これが闇の暗黒龍ですか!?大きいですねぇ
きっとすごく強いんでしょうね、私今まで
ドラゴンと戦った事って無いんですよ!?
一度模擬戦でもいいから戦ってみたいです」
フリニオーラの言葉にダークネスドラゴンは
ピクリと反応し目線を向けた、しかしゾフィは
笑いながら首を振る
「いや無理無理、いくらアンタが凄腕でも
所詮魔法使いも人間じゃない!?
私のドラゴンとじゃ相手にならないわよ
模擬戦とはいえ仲間を怪我させるのは
さすがに気が引けるしね」
これにはフリニオーラもカチンときた様子で
先程までの表情が急変し真剣な眼差しを向ける
「それは私だけでなく魔法使い全体を
馬鹿にしていると取っていいのですね!?
いいでしょう、貴方の言う所詮魔法使いが
どれほど強いかお見せしましょうか!?」
明らかに態度が変わったフリニオーラに
驚き、思わず慌てるゾフィ
「えっ!?ちょっと待って、言い方が悪かったわ
別に魔法使いを馬鹿にしてはいないのよ
でも人間じゃドラゴンには勝てないって
言っているだけなの、誤解しないで」
ゾフィもフリニオーラを怒らした事を感じ
何とかなだめようとしたがその言い回しが
逆効果になっていた
「なにがドラゴンですか、高々トカゲがデカくなった
だけの生き物じゃないですか、爬虫類なんかに
魔法使いが負ける訳ありません、10秒です
私なら10秒で丸焼きにしてやりますよ」
今度はゾフィの目つきが急変した、ゾフィは自分の
召喚した魔獣を貶されることに事のほか敏感で
特にドラゴンに関しては過剰なまでの思い入れがある
自分の親友を貶された様な気分になるのだ
フリニオーラは正に逆鱗に触れてしまったのである
「あっ!?今なんて言ったのよ
もう一度言ってみなさいよ‼」
「聞こえませんでしたか?ならば何度でも
言ってあげます、高々トカゲもどきに
負ける魔法使い何ていないと言ったのです‼」
「私の大事な友達の事をトカゲって・・・
いくらアンタでも許さないわよ!?」
「許さなかったらどうするんですか!?
何なら今ここで決着つけましょうか!?」
「言ったわねこのモヤシ女、いい度胸じゃない
魔法使いなんか私のドラゴンにかかれば8秒で
消し炭よ、それでもやるっての!?」
「モヤシ女って・・・今、人の身体的欠点は
関係ないじゃないですか!?私なら6秒です‼」
「じゃあ私は4秒よ‼」
「なら私は3秒です‼」
「じゃあ私は・・・」
女同士の不毛な争いの一部始終を見ていた
ダークネスドラゴンは呆れて帰ってしまった
ステイメンが一通り城の周りを見て帰って来ると
ゾフィとフリニオーラがお互いの髪の毛を
掴み合いながら取っ組み合いの喧嘩をしていたのだ
「アンタなんかアンタなんか!?・・・」
「貴方なんか貴方なんか!?・・・」
あまりに驚いたステイメンは慌てて
駆け寄り止めに入った
「止めてください二人とも
一体何があったんですか!?」
二人の間に割って入り無理やり引きはがす
息を荒げて睨み合う二人、お互い髪を
引っ張り合っていたせいで二人とも髪は乱れ
ボサボサになってしまっていた
「聞いてよステイメン、この子
私の大事な友達であるドラゴンの事を
でっかいトカゲって言ったのよ!?」
「聞いてくださいステイメンさん
この人魔法使いを馬鹿にした上に
私の事モヤシ女って言ったんですよ!?」
”事実は小説よりも奇なり”という言葉があるが
あまりの真実に呆れて言葉が出ないステイメン
そして安心感からかふと気が緩み思い出したかの
様に口を押えながらうずくまって吹き出した
「でっかいトカゲ・・・モヤシ女・・・
ぷっ!?中々いいセンスですね」
思わず笑ってしまったステイメンは
二人の顔を見上げてハッと我に返る、そこには
二人の女性が鬼の形相で見下ろしていたのだ
「何がおかしいのよステイメン
何なら二度と笑えないように
してあげましょうか!?」
「中々いいセンスって事は
貴方もそう思っていると
いう事ですよねステイメンさん?
前から気になっていたんですが
貴方の防御魔法と私の攻撃魔法
ぶつけ合ったらどっちが
勝つのでしょうね?
