第89話 ついに2万ポイント達成!
海辺で釣りと休息を楽しんだあの日から──すでに1か月が経っていた。
その間、4人は
北側ダンジョンの周回 → 海辺で休息 → 周回 → 休息
を繰り返し、まるで“家族の生活リズム”のように日々を過ごしていた。
朝は海辺で簡単な朝食を取り、昼前には北側ダンジョンへ向かう。
サーヤは剣を振り回しながら叫ぶ。
「むぅぅぅ!!今日もポイントを稼ぐのだ!!2万ポイントまであと少しなのだ!!」
ミィは拳を握りしめて頷く。
「……がんばる……おおきいの……倒す……」
壮真はスマホを握りしめ、魔石吸収の準備を整える。
「よし、今日も行くか。あと数千ポイント……絶対に貯めるぞ」
氷狼、氷ゴーレム、氷の亡霊──
1か月の間に、4人は数えきれないほどの魔物を倒した。
サーヤは剣技が格段に上達し、ミィは怪力に磨きがかかり、リュミナは風の魔法を自在に操れるようになった。
壮真は魔法の扱いに慣れ、詠唱の長い大技も安定して撃てるようになった。
戦闘のたびに魔石を吸収し、ポイントは少しずつ、しかし確実に増えていく。
ダンジョンから戻れば、海辺で釣りをしたり、浜辺で貝を拾ったり、焚き火を囲んで料理をしたり。
サーヤは釣りが大好きになり、リュミナは料理の手伝いが上手くなり、ミィは相変わらずサメと友情を深め、壮真は料理長として腕を振るった。
そんな日々が続いた。
ある日の夕方。
ダンジョンから戻った4人は、海辺のキャンプ地で焚き火を囲んでいた。
壮真はスマホを開き、今日の魔石を吸収しポイントを確認する。
ピコンッ!
『魔石吸収 +120』
「……よし、今日の分で……」
「むぅ!?どうなのだ!?2万ポイントは……!?」
ミィはじっと壮真を見つめる。
「……たまった……?」
リュミナは胸に手を当てて言う。
「壮真……どう?」
壮真は深呼吸し、ゆっくりと画面を見せた。
【現在ポイント:20,040】
「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!ついに……ついに2万ポイントなのだぁぁぁぁ!!」
ミィは拳を握りしめる。
「……やった……やっと……のぼれる……」
リュミナは目を潤ませながら微笑む。
「みんな……本当にすごいよ。ここまで来られたのは、みんなのおかげだよ」
壮真は3人を見回し、自然と笑みがこぼれた。
「よし……これで、山頂へ行くための装備が揃えられる」
壮真はスマホのAmazonアプリを開き、スマホを握りしめながら言った。
「必要なのは──ピッケル3本、トレッキングシューズ3足、ロープ、カラビナ、手袋。ジャケットとテントは俺が持ってるから不要だ」
サーヤは画面を覗き込みながら叫ぶ。
「むぅぅぅ!!このピッケルかっこいいのだ!!これで氷の壁を登るのだ!!」
ミィは無言でピッケルを指差す。
「……これ……つよい……すき……」
「いや武器じゃないからな」
リュミナは靴を見て微笑む。
「この靴、軽くていいね。私でも歩きやすそう」
壮真はカートを確認し、ポイントを使って購入した。
『ポイント残高:120』
「……よし、買ったぞ。これで山頂へ行く準備は完璧だ」
「むぅぅぅ!!いざ、山頂なのだ!!」
「……のぼる……」
「高いところの風……気持ちいいかな?」
「明日の朝、出発だ」
翌朝。Amazonのが荷物を届いてた。
「むぅぅぅ!!いつも思うのだがどうやって運んでいるのだ!!」
「……はやい……」
「便利だね……」
4人は荷物を開封し、それぞれの装備を身につけていく。
「むぅぅぅ!!これで氷の壁も登れるのだ!!」
「……つよい……(武器として見ている)」
「軽いし、持ちやすいね」
「絶対に人に向けるなよ」
サーヤは靴を履いて飛び跳ねる。
「むぅぅぅ!!歩きやすいのだ!!これなら山でも走れるのだ!!」
ミィは靴底をじっと見つめる。
「……すべらない……すき……」
リュミナは足踏みして微笑む。
「軽い……これなら長い距離も大丈夫だよ」
壮真はロープを肩にかけながら言う。
「これがあれば崖も渡れる。安全第一で行くぞ」
「むぅ!!任せるのだ!!」
「……ロープ……ひっぱる……」
「いやミィは引っ張りすぎるなよ」
「手袋、暖かい……」
4人は焚き火を囲み、静かに夜を過ごした。
サーヤは火を見つめながら言う。
「むぅ……なんかドキドキするのだ……山の上には何があるのだろう……」
ミィは魚を焼きながら言う。
「……強いの……いる……?」
「いや、山頂にボスがいるとは限らないだろ」
リュミナは風を感じながら言う。
「でも……風の心珠がずっと、山の上を指してるの。まるで“来て”って言ってるみたい」
壮真は火に薪をくべながら言う。
「明日、確かめよう。この島に来てからずっと気になってた場所だしな」
サーヤは拳を握りしめる。
「むぅ!!絶対に登り切るのだ!!家族みんなで山頂に行くのだ!!」
ミィは静かに頷く。
「……いっしょ……」
リュミナは微笑む。
「みんなで行こうね」
壮真は3人を見つめ、心の底から思った。
──この仲間たちとなら、どこへでも行ける。
海辺に朝日が差し込み、波が静かに揺れる。
壮真は立ち上がり、登山装備を背負った。
「よし……行くか」
「むぅぅぅ!!出発なのだ!!」
「……のぼる……」
「風が……優しく吹いてる。きっと、歓迎してくれてるよ」
4人は山の麓へ向かって歩き出した。
1か月の努力を胸に──ついに、山頂への挑戦が始まる。




