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3話:悪役令嬢と遭遇

あれから数日いろいろ計画を練りましたが、まずはお礼ですわ。


それは令嬢がどうとか以前に、人として最低限のことですもの。

お礼が言えない人は、ただのクズだと聞いたことがあります。

宣戦布告がどうとかに関しましては、後で考えればいいのですわ。


「しかし…どこにいらっしゃるのかしら…。」


今日も授業が終わるなり、Dクラスの教室から飛び出しましたわ。

Aクラスは校舎の反対側――優雅な悪役令嬢にとって割と距離がありますの。

廊下を早歩きしながら、ワタクシは何度目かのAクラス前に辿り着きました。


……が。


「本日も…いませんわね…。」


なぜですの!?

授業後すぐに向かっているというのに、毎度いらっしゃらないなんて。

ワタクシの高貴なオーラを察知して隠れておられるのかしら…。

将来のライバル(予定)から逃げるなんて、なんと罪深いことか。


ちなみに、初日に悪役令嬢ダッシュをしたところ、廊下で先生に捕まりました。

「走らない!」とこっぴどく叱られましたの。


「う~ん…こっちの倉庫裏とかにいたり――」


ワタクシのどうしてか平坦にできない頭頂前部の髪――メイディ曰く『アホ毛』――が指し示す方にしばらく歩いていましたら、何やら怒っているかのような騒がしさが聞こえてきましたの。


「ねぇ、リシリアさん! なんとか言ったらどうなの!」

「殿下に近づいちゃって、図々しい!」


チラッと覗いてみれば、あらま、例の方がいましたわ!


おや、どうやらイジメられているようですわね。

そして、名前はリシリアさんというのですね。


しかしまぁ、随分と多い人数で囲んでいるですのね。

女性5人に男性3人――主犯はあのうるさいお二人かしら。


それにしても、悪役令嬢であるワタクシを差し置いて、先にヒロインに攻撃するなんて、あなたがたの方が図々しいことこの上ないのでは!?


「で、殿下は…お優しいお方ですので…困っている私に、て、手を差し伸べてくださるだけです! 決して私が狙っているなどとは!」


「そう…言い分は分かったわ。ほら、男どもやっちゃっていいわ。」


「おうよ、こんな可愛い女の子を…グヘヘヘ。」


あらあら、まぁ!

この先はお子様には見せられない展開なのでしょう。

大衆文庫として出版するわけにはいかないような展開。

現実の悪役令嬢としては正しい展開に違いませんわ。



で す が !



ワタクシがなりたいのは理想の悪役令嬢ですわ!

高潔で、美しく、クールな悪役令嬢なのでしてよ!

あそこにいるようなカスみたいな悪役令嬢ではない!


だから、ワタクシは止めに入るのですわ!


「よしなさい! その方はワタクシの恩人でしてよ!」


これを見逃しては悪役令嬢の名が廃るってもの。

ついでに、恩は返せるときに返しておくべきですわ。


「だ、誰!?」


「お~ほっほっほ! ワタクシですわぁ!」


ワタクシは角陰から飛び出すと――


左手は腰に添えて!

右手は扇子で口元を隠し!

斜め上を向きながら高らかな笑い声!


悪役令嬢率110%でしてよ~。


「「「「「なッ!」」」」」


あらあら、皆さま口を開けてしまって…。

ワタクシの登場に恐怖を抱いているに違いありませんわ。


悪役令嬢耐性のない最近の若者では、私が登場するだけで戦意を喪失してしまう……これはワタクシの天才的頭脳で導き出した結論ですわ。もしかしたら小童の皆様にトラウマを植え付けてしまうかもしれませんが、仕方のないことで―――




「――いや…あんた…誰…?」




なん……ですと……ッ!?



【皆さまへ】


コチラの作品を読んで楽しんだら、高評価をしてくださると嬉しいです。


そして、何よりも嬉しいのは作品に対する直接の言葉です。

なので、コメントしてくださるともっともっと嬉しいです。


よろしくお願いします!


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