今ここで試してみるのも
いいと思いませんか!?まあ
私が勝った場合あなたは死にますが
それはしょうがない事ですよね!?」
ステイメンは先ほど見た今川軍の惨劇の光景を
思い出し慌てて防御魔法を張って中に閉じこもった
防御魔法の外からバンバン叩くうら若き二人の女性
「出て来なさいよステイメン、男らしくないわよ‼」
「そうですよゾフィさんの言う通りです
男なら正々堂々と出てきてください
それとも本当にアークギガサンダーでも
ブチかましましょうか!?」
「それいいわね!?やっちゃえやっちゃえ‼」
思わずステイメンの顔が青ざめる、半透明の
球体の中で両手を合わせ謝っているその姿に
ようやく溜飲が下がる二人
「まあしょうがないわね・・・それと
さっきの事は謝るわ、フリニオーラ
決して魔法使いの事を馬鹿にしたんじゃ
ないのよ御免なさいね、でも私は
友達であるドラゴンが世界最強だと
思っているの、単なる思い込みかも
しれないけどそれだけは譲れないし
私は自分の力とあの子たちの強さに
誇りを持っているの」
それを聞いたフリニオーラも素直に
ぺこりと頭を下げた
「私こそ大変失礼な事を申しまして
本当にすみませんでした
私も世界最強は師匠のハイドニール
だと信じて疑いません、ですから
つい熱くなってしまって・・・
御免なさい」
深々と頭を下げるフリニオーラを見て
思わず抱き締めるゾフィ
「やっぱり私あなたの事好きよ」
「く、苦しいですよゾフィさんでも、
私もあなたの事が大好きになりました」
先程までの取っ組み合いが嘘のように
抱き合いながら笑っている二人を見て
防御魔法の球体の中で茫然として複雑な
気持ちになったステイメンであった
城外でそんなやり取りがおこなわれているとは
露知らず、ルキア達三人は瀬名姫と信康を救出の為
四階の東側に向かっていた、ライオスの凄まじい
戦いぶりによりほとんどの今川兵は逃げ出していて
先程までの人が密集した閉塞感は消えていた
「おっ、あれかな!?」
ゼファーが見たその先には着物を着た女性一人と
その横に寄り添うように付き添う若者が一人
こちらを見つめていた、周りにはまだ数名護衛の為の
兵が残っていたが、大半の味方の撤退に混乱しており
最初から明らかに腰が引けていた、ゼファーは
スルスルとその場所に近づくとやけくそ気味に
向かって来る護衛の兵を素手で簡単に打ち倒す
後頭部を殴打され気を失いながら次々倒れる今川兵
そんな護衛の兵を見下ろしボソリとつぶやく
「ここまでビビってる相手なら
殺すまでも無いよな」
全ての護衛兵を軽く打ち倒し二人の元へ駆け寄ると
片膝をついて右手を差し出すゼファー
「お待たせいたしました瀬名姫様、信康様
私は貴方方を救出するために家康公より
頼まれた者でございます、さあこちらへ」
ゼファーの言葉に怪訝そうな顔を浮かべ見つめ合う
二人、そして意を決したように女性の方が口を開く
「そうでありましたか、ご苦労を駆けましたね
わらわと信康の為によくぞここまで・・・
ところでそちの名は何と言うのですか?」
「私の名はゼファ・・・
いえ白馬のナイトと呼んでください」
ゼファーは深々と頭を下げそう名乗った
「そうであるか、見たところ異人かと
思うたが内藤殿とおっしゃるのですね!?
では内藤殿、よろしくお頼みします」
思わぬ聞き違いに唖然とするゼファーだったが
目を閉じ自嘲気味に笑うと気を取り直し
スッと立ち上がる
「では私の背中について来てください
城を出る際は私にしがみつくように
してくださいね」
その言葉に大きくうなづく二人
それを確認するとゼファーは周りを見渡した
ライオスとルキアは他の兵の邪魔が入らないように
一定の距離を開けながらゼファーを守る様に
今川軍を牽制していたのだ、大半の兵が
逃げ出したとはいえまだ幾人かの今川兵が
残っているからである
「まああの二人が援護してくれるなら
楽勝かな・・・」
そう言いながら瀬名姫と信康に背中を向けた
その時瀬名姫と信康は懐から何やら
光る物を取り出す、それは匕首
と言われるつばの無い短刀で二人はそれを
両手に握ると先ほどまでの雰囲気とは一変し
憎悪の視線でゼファーの後姿を睨みつけた
そして目の前の背中に向かって持っている
匕首を勢いよく突き刺したのだ、やったか!?
