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第58話 初めてのダンジョンへ7

 温泉で体を温め、疲れを癒した三人と一匹は、再び氷の回廊を進んでいた。


「よし、体力は戻ったし・・・この先に中ボスがいるんだよな?」


「うむ。魔力の流れが強くなっている。


 間違いなく“主格の魔物”がいるはずだ。」


 ミィは髪を拭きながら、無表情で言う。


「・・・倒す」


 ポポタヌは「ポポッ!」と元気よく鳴いた。


 そんな中――


「・・・ん?」


 壮真が足を止めた。


「どうしたのだ?」


「なんか・・・壁に模様がある。」


 サーヤとミィも立ち止まり、氷の壁に刻まれた“何か”を見つめた。


 そこには――


 巨大な龍の姿が描かれていた。


「・・・これ、ライリュウ?」


 ミィが小さく呟く。


 サーヤは目を細め、壁画に書かれた文字に触れた。


「間違いない。これは“雷龍ライリュウ”を描いた古代の壁画だ。」


「なんでこんなところに・・・?」


 サーヤは壁画の周囲を調べながら言う。


「このダンジョン・・・ただの自然発生ではないのかもしれん。古代文明が関わっている可能性がある」


 壮真は壁画を見つめた。


 そこには、ライリュウとライリュウを倒そうとする人々が描かれていた。


「・・・これはなんだ?」


 壮真が一人の女性を指さす。そこにはライリュウに向けて何か玉のような物を掲げている。


「この玉のようなものに雷が吸収されているように見えるな・・・」


 サーヤが真剣な声で言った。


「うむ。確かにそう見える・・・これはもしかして雷封じの魔道具があるのかもしれないのだ。」


 ミィが壁画の下部を指差す。


「・・・ここ、文字・・・」


 氷の下に、古い文字が刻まれていた。


 サーヤが読み上げる。


「“雷龍の力は雷封じの珠により抑えられる。雷龍に向けて珠を掲げ祈るのだ・・・ただし・・・雷封じの珠を使えるのは清らかなる乙女しか使えない・・・”と書いてある。」


 壮真は目を見開いた。


「雷封じの珠・・・?」


 サーヤは頷く。


「おそらく“魔道具”だ。炎・氷・雷・・・色々なの属性の力を封印できる魔道具は確かに私のいた世界ではあった。それを使えばライリュウを弱体化できるということだ。」


 ミィは無表情のまま言う。


「・・・じゃあ、倒せる?」


「完全に倒せるかはわからんが・・・少なくとも“戦える状態”にはできるだろう。」


 壮真は壁画を見つめながら呟いた。


「この階層のボス?が落とすか、どこかにあるのか・・・?」


 サーヤは壁画の横に描かれた“珠”を指差す。


「おそらく、各階層の“主”が持っているのだろう。第一階層のカニは落とさなかったが・・・第二階層の主はで落とす可能性もある・・・」


 ミィが拳を握る。


「・・・じゃあ、倒す・・・」


 壮真は苦笑しながらも頷いた。


「そうだな。それを確かめる為にも・・・この階層のボスは絶対に倒さないといけない・・・」


 サーヤは剣を握り直し、氷の回廊の奥を見つめた。


「行くぞ。この先に“ボス部屋”があるはずだ。」


 ポポタヌは「ポポッ!」と鳴き、三人の後ろをついていく。


 壮真は深呼吸し、壁画を最後に一度だけ見つめた。


「ライリュウ・・・次は負けないからな・・・」


 三人と一匹は、氷の壁画を後にし、中ボスが待つ第2階層の奥へと進んでいった。





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