日常
GW10連休、2日目の投稿。
こっちの世界にきて早一月、こっちの生活にも慣れてきた
まだ色々慣れていないこともあるが、それもそのうち慣れる、慣れてしまうだろう
こっちの世界での名前はレン
前世の名前は忘れた
前世で学んだ知識や経験、あるいはその記憶は覚えているが、自分や家族、友達の名前や自分がどこの国のどこに住んでいたのか全く思い出せない
まあ別にそれはいい
たとえ自分の名前が思い出せずとも、前世の知識さえあればチート無双できるので問題ない
そう思っていた
だが現実は非情なものでこの世界での僕の居場所はどこにもなかった
僕には家族はいない
僕が生まれてからすぐに流行りの病で亡くなってしまったらしい
今はこの村の村長の家に居候として倉庫に住んでいる
村での生活は最悪だ
朝は藁が敷き詰められただけのベッドで目を覚ます
その後、村長の家の水瓶に生活に必要な分の水を入れるために井戸を何度も往復する
水を運び終える頃には村長の奥さんが朝食を作ってくれる
内容は水に浸して食べないと噛み砕くことが難しいほど固いパンとほとんど水と野菜だけのスープ
それが大人達の分の半分ほど
食べる回数は一日二食
たまにスープの中に小さい肉が入っていることがある
それだけが今の僕の唯一の楽しみだ
でも僕は知っている
僕が朝を食べ終わり、仕事に出たあと、村長の家族は美味しそうなパンや肉を食べていることを
昼頃、僕が外で仕事をしている時に僕以外のみんなで昼食を食べていることを
僕にとっての贅沢な料理の日は僕以外の人のスープには大きな肉がいくつも入っていることを
別にその事に対してはそんなに怒っていない
こっちの世界にきた頃は村長一家に怒りを抱いていたがいつの間にかそれは風化していた
本来、僕は別の家の子であり、飯を食わせてもらっているだけ感謝するべきだ
そうは言っても腹は減る
だから僕は村の近くの森や山に入り、食べられる野草や果実を食べるようになった
幸いにも元の子供もこうやって生きてきたので子供が取れる野草の知識はあった
そうやって飢えをしのいでいた
そんなある日、僕にある出来事が訪れた
その日はいつも通り畑仕事をしたあと、昼食にと近くの森へ行っていた
普段、食べている果実はあきてしまったので、他の木の実を食べようといつもなら近づかない森の奥まで行っていた
その結果、迷子になってしまい、村に帰れたのはもう日が落ちようとしている時間だった
村の方角へ歩いていると、もう暗くなるというのに村は明るいようにみえた
今日はなにかお祭りの日だったかなと思い村へ向かう
村を見下ろす丘にたどり着いたとき、僕は目を疑った
村が燃えていた
次は4/29に投稿予定。