と成功を確信したその瞬間、二人は驚愕する
なんとゼファーは背中を向けたまま
二人の匕首の刃先を右手と左手の
人差し指と中指でピタッと挟み込んで
受け止めていたのだ
「なっ、馬鹿な!?」
「そんな・・・有り得ぬ、なぜ!?」
ゼファーは二本指で挟み込み受け止めていた
匕首の刃先を軽くひねる、すると匕首は”ポキン”と
いう音と共に綺麗にへし折れた
いまだに信じられないと言った表情で折れた匕首を
見つめる二人、思わず後ずさりして距離を取り
ゼファーの背中を睨みつけた、当のゼファーは
まだ背中を向けながら右手の人差し指を立て
ゆっくりと左右に振った
「チッチッチ、俺を騙そうとするなら
もう少し上手くやらないと・・・」
二人は折られた匕首を握り締め歯ぎしりしながら
ゼファーに怒りと戸惑いの感情を向ける
「なぜじゃ?なぜ我々が偽物だと
見破ったのじゃ!?」
ゼファーは振り向きながら二マリと笑った
「最初から少し様子が変だと思ったんだよ
初対面の俺を見て慎重になるならわかるけど
あれは警戒心とか不信感とかじゃなく
明らかな敵意を向けていたからな
上手く隠していたつもりなんだろうけど
表情や態度にチラホラ出てたぜ!?
それと本来アンタら親子のはずなのに妙な緊張感
というかよそよそしさがあったからな
だから俺がワザと背中を向けて
隙を見せた途端に二人とも物凄い殺気を
放っちゃって・・・
やっぱりな!?って感じ、種明かしをすれば
そんな大層なことじゃないだろ!?」
ゼファーはあっさり言い放った
「たったあれだけのやり取りで・・・
そこまで見破ったというのか、おのれ!?」
信康の偽物が横に倒れている今川兵の刀を
手に取りゼファーに斬りつけて来た
「死ね殿の仇‼」
憎悪の視線を真っ直ぐゼファーに向け
大声で叫びながら力いっぱい刀を振り下ろす
しかしゼファーの脳天を斬りつける直前で
刀の刃がピタリと止まった、ゼファーは
先程と同じく振り下ろされた刀の刃を
中指と人差し指の二本で受け止めていたのだ
「なっ、無刀取りだと!?しかも指で・・・
おのれ、おのれ~‼」
受け止められた刀を何とか取り戻そうと
必死で引っ張る偽信康、しかし二本の指で
固定された刀はビクともしない
ゼファーはため息をつきながら目の前の
男の腹を蹴り上げた
「ぐぼっ!?」
思わず胃液を吐いて倒れ込む偽信康
苦悶の表情をうかべ蹴られた腹を押えながら
床にうずくまってしまった
目の前で倒れている偽信康をみて茫然とする
偽瀬名姫、ゆっくりと近づいて来るゼファー
を見てハッと我に返るがどうしてよいかわからず
明らかに困惑している様子が見て取れた
「女性に手荒な真似はしたくありません
おとなしくしていただけませんか?」
ゼファーがやさしい口調で話しかけるが
それが余計に相手を怒らせてしまった
「おのれ~どこまでも私を愚弄するか
死ね、痴れ者が!?」
偽瀬名姫は折れた匕首を両手で握り締め
凄い形相でゼファーの首元目掛けて斬りつけて来た
悲しげな表情でその攻撃をあっさりかわすと
後頭部を手刀で軽く殴打する
「ぐはっ!?」
力なく崩れ落ちる偽瀬名姫の体を受け止め
その耳元に小声で問いかける
「本物の瀬名姫と信康様の居場所を
教えてはくれませんか?」
もはや意識すら朦朧としている偽瀬名姫は
「そのような事・・・言うと思うのか
我らを愚弄するのも大概にせい・・・
貴様らを末代まで呪ってやろうぞ!?」
力ない声で精一杯の恨み言を叩きつける
そんな返答に悲しげに眼を閉じ首を振るゼファー
「本当はこんなことしたく
なかったんだけどね・・・」
ゼファーは懐から一枚のカードを取り出すと
軽く空中に投げ捨てた、そのカードは
空中ではじけ煙のように消える、すると
その辺りには何ともいえない甘い香りが立ち込めた
「この香りは一体!?・・・」
偽瀬名姫がその奇妙な甘い香りに顔をしかめる
しかし次の瞬間目がトロンとなって意識も朦朧となる
口も半開きのまま全身の力が抜けてしまっていた
「ああぁぁ・・・一体・・・何を・・・」
「何も考えなくてよいのです
貴方は今優しい世界にいるのですから
貴方は私に聞かれた事に答えるだけで
良いのです、いいですね?」
「はい・・・わかりました・・・」
耳元で優しくささやくゼファーの声に
おぼろげな意識のまま従順に従う偽瀬名姫
「いい子だ、では質問です
本物の瀬名姫と信康さまは
どこにいますか?」
問われた偽瀬名姫は朦朧とした意識の中
涙を流しながらゆっくり首を振る
「それは・・・言えませぬ・・・
忠義に・・・反しまする・・・」
そんな偽瀬名姫の頭をそっと抱き
再び優しく話しかけた
「いいのです、貴方は本当に
信義に厚き御方、そんな貴方を
誰が責めましょう、もういいのです
肩の荷を降ろし楽になるのです」
ゼファーは優しく抱き締め頭を撫でる
「あああああぁぁぁぁ」
偽瀬名姫の目から大量の涙がこぼれ落ちる
しばらくの沈黙の後、絞り出すような声で
静かに語り始めた
「瀬名姫と信康は二の丸の座敷牢に
幽閉しておりまする・・・」
その瞬間、偽瀬名姫は意識を失い崩れ落ちた
それをそっと受け止めるゼファー
「おっと危ない、ゴメンね、ゆっくりお休み・・・」
ゼファーは偽瀬名姫をゆっくりと床に置き
ルキア達の元に駆け寄るゼファー
「なにがあったゼファー?
