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第2話 勇者の条件

彼女とのデートのために男は頑張ってます。

 異世界の神はあの後、急に顔を青くして『ご、ごめん、き、緊急かいぎ……と、土地神……』と言って消えてった。まだ俺の交渉は終わっていない。そこで、俺は失神していたじいさんの胸ぐらをつかんで叩き起こした。

「おい!お前らのクソみてぇな神は会議だって消えたぞ?」

「ひ、ひいぃぃ」

「勇者とは何をして魔王を倒せばいいか、吐け」

 じいさんは涙目で話し出した。

「うぅ……。まず、勇者は聖女様から祝福を受けます。それから、勇者の聖剣を取りに2カ月ほど離れた山の中に行っていただきます。聖剣には意思があり、選ばれるまで修行が必要なこともあります。そこから魔王城へ向けて旅をしていただきます。そして、聖剣でもって魔王を倒しますと魔王は封印され、この世界は再び平和が訪れるのです!!!」

最後は、気分が高揚してきたらしいじいさんは頬を染めて鼻息も荒く話をしめたが、俺にはハウツー動画かクッキング動画の説明にしか聞こえん。

「そうか」

 俺はとりあえず、手っ取り早く聖女とやらも起こした。

「ひ、ひいぃぃぃ」

「お前らの種族の寝起きはみんなそう言うのか?さっさと俺を祝福しろ」

とたんに彼女は怯えの色が消えて、強い光をたたえた瞳でこちらを見てきた。

「あなたはまだ私のテストに合格していないわ!力だけではダメなのよ!高潔な魂かどうか―――」

(めんどくせぇ)

 俺はパアンと柏手を打つと、聖女は驚愕したようにきょろきょろし、じいさんは何故だか跪いた。

 「かしこみかしこみ申し上げます。我が身に宿りし分霊、我が親神よ。この身を寿ぎ給い、幸み給え。清き御心のまにまに、この身を護り導き給え。畏み畏み申し上げ奉る」

と自分に祝福を与えると、柔らかな光が降り注ぎ、柔らかい風が俺の体を包み込むように通り過ぎて行った。「なんと神聖な空気……!」「すごい……」あの2人は何故か俺の後ろでぶつぶつ呟いて額ずいていた。意味がわからん。やれやれと、ふと時計を見るとすでに約束の時間が過ぎていた。

「う、うそだああぁぁぁ!」

俺は膝から崩れ落ちた。


読んでいただき、ありがとうございます。

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