瀬名姫様と信康様はどうした?」
ゼファーは倒れている偽瀬名姫を横目でチラリと
見た後、静かに小声で話始めた
「あの瀬名姫様と信康様は偽物だった・・・
本物は二の丸の座敷牢にいるらしいぜ!?」
それを聞いて驚いたように反応するライオス
「マジかよ!?また最初からやりなおしか!?」
それを見て呆れたように笑うゼファー
「セリフとは真逆でやけに
うれしそうじゃないかライオス」
ライオスの口元が思わず緩んでいる事を
ルキアも気付いていた
「じゃあ急ぐぞゼファー、ライオス
二人を移送されても厄介だ」
二人は大きくうなづき先に駆けだしたルキアに続いた
その時城外では一段落ついた三人が状況報告の為
ステイメンがルキアにメッセージを送るところであった
「聞こえますかルキア?こちらはあらかた片付きました
そちらの状況はどうですか?」
『ステイメンか!?こちらは瀬名姫と信康様を
救出に向かったが四階にいた二人は偽物だった
本物は二の丸の座敷牢にいるらしい、今から
三人でそちらに向かう』
「そうですか、ここから二の丸ですと私の援護魔法は
届かないと思います、私も急いでそちらに
向かいますが間に合わないかもしれません
くれぐれも無理しないように、気をつけて」
『ああわかった、気を付けるよ』
テレパシーによる通信を終えたステイメンに
ゾフィとフリニオーラが問いかけた
「三人の状況はどうだって?まぁあの三人なら
問題なく救出したんだろうけど・・・」
「そうですね、城内の狭い空間での戦闘なら
あの三人が負ける要素は無いでしょうし
楽勝だったんじゃないでしょうか!?」
そんな楽観視している二人に対し口に手を当て
難しい顔をして考え込んでいるステイメン
「どうかしたのですかステイメンさん?」
「そうよ、何かあったの?」
少し考えてから口を開くステイメン
「四階にいた瀬名姫と信康様は偽物だった
との事です、本物は二の丸の座敷牢にいる
らしく三人はそこに向かいました」
驚いて顔を見合わせる二人
「まんまとやられましたね、あざといですが
敵ながらいい一手です」
「やってくれたわね・・・せっかくダークネス
に頼んで索敵したのに偽物だったなんて!?
ホントに腹立つわね~、二人がいるのが二の丸なら
本丸はぶっ壊してもかまわないわよね!?
今からダークネス呼び戻して本丸を
粉々にしてやろうかしら!?」
ステイメンがそれを聞いて慌てて制止する
「それは止めてください、その情報もブラフ
という可能性もあります、本丸を破壊して
人質二人が巻き込まれたら大変ですから」
困った顔でゾフィをなだめるステイメン
「じゃあどうするの?ステイメンは今から
三人の所に行くんでしょ、私達も行こうか?」
「いえ、もう大丈夫だとは思いますが再び
今川軍の援軍が来る可能性もありますから
お二人はここで待機していてください」
目を閉じ腕を組んで大きくうなづくフリニオーラ
「確かに狭い城内では我々の能力は
活かしにくいですし、ここで待機が
得策ですね、人質を救出後、皆さんが
城外へ逃げて来た時、追手を蹴散らす為にも
ここで待機しています」
少しホッとしたステイメンは二人を残し
ルキア達と合流する為二の丸に向かった
話的には遅々として全くと言っていい程進まず申し訳ありません
さすがに次話で終わると思うのですが又余計な内容を付け足して
長引く可能性も否定できません、また懲りずにおつきあいください
では。




